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ローレン・サンチェスが結婚前のフィッティングで語った、ウエディングルックのインスピレーション、プラニングにまつわるエピソード

  • 2025.7.2

場所はミラノ郊外にある18世紀に建てられたレンガ造りの邸宅。結婚式を目前にしたローレン・サンチェスは、手縫いのアップリケが施されたイタリアンレースのウエディングドレスに身を包んでいた。「涙が出そうです! 当日は(涙で)ぐしゃぐしゃになるだろうけど、それは最高のぐしゃぐしゃですね」と彼女は言う。

この日はUS版『VOGUE』の撮影日。この前日、サンチェスとベゾスはミラノ中心部にあるドルチェ&ガッバーナDOLCE&GABBANA)のアトリエで最終フィッティングを行った。数週間後には、ここから300キロ近く離れたヴェネツィアで、200人ほどの家族や友人を招いた結婚式を控えている。フィッティングを振り返りながら、「想像以上にパワフルでした」とサンチェス。ベゾスにはドレス姿をひと目見たいと懇願されたが、当日までのお楽しみにすることにしたそうだ。「もう少しで屈服するところでしたよ! でも、サプライズにしたかったんです。多少歳を重ねると、そう並大抵のことでは驚かなくなるから。当日、彼の反応を見るのが楽しみで仕方ありません」

ポプラ並木を背景に美しいマーメイドラインを描くガウンを纏った彼女は、腰に手を当ててポーズをとった。「プリンセスになった気分」と彼女が言うと、「本当にプリンセスみたいですよ!」と、周囲にいたメイクアップチームやシームストレス、プロダクションチームが口を揃える。ドルチェ&ガッバーナのテーラーたちは、黒のかぎ針編みのピーターパンカラーとグログランリボンのベルトをつけた真っ白な作業服に身を包み、外科医のような正確さでチュールとレースのヴェールを広げていく。すると、一匹の羽アリが繊細な布地に引っかかった。イタリア語が慌ただしく飛び交ったかと思うと、その羽アリはすぐにそっと慎重に取り除かれた。

次に、ヴェールが王冠のようにサンチェスの頭に被せられる。スクーターに乗った誰かが敷地の境界線を通り過ぎると、一瞬のパニックが起こった。というのも、パパラッチに見つからないようにとこの場所を選んでいたからだ。「GoPro(カメラ)は装着していなかった」と、イタリアの撮影プロデューサーは皆に断言する。どうやら、隣地へと向かうトウモロコシ農家の人だったようだ。

厳重な警備の下で行われたフィッティング

最終フィッティングにて、ドルチェ&ガッバーナのテーラーたちとともに。
最終フィッティングにて、ドルチェ&ガッバーナのテーラーたちとともに。

ベゾスとサンチェスの結婚は世界中でも大きな注目を集め、大手メディアは現地取材を行っている。タブロイド紙は、サンチェスがパリで開いた独身最後の贅沢なパーティーを含め、結婚式に関するすべてを細かく取り上げた。ふたりの結婚は何かと物議を醸し、ヴェネツィアではベゾスの富と、この式に対して抗議活動が展開されたほどだ。とはいえ、「結婚式は極めて親密なもの」とサンチェスは主張し、200人の招待客のうち70人ほどは親族だと付け加える。ミラノにいるステファノ・ガッバーナも、電話越しに「彼女はとてもクラシックでエレガントな結婚式を挙げたがっています。あまり派手なことは望んでいません」と擁護した。

ベゾスとサンチェスにとってこれは2度目の結婚で、ベゾスには4人、サンチェスには3人の連れ子がいる。有名な話だが、ふたりが婚約したのは2023年5月、3本のマストがある全長約130メートルもの豪華なヨットの上だった。そのヨットの名は「コル」。「新生」を意味するマオリの言葉だ。サンチェスは、このコル号での滞在中に枕元で見つけたクッションカットのピンクダイヤモンドのエンゲージメントリングを身につけているが、セレモニーでは外すという。しかし彼女は、その代わりにドルチェ&ガッバーナのハイジュエリーコレクションである「アルタ ジョイエッレリア」のピアスをつけることにした。このピアスは、1つの石からカットされた4つのダイヤモンドがホワイトゴールドにはめ込まれたもので、この撮影のために装甲車で運ばれてきた。近くの小高い丘の上には、厳かな雰囲気の警備員も立っている。

「私たちは伝統にはそこまでこだわっていないんです」とサンチェスは話す。「伝統は好きだけど、55歳の私にはちょっと合わないところもあるので」。とはいえ、結婚式当日までに新郎が新婦に会わない習慣など、いくつかは取り入れるつもりだそうだ。また、ドルチェ&ガッバーナのピアスは彼女にとっての「サムシングボロー(結婚式で花嫁が身につけると幸せになれると言われている“サムシングフォー”のひとつで、すでに幸せな結婚生活を送っている人から何かを借りて身につける風習)」だ。では、「サムシングブルー(何か青いもの)」は何だろう? 「“ブルーオリジン”です」とサンチェスは答える。「宇宙飛行をしたときのものなんですけど」と、彼女はベゾスのために秘密のお土産をロケットに積んで持ち帰ったことを明かした。「宇宙から地球を見て、また地上に降りてくるなんて。言葉では言い表せないほど感動しました。人生で最高の体験。ジェフは、『(宇宙飛行は)想像以上に君を変えるだろう』と私に言いましたが、まさにその通りです。ものの見方もですが、精神的にも」

地球の大気圏と宇宙空間の境界線であるケルマン線までの約11分間の旅がドレスに対する考え方を変えたのか、サンチェスはレッドカーペットで好んで着用するモダンなベアトップスタイルから、1958年の映画『月夜の出来事』でソフィア・ローレン演じるシンチアがトムと結婚する際に着用したハイネックのレースドレスをベースにしたタイムレスなデザインがいいと思うようになった。「『シンプルでセクシーなモダンなドレスが欲しい』という気持ちから、『ある瞬間を印象付けるような一着が欲しい』に変わり、今に至ります。私は5年前とは別人なんです」。すると彼女は、テーブルの上に伏せて置かれたスマホに手を伸ばした。そのケースは友人のデザイナー、ステイシー・ベンデット・アイズナーの12歳の娘が接着剤で貼り付けたというロケットや口紅、財布などのチャームで覆われていた。「たくさんのセラピーを受けて、いろいろな意味で変わりましたね。でも、本当に変えてくれたのはジェフ」。こう口にしたかと思うと、少し考えてからこう続けた。「いや、ジェフは私を変えたんじゃない。本当の私を引き出してくれたのです。(彼の前では)安全だと感じることができる。理解されていると感じることができる。彼は私を私らしくさせてくれる。私がソフィア・ローレンのことを堂々としていて自由だと思うように、彼は私をそんな気持ちにさせてくれるんです」

ウエディングドレスの着想源は、映画『月夜の出来事』でソフィア・ローレンが纏った一着

「ジェフは私を変えたんじゃない。本当の私を引き出してくれた」と話すサンチェス。ドルチェ&ガッバーナのタキシードシャツを纏って。
「ジェフは私を変えたんじゃない。本当の私を引き出してくれた」と話すサンチェス。ドルチェ&ガッバーナのタキシードシャツを纏って。

サンチェスがドレスのプラニングを始めたのは1年半前、ニューヨークのハドソン川を見下ろすドメニコ・ドルチェのコンドミニアムで夕食をとりながらのことだった。カップルは数年前の夏にイタリアのポルトフィーノにヨットを停泊させていたドメニコと出会っていたそうで(ドルチェのボーイフレンドであるギ・シケラは、共通の友人であるクリス・ジェンナーとともにLAの高級日本食店「Nobu Malibu」でサンチェスに会ったことがあった)、すぐさまその場で一緒に飲むことになった。ジントニックを片手に夜中までおしゃべりをするうちに、あっという間に打ち解けることができたそうだ。

そんなドメニコにウエディングドレスのデザインを依頼するのは自然な流れだった、とサンチェスは言う。では、そのインスピレーションはどこからきたのだろう? 「1950年代の花嫁の写真をリサーチしていたんです。(祈るような仕草を真似ながら)ソフィア・ローレンの両手はこうなっていて、彼女は首まであるレースドレスを着ていました。それを見て、これだ、このドレスだ、と確信したのです」

サンチェスにとって、胸もとを覆うフォーマルなドレスを着るのはこれが初めてとのことで、「みんなが期待しているものとは異なります。でもすごく私らしい」と話す。ベゾスは驚くだろうかと聞くと、彼女は力強くうなずいた。「ええ、いい意味でびっくりすると思います。そしてすごく喜んでくれると思う。だって、こんなにエレガントで、タイムレスなんですから」。ディナーでは、リタ・ヘイワースの映画『ギルダ』(1946)にインスパイアされたスイートハートネックのコルセット付きドレス、その後のパーティーでは、500メートル以上もの手縫いのチェーンと17万5000個のクリスタルをあしらったオスカー・デ・ラ・レンタOSCAR DE LA RENTA)のカクテルドレスに着替える予定だと明かした。

撮影が終わると、サンチェスはドルチェ&ガッバーナの白いノースリーブミディドレスにシャネルCHANEL)のレザースニーカー、ダイヤモンドのスタッズピアスと、ここへ到着したときの格好へと着替えを済ませ、ケータリング業者が用意したシャンパンを飲みながら腰かけた。「あなたと最後に話したときはまだ婚約したばかりで、宇宙に行く前のことでしたね。(あのとき話したことが)すべて本当に起こっているなんて」。彼女の言う通りだ。1年半前、『VOGUE』のためにテキサスのシエラディアブロ山脈のふもとでこのカップルを取材したとき、ベゾスはロケット型のカクテルミキサーでマルガリータを作ってくれた。そして私がベゾスが結婚式の準備に携わっているかと尋ねたとき、彼女は「私ってそんなにバカに見える?」と返した。私がこのやり取りを思い出すと、サンチェスは笑う。「彼は、周囲の人が想像するよりもっと深く関わっていますよ。みんなが思っている以上に芸術的なんです。(物事を進めるのが)とても上手です」

結婚式の週末には、2回のウェルカムディナー、セレモニー、そしてアフターパーティーが計画されている。ウェルカムディナーでは、2003年に制作されたアレキサンダー・マックイーンALEXANDER McQUEEN)の黒のワンショルダーコラムドレスと、手刺繍の花とゴールドのビューグルビーズで覆われたスキャパレリSCHIAPARELLI)のコルセットドレスを(セレブスタイリストのジェイミー・ミズラヒが、結婚式前のルックについて相談にのってくれたそうだ)、アフターパーティーではアトリエ ヴェルサーチェATELIER VERSACE)によるクリスタルメッシュのジョーゼットドレスとお揃いのドレッシングガウンを着る予定だ。

「素晴らしい音楽も用意しています」とサンチェス。結婚式でパフォーマンスを披露するのは皆友人だそうだ。スマホは禁止。ゲストのためにホテルの部屋に置く引き出物にもこだわったというが、その中身については、ヴェネツィアにまつわる何かが入ってるとしか明かさなかった。レセプションでは、男性にはヴィビヴェネツィア(VIBI VENEZIA)の青いベルベットのヴェネチアンスリッパが、女性にはAmazonの黒の心地いいオープントゥスリッパが配られるそうで、「どちらも取り入れたかった」というわけだ。

24歳のニッコー(父親のトニー・ゴンザレスと継母のトビーも結婚式に出席する)に、元夫でハリウッドの重役であるパトリック・ホワイトセルとの間にもうけた19歳のエヴァンと17歳のエラと、サンチェスの3人の子どもたちも全員ドルチェ&ガッバーナによるルックを着用する。バージンロードを一緒に歩くのは2人の息子だそうで、その様子を想像すると涙があふれてしまうと申し訳なさそうに話す。一方、花嫁付き添い役を務め、朗読を披露する娘のエラだ。彼女もまた、スーツルックを選んだ。「エラは独創的で、わが道を行く子。フィッティングはしたことがなかったのですが、とても気に入ったようです。とても素敵になると思う。子どもたちみんなをドレスアップするのは最高に楽しい」

この1カ月前の初春、私はニューヨークでドメニコ・ドルチェで会った。天井の高い彼のアパートで、頭からつま先まで黒い服を着たドルチェは機嫌がよく、チャーミングに映ったのを覚えている。ヒョウ柄のソファに腰を下ろすと、ハンサムな制服を着たウェイターがコーヒーの注文をとりに来た。私が丁重に断ると、「カプチーノは? それともエスプレッソ? 本当に何もいらないの!?」とドルチェは信じられない様子だった。そしてD&Gの金色の徽章が入った金縁のグラスに水がそそがれると、彼は6週間前にミラノで行われたサンチェスとの最初のフィッティングを回想しながら、こう話し始めた。「どのウエディングドレスの制作でも、私は顧客にまず『夢の一着を教えて』と言います。だって、その人が理想とするドレスを作りたいから。ローレンは(決断において)とても素早く、ダイナミックです。彼女は当時、月や宇宙に行こうとしていましたし、彼女のまわりでは多くのことが進行していましたね。(結婚式の日は)ローレンにとってとても大切な日であり、このドレスは彼女の支えになります」

ドルチェはどんなドレスをイメージしたのだろうか?

「(ソフィア・)ローレンを強くイメージしています。セクシーで、ハッピーで、シリアスすぎず、それでいてドラマティックすぎない。エレガントでありながら官能的でもある。洗練とクレイジーのバランス……いや、クレイジーじゃなくって、ワイルドがいい。彼女のムードを反映していると思います」

ヴェネツィアでの挙式を後押しした、ドメニコ・ドルチェの存在

結婚式の週末に着るドレスの一着、ドルチェ&ガッバーナのドレープがかかったワインレッドのルックは、ヴェネツィアの「ドージェ」にインスパイアされたもの。ドルチェ&ガッバーナの「アルタ ジョイエレリア」からダイヤモンドとトルマリンのネックレスを合わせた。
結婚式の週末に着るドレスの一着、ドルチェ&ガッバーナのドレープがかかったワインレッドのルックは、ヴェネツィアの「ドージェ」にインスパイアされたもの。ドルチェ&ガッバーナの「アルタ ジョイエレリア」からダイヤモンドとトルマリンのネックレスを合わせた。

ヴェネツィアで式を挙げるという決定に大きく貢献したのは、ドルチェとシケラだった。ベゾスとサンチェスもイタリアにしたいとは思っていたが、どこにするかは迷っていたという。候補のなかにはカプリ島やタオルミーナも挙がっていたが、ドルチェとシケラはヴェネツィアが世界で最もロマンティックな街だと推したそうだ。そんなとき、大運河沿いのパラッツォに住むダイアン・フォン・ファステンバーグが、結婚式の週末の幕開けにウェルカムディナーを主催したいと申し出てきた。これで式の場所はヴェネツィアに決まったも同然だった。「私がヴェネツィアのことを“it”と呼んだら、ダイアンに『“she”よ!』と訂正されたんです」と、サンチェスは彼女を真似しながら話す。「以来、ヴェネツィアのことを話すときは、必ず“she”とするようにしています」

ドルチェは「服がその場所と調和していることが重要」だと説明する。「映画のように、ハーモニーのなかにね」。例えば週末に着るドレスの一着、ドレープがかかったワインレッドのベルベットルックは、中世ヴェネツィアの寡頭政を支配した元首「ドージェ」たちが着ていた、ゆったりとしたハイネックの深紅のローブがインスピレーション。もうひとつのオプションは、厚地のダッチェスシルクに画家のカナレットによる作品『The Return of the Bucintoro on Ascension Day(キリスト昇天祭における御座船の帰還」)』をプリントし、煌めくスワロフスキークリスタルとシードビーズ、ビューグルビーズで飾ったものだ。

『VOGUE』の撮影現場で、小道具のスタイリストが淡いピンクのイングリッシュローズで飾った壁の前で、サンチェスは「カナレット」ドレスを着ている。足もとは、いかにも歩きにくそうな石畳だ。ところが、「私はヒールのエキスパートなんです」とサンチェス。「スティレットヒールを履いて生まれてきたんじゃないかと思うくらい」

幼少期はニューメキシコ州アルバカーキで暮らしたサンチェスは、母親の裁縫道具と余ったレースを使ってヴェールを作ったりしたそうだ。「私はいつも花嫁になりたかったんですよ」と彼女は振り返る。叔母からスペイン版『VOGUE』を送ってもらい、好きなドレスを見つけては生地を買い、高校のプロムで着た赤いパフスリーブのドレスなどを母親と作った思い出を語ると、サンチェスは「(母親と作ったドレスが)今までで一番こういう(手の込んだ)ものに近かった」と話す。彼女の最初のウエディングドレスは、センチュリー・シティをドライブ中に店のウィンドウで見かけて買ったもので、「こんなふうに自分のためだけにデザインしてもらったドレスは初めて」だと話す彼女は、撮影の前日にミラノで行われたフィッティングの際に、ドルチェが裁ちばさみでボディスの袖を切り落としたときのことも教えてくれた。「信じられませんでした! だって、袖を切り落としたんですよ! でもその後、少し調節してから付け直してくれました」

アトリエでの作業に900時間を費やしたというこのドレスには、ガッバーナいわく「すごく、すごく小さなボタン」が首から胴体にかけて施されている。プリーストボタン(スナップボタンとも)と呼ばれるこのボタンはトレーンの下まで続き、全部で180個のシルクシフォンで覆われたボタンが手作業で仕上げられた。「すべてが夢のようでした」とサンチェスは言う。

ヴェネツィアの街とその遺産を支援する慈善団体に寄付も

チュールとレースのヴェールを組み合わせたドルチェ&ガッバーナのブライダルルックは、完成までに900時間もの時間を要した。インスピレーションは1958年の映画『月夜の出来事』でソフィア・ローレン演じるシンチアが着用していたウエディングドレス。
チュールとレースのヴェールを組み合わせたドルチェ&ガッバーナのブライダルルックは、完成までに900時間もの時間を要した。インスピレーションは1958年の映画『月夜の出来事』でソフィア・ローレン演じるシンチアが着用していたウエディングドレス。

ベゾスは隣の部屋でタキシードを試着していた。「今まで見たなかで最高のタキシードです」と、1つボタンのピークドラペルデザインをひと目見たサンチェスは言うと、「とてもハンサムになりそう。待ちきれない」と興奮で顔をゆがめる。「彼はとてもシンプル。彼もファッションは好きだし、いつもおしゃれにしていますが、私のように深く考えたりはしません。彼は何を着ても似合うんです」

結婚式での髪型は、この撮影の日と同じで、ゆるくロマンティックなアップスタイルに決まった。メイクは軽く、クリーンに。「華やかさはほとんどなく、メイクは最小限にします」と彼女は主張する。「これは進化の一部というか。できる限りナチュラルにしたいから」

サンチェスは結婚式のために4キロほど減量したが、これは彼女にとっては大変なことだった(彼女は身長162センチと小柄だ)。 ベゾスと一緒に毎日のワークアウトは続けているが、この撮影の数週間前からアルコールを避け、塩分を控えただけで、特別なダイエットはしていない。「食べることが好きなんですよ!」と彼女は申し訳なさそうな面持ちで弁明する。「食べ物は人生の大きな部分を占めています。それに、私はラテン系ですから」。しかし、毎日の運動は欠かさないとも続ける。「瞑想をする人もいますが、私は運動をします。ジェフと私は毎朝していますよ。コーヒーを飲んで、どんなことでも話して、それからジムに行くのがお決まりなんです」

こうした習慣は変わらないものの、これから変わっていくものもある。「これまでとは違う役割に足を踏み入れられることに感謝しています。決して軽く見ていません。責任も伴いますし、恩返しもしていきたい。それが私の使命です」と話すサンチェスは、気候変動対策基金「ベゾス・アース・ファンド」の副会長を務めており、ゲストたちには結婚祝いの代わりに慈善団体への寄付を募っている。サンチェスとベゾスはまた、ヴェネツィアの街とその遺産を支援する複数の現地慈善団体に、ゲストを代表して寄付を行った。

気候変動対策基金「ベゾス・アース・ファンド」の副会長を務めるサンチェス。ゲストたちには結婚祝いの代わりに慈善団体への寄付を募った。
気候変動対策基金「ベゾス・アース・ファンド」の副会長を務めるサンチェス。ゲストたちには結婚祝いの代わりに慈善団体への寄付を募った。

午後8時過ぎ、太陽はまだ空高く昇っているが、サンチェスはベゾスとの夕食に遅れていた。どこへ行くのかと尋ねると、「わかりません! 彼は私を驚かせるのが好きだから」と答える。そして彼女は、素晴らしい一日だったと撮影に参加したチームに感謝した。

「とても幸せ」とサンチェスは言う。「ドレスを着ることよりも、結婚することが幸せ。親友であり私を理解してくれる人、私を大好きでいてくれる人、私が大好きな人と人生を過ごせるなんて。私は地球上で一番幸せな女性です」。彼女はエルメスHERMÈS)の黒いクロコレザーの「ケリー」バッグを手に取り、出かける準備をする。「この後すぐ、彼に今日のことを話すのが待ちきれません」

Hair: Rick Henry Makeup, Laura Ann Mele Manicurist: Iram Shelton D&G tailors: Claudia Longaretti, Lorenzo Giacometti, Mohamed Laghlid Producer: Kitten Production Set design: Carlo Maria Filippelli Text: Chloe Malle Adaptation: Motoko Fujita

Special thanks to Viola Poggio

From VOGUE.COM

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