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「本当にみんなに勧めてる」「他に類を見ない」“圧倒的リアリティ”に称賛殺到…「もう1回死ぬほど観たい」“視聴困難”な傑作映画

  • 2025.8.18

いつでもどこでも好きな時に映画を楽しめる、サブスクリプションサービス。しかし、その手軽さの一方で、権利関係の複雑さや制作者の意向など、様々な理由からラインナップに載らない名作映画も数多く存在します。今回は、そんな“サブスク配信されない”名作映画5作品をセレクトしました。

本記事では第3弾として、2021年公開の映画『14歳の栞』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“サブスク配信されない”名作映画『14歳の栞』

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Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(配給):映画『14歳の栞』(PARCO)
  • 公開日:2021年3月5日

あらすじ

とある中学校の2年6組。3学期を迎えた、このクラスに在籍する35人全員が主人公の物語。個性豊かな彼らが普段どんなことを考え、何に悩み、傷つき、どんな夢を見ているのか。誰もが抱えるそれぞれの問題に、明確な解決策もないまま必死に前へ進もうともがく姿を映します――。

映画『14歳の栞』の見どころ※ネタバレあり

映画『14歳の栞』の最大の魅力は、誰もが経験したであろう“14歳”という季節の空気感を圧倒的なリアリティと共感性をもって追体験できる点です。友情や恋、部活、勉強、将来への漠然とした不安といった、ごく普通の日常の中に存在する多感な時期の普遍的な悩みや喜びが丁寧に描かれています。作品を視聴した方からは、「昔の自分を思い出したりしながらめちゃくちゃ泣けた」「感動するのは私にも14歳があったから」など、かつての自分自身を重ね合わせたというコメントが多く見られました。

また、「長男が中学入学だから新しい気持ちで観られそう」「2回観たけど、もう一度観たい」というコメントも見られました。本作は観る人の年齢や立場によって、感情移入するポイントが変化し、何度でも新しい発見があります。10代は共感を、大人は懐かしさを、親になってからは我が子への理解と愛情を深めるなど、人生の節目で観返すたびに、その時の自分に寄り添ってくれる作品です。

実在する中学生が出演!リアルにこだわった傑作

映画『14歳の栞』は、ある中学校の2年6組35人全員にカメラを向け、彼らの日常を静かに見つめたドキュメンタリー作品です。誰もが経験したであろう“14歳”という多感な時期の言葉にならない感情や将来への不安、友人との何気ない会話などを丁寧に紡ぎ出し、多くの観客の共感を呼びました。SNSでは、「本当にみんなに勧めてる」「他に類を見ない」と絶賛の声が相次ぎました。

本作は、実在する中学校の2年生が作品の主人公となっています。特定の主人公を設けずにクラス全員が主役となるため、どのクラスを撮影の舞台とするかが重要な要素であることは容易に想像できます。この“奇跡のクラス”がどのようにして見つかったのか、竹林亮監督が“博報堂教育財団こども研究所”が運営するこども写話でのインタビューにてその制作の裏側を明かしました。

ロケーションコーディネーターの方が全国の何百校かにリサーチをしてくれたところ、4校が興味をもって手を挙げてくれたので、それぞれの学校に見学にいったりして最終的にあのクラスに決まりました出典:映画『14歳の栞』と中学2年生のこと【前編】こども写話

本作の舞台が偶然や安易な選択ではなく、途方もないリサーチの末に巡り合ったことがよくわかるエピソードです。全国の何百校という膨大な数の中から、たった1つのクラスに辿り着いたという事実は、本作が奇跡的な出会いの上に成り立っていることを物語っています。だからこそ、スクリーンに映し出される35人の生徒たちの日常は、観客に共感と感動を呼んでいるのかもしれません。

本作は作品の性質上、現時点では配信やBlu-ray/DVD化はされておらず、視聴機会は劇場上映に限られています。そのため、「もう1回死ぬほど観たい」と視聴を熱望する声が見られました。しかし、その人気から毎年春を中心に全国の映画館で再上映が行われており、公式サイトなどで情報を確認できます。もし機会がありましたら、“14歳の子どもたちが過ごす宝物のような時間”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です