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「なんで知られてないの?」「こんなに面白いのに」放送から16年“異質な脚本”で魅せた名ドラマ…一度観れば“虜になる”隠れた名作

  • 2025.8.22

ドラマの中には、何度でも観返したくなる作品があります。今回は、そんな中から"虜になる名作ドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『ラブシャッフル』(TBSテレビ系)をご紹介します。ひょんなきっかけから、高級マンションに暮らす男女が“恋人交換”を始めることに――。予測不能な恋の行方を描いた恋愛ドラマです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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女優・吉高由里子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ラブシャッフル』(TBSテレビ系)
  • 放送期間:2009年1月16日~2009年3月20日
  • 出演: 玉木宏(宇佐美啓 役)

宇佐美啓(玉木宏)は29歳にして大手IT企業の課長職。誰もがうらやむ立場に見えますが、実際は婚約者・香川芽衣(貫地谷しほり)の父親の会社にコネ入社し、家賃まで養父に頼る“見かけ倒しのエリート”でした。

結婚を控えていた矢先、芽衣から突然の婚約解消を告げられ、愛も地位も失いかける啓。そんな折、マンションのエレベーターで通訳の逢沢愛瑠(香里奈)、カメラマンの世良旺次郎(松田翔太)、心療内科医の菊田正人(谷原章介)と出会います。雷雨による停電で閉じ込められた4人は、互いの事情を打ち明け合い、急速に距離を縮めていきます。

数日後、再び集まった彼らに正人が持ちかけたのは「恋人を交換しよう」という突飛な提案――“ラブシャッフル”。
啓は芽衣を、愛瑠は青年実業家の大石諭吉(DAIGO)を、旺次郎は人妻の上条玲子(小島聖)を伴って参加。戸惑いながら始まったそのゲームは、やがて思いがけない化学反応を引き起こすのでした――。

“異質な脚本”が魅せるー恋人交換から始まる恋愛実験

ドラマ『ラブシャッフル』は、人気脚本家・野島伸司さんとプロデューサー・伊藤一尋さんが手がけたTBS金曜ドラマです。『高校教師『人間・失格』未成年』など骨太なテーマで知られる名コンビが、今回は恋愛群像劇をポップに描きました。

“運命の人はひとりだけなのか?”という問いのもと、恋人同士を入れ替える実験が始まります。この異質なストーリーは、予測不能な関係の変化を通して、恋愛の奥深さや人生の選択が浮き彫りに――。

主題歌にはアース・ウインド&ファイアーの名曲『Fantasy』を起用。華やかで洗練されたドラマの世界観と心地よく重なり、当時から話題を呼びました。

今では考えられない!贅沢すぎるキャストが揃った恋愛群像劇

ドラマ『ラブシャッフル』は、作品のテーマや設定だけでなく、キャストの顔ぶれも大きな注目を集めました。主演の玉木宏さんを中心に、香里奈さん、松田翔太さん、谷原章介さんといった人気俳優が出演。さらにDAIGOさんが俳優デビューを飾ったことも、放送前から話題になりました。

さらに、小島聖さんや貫地谷しほりさんといった実力派も加わり、物語に深みが生まれました。SNSでは「めちゃくちゃ豪華なキャスト陣」「全部私の好きな俳優、女優さんでたまらない!」「ホントにすごい俳優ばかり出てる」といった声が寄せられています。

一方で、「10年以上前にこんなドラマがあったなんて」「え、みんなラブシャッフルってドラマ知らないの…?すごくおもしろいのに…」「今の子はこのドラマを知らないよね、同世代でも怪しい」「キャストが豪華で主題歌も最高なのに、このドラマを知ってる人に出会ったことがない」「なんで知られてないの?」「こんなに面白いのに…」という声も。豪華キャストの競演にもかかわらず、意外と知られていないその存在は、“知る人ぞ知る”名作です。

“誰よりも影があるのに誰よりも輝いた”人気女優の快演

数々の豪華キャストがそろったドラマ『ラブシャッフル』で、ひときわ異彩を放ったのが吉高由里子さんです。彼女が演じたのは、美大生の早川海里。常にどこか退屈そうな表情を浮かべ、自殺願望を抱える難しい役どころでした。手首にはリストカットの跡があり、「二十歳の誕生日までは死なない」と主治医の菊田(谷原章介)と約束して生きる姿は、強烈なインパクトがありました。

母を幼いころに亡くし、厳格な父から絵を描くこと以外を禁じられて育った海里。天才的な才能を秘めながらも、絵を描こうとすると頭痛や幻覚に襲われます。吉高さんは、この複雑な心情を気だるげな仕草や寡黙な表情で繊細に表現。

SNSには「ハマり役」「鬱演技がすごく良かった」「身近にいたら怖いけど、お芝居だと惹かれる」と称賛の声が多数寄せられています。

一方で、旺次郎(松田翔太)との関わりを通じ、少しずつ感情を表に出していく過程は、彼女らしさが際立つ場面。繊細さと大胆さを同時にのぞかせる姿に、「誰これ!?可愛いってなった」「可愛さがやばい」「私が吉高ファンになったきっかけのドラマ」といった声も。

豪華キャストが集う本作で、ひときわ輝きを放った快演でした。

「ラブコメ」の枠を超えた、大人のための恋愛ドラマ

『ラブシャッフル』は豪華なキャストが集まり、「運命の人は本当にひとりだけなのか」という問いを“恋人交換”という大胆な設定で描いたドラマです。恋愛模様にとどまらず、人間関係の複雑さや心の機微を軽妙に映し出し、当時の視聴者を惹きつけました。

一見、完璧に見えるエリートも、奔放に生きる自由人も、内には人知れぬ不安や葛藤を抱えている――。そんな不器用な姿に、自分自身を重ね合わせた人も多かったのではないでしょうか。

誰もが知る大ヒット作ではないものの、“知る人ぞ知る”名作として語り継がれるドラマ『ラブシャッフル』。観始めれば、いつの間にか惹きこまれてしまう――まさに「虜になる名作ドラマ」の名にふさわしい一作です。


※記事は執筆時点の情報です