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『部下のやる気を引き出す上司』は無意識にやっている…1on1での“最初の3分間”の使い方とは?【プロが解説】

  • 2025.8.12
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

実は、最初の「たった3分間」の過ごし方が、その後の1on1の質を決める大きなポイントなのです。

何気ない会話や雰囲気作りが、部下のモチベーションを左右するってご存知でしたか?

今回は、部下のやる気をグッと引き出している上司が実践している「最初の3分間」の使い方に迫ります。

部下の心を開くカギは、意外にも“最初の3分”にあった!

上司と部下が1on1をするとき、つい業務報告や課題解決の話ばかりに集中しがちです。

でも実は、部下が心を開いて本音を話せるかどうかは、開始直後のほんの数分でほぼ決まってしまうことが多いのです。ここでの会話がぎこちなく形式的だと、部下は「また決まった内容を報告するだけか」と感じてしまい、やる気も下がってしまうことも少なくありません。

実際、人は初対面や緊張する場面で最初に交わす対話の内容が、その後の関係の作り方に大きな影響を与えるといわれています。

つまり、1on1の最初にどんな声かけをするか、どんな空気を作るかがとても重要なのです。この最初の3分間で「あなたの話をちゃんと聞くよ」「あなたのことを理解したい」というメッセージを伝えられれば、部下は自然とリラックスし、やる気や本音を引き出せるようになります。

信頼が深まる!無意識に使われている“最初の3分のコツ”とは?

では、部下のやる気を引き出す上司が無意識に使っている“最初の3分間の使いかた”とはどんなものなのでしょうか?

実は、意外とシンプルで、即実践できるポイントがいくつかあります。

  • 雑談からスタートする:天候や趣味、週末の出来事など、軽いトピックで会話のリズムを作ります。これによって緊張感が和らぎ、部下は話しやすくなります。
  • 部下の状態確認に時間を割く:「最近どう?」「調子はどう?」といった、気遣いの言葉をかけることで、部下が今何を感じているか知れるだけでなく、あなたの関心や思いやりを伝えられます。
  • 視線や表情で安心感を演出する:話を聞く姿勢を見せることで、部下は信頼されていると感じ、自然と心が開きます。無言でただ座るのではなく、うなずきや笑顔も大切です。

たとえば、業績や課題についての話をいきなりするのではなく、冒頭は思い切って肩の力を抜いて雑談に充てましょう。実際、多くの経験豊富な上司は、こうした時間を設けるだけで部下の反応がグッと良くなることを肌で感じています。

こうした最初の3分は、全体の対話の土台作り。信頼関係を築くための大切な“儀式”とも言えるでしょう。

小さな変化が生む大きな成果

1on1の最初の3分間は、ただの“始まりの時間”ではなく、部下のやる気や本音を引き出すための大切な勝負どころ。

適当な雑談かもしれませんが、それが心の壁を溶かし、上司と部下の信頼感をぐっと強めます。

忙しい日々の中でつい省略しがちな“最初の3分間”ですが、今日から意識して取り入れてみてください。気軽なおしゃべりから始まる1on1は、自ずと部下のモチベーションが上がり、次の一歩を踏み出す力になるはずです。

上司と部下の心が通う1on1が、明日の組織の成功を支える第一歩になるでしょう。


監修者:川谷潤太(かわたに じゅんた)(株式会社脳レボ 代表)

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校長に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。

2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども・保護者・教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は8年間で1,500回以上、受講者は12万名を突破。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。