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『家計が火の車になる人』は支払い続けている…家計を圧迫する、“サブスクサービスの傾向”とは?【お金のプロが監修】

  • 2025.8.3
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

毎月の支払いが少額で手軽に始められる「サブスクサービス」。音楽、動画、食事、フィットネス、そして生活用品まで、多彩なジャンルが揃い、私たちの暮らしに欠かせない存在となっています。

しかし、その便利さゆえに気づかないうちに家計を圧迫し、「いつの間にかお金が足りない!」と感じる人も少なくありません。

特に家計が火の車状態になりやすい人には、共通したサブスクの契約パターンが見えるのです。今回は、そんな傾向を詳しく探ってみましょう。

手軽さが招く見えない負担

サブスクリプションサービスの最大の魅力は「少額」で「便利なサービス」が気軽に利用できることです。

これが多くの人を惹きつけ、一度に複数のサービスを契約してしまうことも珍しくありません。ところがこの「少額」が曲者。たとえば、1つのサービスが月額500円でも、10個も契約すれば月に5,000円。年間6万円の出費は、家計にとって決して小さな負担ではありません。

加えて、利用頻度が低いのに「なんとなく」の理由で解約せず放置するパターンも多いです。

音楽ストリーミングや動画配信などは、見たい映画や聴きたい音楽が、月数百円で見たり聴けたりすることが、とてもコスパの良いサービスに思えて、気軽に契約してしまいがち。しかし、忙しくなって時間が取れなくなったり、見たい映画や聴きたい音楽がなくなったりして、結局最初の短期間しか使わなかったというケースが多々あります。

「またいつか見るだろう、聴くだろう」と考えて契約を放置し、その後もそのまま料金を払い続けることに。これが積み重なったとき、気づけば生活費を圧迫するほど毎月の支払が増えていることもあります。

また、サービスごとの自動更新設定や割引キャンペーンに踊らされ、タイミングを逃して解約しづらくなったり、予定外の追加料金が発生したりする事例もあります。こうしたことから、家計が苦しい人が手を伸ばしやすいサブスクは、まさに「見えない支出」の代表格と言えるでしょう。

家計が火の車の人が選ぶサブスクの特徴とは?

特に家計管理が苦手な人や、収入と支出のバランスが取れていない人に多いのが、「好きなものを深掘りしすぎてサブスクの沼に陥るパターン」です。具体的には、動画や音楽などエンタメ系のサブスクを複数契約したうえに、食品定期便やファッションレンタル、美容関連のサブスクを重ねてしまうことが多いのです。

たとえば動画配信サービスを3社契約し、さらに料理キット宅配のサービスやフィットネスジムのオンラインレッスン、スマート家電の利用サービスなどがズラリ。それぞれのサービスはけっして高額ではないものの、複数を契約すると、月々の支払いが合計1万円を超え、他の生活費が圧迫されることになります。

また、新しいものに飛びつきやすい傾向や、キャンペーンや限定オファーに弱い面も見られます。結果的に、「無料期間だけ試して解約」、のつもりが忘れてしまい、気づけば数ヶ月分の料金を支払っていたり、必要のないサービスを続けていたりというケースも目立ちます。

一方で、サブスクの良さを活かしながら家計を健全に保っている人は、契約前に利用頻度や費用対効果を計算し、優先順位をつけてサービスを厳選。定期的な見直しも欠かしていません。つまり、サブスクを使いこなすことができれば、生活の質を上げる素晴らしいツールになるのです。

サブスクを見直して家計の火を消そう!

サブスクリプションの便利さを活用しつつ、家計が火の車にならないために大切なのは、「見える化」と「定期的な見直し」です。

毎月いくらサブスクに使っているのか把握できていなければ、負担感はなかなか見えてきません。スマホの家計簿アプリや定期購読リストで管理し、まず全容を知ることがスタートラインです。

そして重要なのが、「使っていないサービスは即解約する」習慣をつけること。加えて、新しいサブスクを契約する際は、無料期間や割引の条件をしっかり確認し、使い切れるかどうか冷静に判断しましょう。さらに、複数契約する場合は、費用対効果を重視し、目的別に使い分ける工夫も効果的です。

最後に、サブスクを利用することは、そのサービスに時間を割くと言うことです。仕事や学業に時間を割きながら、エンタメや料理やスポーツジム、その全てのサービスを頻繁に利用することは、時間の面においてとても難しいでしょう。「自分にとって、継続的に利用できるサービスは何か」を冷静に検討することが、サブスクを厳選し、家計を健全に保つ秘訣です。

サブスクの光と影を理解して賢く選ぼう

現代の暮らしにおいてサブスクリプションは欠かせない存在。しかし、便利さに気を取られすぎて登録しまくると、知らず知らず家計を圧迫し、「家計が火の車」の状態に陥りがちです。特にエンタメ系を複数契約し、加えて生活用品や美容、食のサブスクも重ねがちな傾向が顕著です。

家計の健全化を図るには、まず自分がどれだけサブスクに支払っているのか明確にし、利用頻度とコストのバランスを見極めながら、「そのサービスを継続的に利用する時間があるか」を冷静に見極めて、サービスを取捨選択することが大切です。サブスクは上手に使えば生活を豊かにする味方に、使いこなせなければ家計の敵に。賢く付き合って、家計の火をしっかり消していきましょう。


監修者:青木雅弘
大手銀行にて長年企画セクションに従事。飲食店経営を経て、現在は資産運用アドバイス等を行う事務所代表。