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『なぜか意見が通る人』は無意識に使っている…「それは違う」でも「こうすべき」でもない、“納得させる言葉”とは?【プロが解説】

  • 2025.9.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

会議や日常の会話で、なぜか自分の意見がすっと通る人っていますよね。彼らは決して「それは違う」と否定したり、「こうすべきだ」と押し付けるわけでもないのに、相手を納得させる力を持っています。一見、説得力がある話し方に見えても、実は無意識に使っている“特別な言葉”や表現方法があるのです。この記事では、なぜその言葉が説得力を増すのか、その理由と使い方を心理学やコミュニケーションの知見を交えて、実践しやすい形でわかりやすく解説します。

説得力の本質は「否定」や「命令」ではなく「共感と提案」

「それは違う」「こうすべき」といった強い否定や指示の言葉は、一見正論でも相手の心には響きにくいことが多いものです。

心理学的にも、人は自分の意見を否定されると”心理的リアクタンス”と呼ばれる反発が生じやすいことが知られています。つまり、強い否定や上から目線の命令は説得の壁になってしまうのです。

一方で、説得力がある人は「共感する」ことをベースに話を進める傾向があります。相手の考えや感情に寄り添いながら自分の意見を伝えることで、相手は「自分の話も聞いてもらえた」と感じ、心を開きやすくなります。そこに「こうしてみるのはどうでしょう?」や「もし〇〇したら、こんな良いことがありますよ」というような提案型の言葉を加えると、意見の押しつけでなく“一緒に考える姿勢”が伝わり、納得感が増すのです。

無意識に使われる「説得力を増す言葉」の具体例と効果

では実際に、説得力を増すために無意識に使われやすい言葉やフレーズにはどんなものがあるのでしょうか。代表的な例としては以下が挙げられます。

  • 「なるほど、おっしゃる通りですね」
    まず相手の意見に共感を示し、話を受け入れることで防衛心を和らげます。
  • 「私もそう思っていたんですが、こんな見方もあるかもしれません」
    自分の意見を押し付けず、対話的・柔軟な態度を感じさせます。
  • 「もし○○したら、こんな良い結果が得られると思います」
    提案の形で未来のメリットを伝え、相手の想像力を刺激します。
  • 「他の方も同じように感じているようです」
    “多数派の意見”をさりげなく示すことで安心感を与えます。

これらの言葉や表現は、相手の心の壁を壊し、相互理解を促す役割を果たします。たとえば、営業現場やチームリーダーのコミュニケーション術としても有効であることが多く、色々な場面でその効果が実証されています。

説得力のある言葉は「言い方」と「受け手の状況」が鍵

さらに大切なのは、言葉の内容だけでなく「伝え方」と「相手の状況」を理解することです。相手の立場や感情によって、同じ言葉でも受け取り方は大きく変わります。例えば、忙しい状況の中で意見を押しつけられればストレスになりますし、話し合い慣れていない人だと強い表現は拒絶反応を生むことも。

そこで重要になるのがトーンやタイミング、相手の反応に合わせて言葉を選ぶ配慮。説得力がある人は無意識にこれらを調整し、相手が受け入れやすい雰囲気を作っています。言葉の選び方だけでなく、相手の様子をよく観察し、話すスピードや声のトーン、表情など非言語コミュニケーションも大切にしているのです。

説得力を増すカギは「共感」と「提案」で生まれる対話力

自分の意見がなぜか通る人は、相手を否定したり命令口調にならず、「共感」を示しながら「提案」をする言い方を自然と使っています。これによって相手は防衛心が和らぎ、対話がスムーズに進むのです。また、相手の状況や反応に敏感に耳を傾けることで、伝え方も柔軟に変えているのがポイント。日常や仕事で説得力を高めたいなら、まずは『なるほど』と共感を示す一言から始めてみましょう。いきなり完璧に使う必要はありませんが、小さな一言の変化からスタートしてみてはいかがでしょうか。


監修者:松田敦志(まつだ あつし)
日本公認会計士。ビジネスコーチ・メンター。
大手監査法人にてIT監査・会計監査を担当し、プライム上場企業で最高会計責任者・執行役員を歴任。
豊富なマネジメント経験とビジネスコミュニケーションの知見をもとに、経営層から若手ビジネスパーソンまで幅広く指導・助言を行っている。
著書や記事執筆も手掛け、実務に根ざした監修を行っている。