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「私は責任を取りませんよ」原作者が“異例の注意喚起”…「こんな面白いドラマない」“圧巻の作品力”に称賛相次ぐ渾身の一作

  • 2025.8.19

映画やドラマのなかには、観る人を恐怖の世界へ引き込む作品があります。今回は、そんな中から“じわじわ怖いヒューマンホラー作品”を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『リカ~リバース~』(フジテレビ系)をご紹介します。誰もが羨む家庭に潜んでいたのは、母の狂気と歪んだ愛情――。“リカ”誕生の原点に迫る一作です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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初のインストアライブを開催した高岡早紀(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『リカ~リバース~』(フジテレビ系)
  • 放送期間:2021年3月20日~2021年4月3日
  • 出演: 高岡早紀(雨宮麗美 役)

舞台は、高級住宅地に建つ瀟洒な洋館。美しく華やかな主婦・雨宮麗美(高岡早紀)は、開業医の夫・武士(小田井涼平)、美しく聡明な双子の娘・梨花(田辺桃子)と結花(山口まゆ)に囲まれ、誰もがうらやむような生活を送っていました。
けれど、その“幸せ”はあくまで表面的なもの。麗美の心には、深い孤独と満たされない想いが渦巻いており、“理想の家庭”は次第に綻びを見せ、次々と不可解な事件が起こるようになります――。

純愛を信じた少女が“純愛モンスター”になるまで

本作は、2001年に第1作『リカ』が第2回ホラーサスペンス大賞を受賞して以来、多くの読者を震え上がらせてきた、五十嵐貴久さんによる人気サイコスリラーシリーズを原作としています。

出会ってしまったら、誰も「リカ」から逃れられない――。”というキャッチコピーのもと、これまでに全9作が発表され、今なお息の長い支持を集めています。

その中でも、『リバース』はシリーズの時系列で最も古く、1980年頃のリカを描いたエピソードです。

純愛を信じすぎた少女が、やがて狂気をまとっていく“発火点”を描いた物語で、これまで明かされなかった“リカ誕生の真相”に迫っています。

その『リバース』を原作に、2021年3月、フジテレビ系“オトナの土ドラ”枠(現:土ドラ)で放送されたのが連続ドラマ『リカ~リバース~』です。全3話という短い構成ながら、じわじわと染み込むような不穏さと、突き刺さる狂気が視聴者の心を捉えました。

ときに思わず笑ってしまうようなコメディタッチのシーンも差し込まれ、不気味さと紙一重の“おかしさ”が、より一層この作品の異様な世界観を際立たせています。

“理想の家庭”を覆した父の裏切りと母の狂気

本作の主演を務めるのは、前作『リカ』(2019年)で“自称28歳”の純愛モンスター・雨宮リカを演じた高岡早紀さんです。今作ではそのリカの“母親”である雨宮麗美を演じ、娘に狂気を伝染させていく存在として、強烈な印象を残しました。

麗美の夫・武士を演じるのは、俳優や声優としても活躍する小田井涼平さんです。表向きは穏やかな開業医として家庭を支えていますが、実際には英会話講師の千尋(阿部純子)と不倫関係にあり、その裏切りが麗美の狂気を加速させます。

そんな異常な家庭環境の中、梨花(田辺桃子)と結花(山口まゆ)の双子姉妹もまた、母親の狂気に感染。宗像に好意を抱く二人は、同じく宗像に一方的な愛情を向ける母親に憎悪を燃やし、もはや家族ではなく「報われぬ愛を奪い合う哀しき純愛モンスター」へと変貌を遂げるのです。

この歪んだ家庭の渦は、部外者をも巻き込んでいきます。娘たちの家庭教師として雇われた宗像忍(浅香航大)は、やがて麗美から一方的な愛情を注がれるという予想外の事態に直面。そして、新米家政婦として雨宮家に入った花村幸子(福田麻由子)も、次第に家庭内に渦巻く異常さに気づき、その不穏な空気に飲み込まれていくことに――。

表面上は理想的に見える家族が少しずつ崩壊し、登場人物たちの歪んだ愛情が交錯していくなかで、“純愛モンスター”リカ誕生の背景が浮かび上がっていきます。

笑いながら背筋が凍る――SNS騒然の“執着シーン”

大人気の“リカ”シリーズの中でも、『リカ リバース』は異質な存在です。

原作者の五十嵐貴久さんは、本作についてご自身のXに次のように投稿しています。

原作者からひと言。私は「リバース」の映像化には消去的で、他の「リカ」シリーズは一応エンタメの枠内に入ると思ってますが本作だけは本当に嫌な話で、トラウマになるかもしれないとさえ思ってます。そこを踏まえてご視聴下さい。私は責任を取りませんよ
出典:原作者五十嵐貴久さんのX投稿(2021年3月19日午後0:54 )

この言葉どおり、劇中では母・麗美の狂気が随所に顔をのぞかせます。

娘のテスト結果に怒り、「私たちは完璧じゃないとダメなのよ…」と呟きながら自らの手首を靴ベラで打ちつける“お仕置き”シーンは圧巻。「どうして…どうして…どうしてぇぇ!」と鬼気迫る叫び声には、視聴者からも震撼の声が上がりました。

また、家庭教師・宗像の励ましを愛の告白だと誤解して暴走する場面も強烈です。まっすぐな瞳と張りついた笑顔が不気味な緊張感を漂わせ、娘たちに見せつけるかのようにキスを迫るなど、高岡早紀さんの怪演が光るシーンが続きます。

SNSでは「狂気過ぎて最高」「高岡早紀さんがサイコパスすぎてヤバい」「そこらへんのホラー映画より怖い」「こんな面白いドラマない」といった称賛が相次ぎ、中には「これは原作者さんの言うとおりトラウマもの」といった感想も。

とりわけ話題をさらったのが、宗像の乗るタクシーを麗美が全力で追いかけるシーンです。日傘や鞄を投げ捨てて猛追する姿は「ターミネーターより速い」とSNSで爆笑を誘い、途中から娘たちまで加わる異様な展開には「死ぬほど笑った」「執念が怖すぎ」と、笑いと恐怖が入り混じったコメントが多数寄せられました。

原作の持つ“本気の恐怖”を土台に、ドラマではあえて“笑い”に振り切る――その大胆な演出が、かえって作品の不穏さを際立たせています。
じわじわと心を蝕む不安感と、歪んだ愛情が生む異常な行動の数々。『リカ~リバース~』は、ただ怖いだけでは語りきれない“ヒューマンホラー”の傑作です。


※記事は執筆時点の情報です