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『なぜか信頼されるリーダー』は1on1でやっている … 「評価」でも「アドバイス」でもない、“部下に慕われる関わり方”とは?【プロが解説】

  • 2025.8.13
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

1on1ミーティングは、多くの企業で取り入れられていますが、ただの「評価」や「アドバイス」の場として終わってしまっているケースも少なくありません。しかし、自然と部下から信頼され、主体的に動いてもらえるリーダーは、全く違った関わり方を実践しています。今回は、「評価」や「アドバイス」ではない、部下のやる気がグッと引き出される1on1の秘訣について詳しく解説していきます。

部下を動かすポイントは“評価”や“助言”にあらず!真の1on1の役割とは?

多くのリーダーが1on1を「個別評価」や「フィードバック(助言)」の時間だと考えがちですが、そうした姿勢は部下にプレッシャーを与え、受け身の姿勢にさせてしまいがちです。

実は、信頼されるリーダーが1on1で心掛けているのは、「部下自身が自ら気づき、考え、選択できるように促す」こと。つまり、答えや評価を与えるのではなく、部下の話にしっかり耳を傾け、質問を重ね、対話を通じて内発的なモチベーションを引き出す“関わり方”です。

その背景には、心理学や組織論に基づき、「自分はそれを達成できる」と信じる感覚である「自己効力感」を高めることが、生産性や成長、組織へのエンゲージメントに直結するとする研究結果があります。

自己効力感を高める環境が与えられると、個人は挑戦意欲を高め、困難を乗り越える力が強まる傾向にあります。こうした土壌を1on1でリーダーが作り出すことが、部下の自発的な行動につながるのです。

質問力を磨くことから始まる、部下が主体的に動く1on1

具体的に信頼されるリーダーが1on1で行っているのは、部下の話を遮らずにじっくり傾聴し、うまく質問を投げかけて考えを深める方法です。

たとえば「最近うまくいったことは?」「その時どう感じた?」「今後どうしたい?」といったオープンクエスチョンを用い、部下が自ら答えを見つけられるよう導きます。

この関わり方は、部下が“正解”を待つ姿勢から脱却できるだけでなく、小さな成功体験を積み重ねることで、自己成長を実感させる効果もあります。結果として、部下は自分で考えて行動できるようになり、リーダーへの信頼感も自然と深まるのです。

また、1on1は単なる業務報告の場ではなく、心理的安全性を感じられるパーソナルな時間として位置づけることもポイントです。部下の「悩み」や「不安」、「長期的なキャリアプラン」など、表面的には見えにくい課題に気づくことで、より深いサポートが可能になります。信頼されるリーダーは、こうした対話を通じて「あなたのことを理解したい」という姿勢を示しているのです。

信頼関係が生まれる1on1で、評価やアドバイスは二の次にしよう

まとめると、部下が自ら動き出す1on1とは、「評価の場」でも「指示や助言の場」でもなく、「対話と気づきの場」であることが重要です。

信頼されるリーダーは、まずは部下の話を丁寧に聴いて受け止め、問いかけることで考えるきっかけを作ります。そうして自己決定感や自己効力感が高まると、部下は自発的に動き始め、結果として組織全体の成長にもつながります。

これからのリーダーシップに求められるのは、正解を示す“指導者”ではなく、一人ひとりのやる気のスイッチを引き出す“伴走者”。1on1を通じてそんなスタイルを実践すれば、「なぜか信頼されるリーダー」としてチームの強い絆を築けるはずです。


監修者:KYお金と仕事の相談所 所長 山田圭佑
国家資格キャリアコンサルタント・CDA
マネー系・キャリア系コラムライター・監修者

沖縄県庁職員として18年間奉職後、コロナ禍を機に人生を見つめ直し、キャリアチェンジを行う。
現在はKYお金と仕事の相談所 所長として、お金と仕事のお悩み相談、各種セミナーへの登壇など、子ども~子育て世代の支援を中心に幅広く活動を行っている。
各種のセミナー・個別指導の受講者は、のべ3000名を超えた。