団体客「お弁当100人前ください」ギャル店員ならどう対応する？漫画家が描いた物語にほっこり

2025.8.3

日常の中にある“ほっこりした発見”をマンガに描き、SNSで発信している中山少年さん。1995年生まれ、東京都出身の彼が描く温かな日常のワンシーンは、多くの読者の心を癒やし続けています。

そんな中山さんが、最近漫画の題材にしたのは、あるお弁当屋さんを舞台にしたエピソード。

きっかけは、近所によく通う唐揚げの美味しいお弁当屋さん。

そこにいる明るくて頼もしい“ギャル店員さん”の姿から、「もしこんなことがあったら…」と想像がふくらみ、物語として描くようになったのだそうです。

今回は、中山さんがこのシリーズを描き始めるに至ったきっかけや、その背景にある思いを伺いました。

解決不可能な困難にも笑顔で対応するギャル店員

舞台は、ある日のお弁当屋さん。
劇団員の団体客が「お弁当100人前」を予約しにやって来る、という場面から始まります。

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中山少年 NAKAYAMASHONEN 中山陸(@nakayama_syonen)がシェアした投稿

「こんな大量で申し訳ないです…」と恐縮するお客さんに、ギャル店員は笑顔で「その日、私出勤じゃないんで大丈夫っす！」と軽やかに返します。

ところが後日、お弁当を受け取りに来たお客さんが知ったのは、そのギャル店員が当日のスタッフに負担がかからないよう、事前準備や仕込みをしっかりやっていたという裏話。

一見チャラそうに見えても、自分の役割をきちんと果たす姿に、まわりのスタッフからも信頼されている。

そんな姿が漫画の中で印象的に描かれています。

ギャル店員さんの物語、きっかけは？

ーーお弁当屋さんで見かけたギャル店員さんのどんなところに魅力を感じ、漫画を描き始めようと思ったのでしょうか？

よく通うお弁当屋さんで働いているギャル店員さんをモチーフに描いているのですが、漫画のようにお客さんを励ましたりはしておらず、どんなに忙しくても淡々とマイペースにキッチリ仕事をこなす姿が非常にカッコ良くて「この店員さんがお客さんの悩みとか聞いたらこう対応してくれるんじゃないかな？」って想像したらものすごくポジティブで面白かったので、シリーズを描き始めました。
（そのお弁当屋さんは常に大量の唐揚げを揚げているので数分店内にいるだけで服が油くさくなるお店なのですが…いろんな仕事がある中で、店内すごく暑いしそんな油くさくなる過酷な環境にも構わずそのお店で働き続けるのは、相当そのお店が好きなんだろうなぁといつも思わされます）

ーー作品に影響を与えた過去のお弁当屋さんでの思い出や印象的な人物はいますか？

昔バイトしてた個人経営のお弁当屋さんの店長が金髪のすごいギャルな人で、高齢のために働けなくなった店主さんから引き継いで働いていた当時の若いギャル店長が、その設定から本人の様子から側から見てておもしろかったので、どこかその方をイメージして描いてる部分もあります。
（普段とても一生懸命なのですが、ショックを受けたりすると、すぐに友達を呼んで海にドライブしに行って、翌日スッキリした笑顔で居たりする様子が人間味溢れていて皆から愛されていました。）

ーーギャル店員さんシリーズを続けるうえで、どんな想いやテーマを大切にしていますか？

このギャル店員さんシリーズは、ほっこりするだけでなく“なるほど”と為になる知識やクスッと笑えるユニークな遊び心も交えられて『自分がやりたい事や伝えたい事』を何よりもしっかり形にして漫画で届けられるので、これからも大切に続けていきたいと思っております。

ーー過酷な環境でも自分のスタイルを貫くギャル店員さんの姿と、かつて出会った“ギャル店長”の記憶が重なって、このシリーズが生まれたのですね。今後の活躍も楽しみにしています！

日常のヒロインが教えてくれる、たくましさとやさしさ

中山少年さんの目を通して描かれる“ギャル店員さん”は、見た目の印象を良い意味で裏切る、芯の強さと人間味にあふれた存在でした。

淡々と仕事をこなしながらも、見えないところで気を配る優しさや、困難にも笑顔で立ち向かう姿からは、働くことの尊さや人としてのたくましさが伝わってきます。

中山さんが紡ぐこの物語が、これからも多くの人にとっての「元気の源」となりますように。
そして、“ギャル店員さん”シリーズのさらなる活躍にも期待しています！

取材協力：中山少年

1995年生まれ。東京都出身。日常のほっこりした発見を漫画にしてSNSに投稿しています。

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