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あなたの意見が「すんなり」通り始める?!→心理学のプロが教える、人を動かす“3つの習慣”とは?【臨床心理士が監修】

  • 2025.8.6
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周りにいる「なぜか話が通る人」や「自然と人を動かせる人」を不思議に思ったことはありませんか?彼らは特別な才能を持っているわけでもなく、派手な自己主張をしているわけでもありません。

けれども、なぜか自分の意見やアイデアをスムーズに通し、影響力を発揮しています。その秘密は、実はとてもシンプルな“3つの習慣”にありました。

今回は、心理学の分野やビジネスシーンでも注目されるこれらの習慣を分かりやすく解説します。

影響力を持つ人が実践している「共感を引き出す」習慣

意見を通す上で最も大事なのは、相手に「共感」を生み出すこと。単に自分の主張を押し付けるだけでは、相手は心を閉ざしてしまいます。影響力がある人は、まず相手の立場や感情に寄り添い、相手がどんな考えや悩みを抱えているのかを理解しようと努めます。この「共感の習慣」は、心理学の研究でも信頼感や説得力を高める要因として認められています。

例えば、職場の会議で自分の案を通したい時。単に「これが正しい」と言い切るのではなく、「〇〇さんの課題も理解しています。その上で、こういう方法もどうでしょうか?」と相手の意見を受け入れたうえで提案する。こうした態度は、相手に安心感を与え、対話の土台を作りやすくします。共感を示すことで、相手もこちらの話に耳を傾けやすくなるのです。

確かな情報と事実を適切に示す「根拠を持つ」習慣

もう一つ、影響力のある人が欠かさないのが「根拠を明示する」ことです。実際に意見を通すためには、感情や経験だけでなく、客観的なデータや具体的な事例を示すことが不可欠です。信頼性の高い情報をもとに話を組み立てると、相手も納得しやすくなります。

例えば、マーケティング担当者が新しい販促プランを提案する時、市場調査のデータや過去の成功事例を併せて説明します。こうすることで、「言いっぱなし」ではなく、裏付けのある説得が可能に。これにより、聞き手は「この人の意見は根拠がある」と判断しやすくなり、信頼感がぐっと高まります。根拠を丁寧に用意することが、影響力獲得の大きなポイントなのです。

「相手の価値観に合わせる」柔軟性のあるコミュニケーション習慣

影響力を持つ人は、相手の価値観や関心に寄り添いながら、自分の意見を伝える工夫も欠かしません。これは「コミュニケーションのカスタマイズ」とも言える習慣です。相手が重視するポイントや話しやすいスタイルにあわせて、表現方法を変えたり、例え話を取り入れたりすることが、意見を通すうえで大きな効果を持ちます。

たとえば、論理重視の上司には数字や理論を中心に説明し、感情に重きを置く同僚には熱意や未来への期待を語るなど、相手によって伝え方やアプローチを調整する。その柔軟性が、結果的に納得感の醸成や意見の受け入れを促進します。こうした習慣は、影響力を持つ人が無意識のうちに行い、周囲から「話が通る」と感じられる理由のひとつになっています。

影響力アップのカギは“共感”“根拠”“柔軟さ”の3つの習慣にあり!

今回ご紹介した3つの習慣、つまり「相手に共感を示す」「根拠をしっかり示す」「相手の価値観に合わせて話す柔軟性」は、それぞれ単独でも効果的ですが、組み合わせることで更に強力になります。これらは特別な才能や高度なテクニックではなく、誰でも意識して取り入れられるシンプルな習慣です。

影響力を高めるためには、まず相手のことをよく観察し、理解しようとする姿勢が不可欠。そこに説得力のある情報と、相手に響く伝え方の工夫を加える。それが自然にできるようになると、いつの間にかあなたの意見もスムーズに通るようになるでしょう。小さな習慣の積み重ねが、やがて大きな影響力を生むのです。


監修者:米澤 駿(よねざわ しゅん)
心理カウンセラー(公認心理師・臨床心理士)として、これまで多様な現場で支援に約10年間携わってきました。また、私自身もこれまで組織に所属し心理職として活動してきたため、「ビジネス・人間関係」に強い関心を持っています。カウンセリングにとどまらず、コーチングやファシリテーションのスキルも取り入れ、現場で培った視点と専門知識をもとに、分かりやすく実践的なアドバイスを心がけています。