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皮膚科医「放置すると危険です」→実は『あせも・かゆみ』を悪化させている…やりがちな“NGケア習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.7.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

暑い季節に多くの人が悩まされる「かゆみ」や「じんましん」のような皮膚のトラブル。その中でも「汗疹(あせも)」は子どもから大人まで幅広く起こる身近な症状です。多くの人は「時間が経てば治る」と軽く考えがちですが、実は放置したり間違ったお手入れを続けることで、症状を悪化させてしまうことがあるのをご存じでしょうか?

この記事では、皮膚科医も注意を呼びかける「あせも・かゆみ」を悪化させるやりがちなNG習慣と、その正しいケア方法についてわかりやすく解説します。

汗が原因の「あせも」その症状とは?

まず、あせもは汗が毛穴に詰まることで起きる皮膚炎の一種です。特に汗をかきやすい夏場、通気性の悪い服装や運動時などに発生しやすく、赤いブツブツや小さな水ぶくれができ、強いかゆみを伴うこともあります。かゆみを我慢できず掻きむしると、皮膚のバリア機能が低下し細菌感染を招くこともあり、症状が悪化しやすいのが大きな問題です。さらに、あせもは汗をかくことが直接の原因ですが、間違ったケアが症状悪化につながることも多くの人に理解されていません。

例えば、かゆいからといって過度に掻いたり、薬局で手軽に手に入る市販薬を自己判断で使い続けたりするケース。また、汗をかいたあとの洗浄を怠る、あるいは逆に強くこすって洗いすぎることも、あせもを悪化させる間違いです。こうしたケアの誤りは結果的に皮膚の炎症を長引かせ、かゆみが増し、ひどい場合は湿疹や化膿性の皮膚炎に発展してしまうことがあります

やりがちなNG習慣と正しいあせも・かゆみ対策のポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「ついやってしまう」代表的なNG習慣を具体的に見ていきましょう。

  1. 強い刺激の石鹸やボディソープの使用:皮膚に必要な油分まで洗い流し、乾燥や炎症を招く原因に。
  2. 汗をかいた後のタオルでの強い摩擦:やさしく押さえるように汗を拭き取らないと、かゆみや炎症がひどくなることも。
  3. 頻繁に塗り薬を使用する:かえって皮膚が弱くなったり、さらに悪化する恐れがあるため、決められた使用回数や量を守る。

一方、正しいケアとしては、まず汗をかいたらできるだけ早くぬるま湯でやさしく洗い流すこと。ボディソープは低刺激タイプを選び、こすらずやさしく洗うのがポイントです。あせもがある部分は通気性の良い服を着て、汗をかいた後はすぐに着替えましょう。また、かゆみが強い場合でも自己判断でステロイド剤を使うのは避け、皮膚科で適切な診断を受けることが大切です。さらに、保湿も忘れず乾燥を防ぐと、かゆみが和らぎやすくなります。

あせも・かゆみの悪化を防ぐには『正しいケア』を知ろう

汗疹やかゆみは多くの人が経験する身近な症状ですが、間違ったケアは症状を悪化させ、皮膚トラブルが長引く原因になります。皮膚科医も警鐘を鳴らすように、放置は危険で、かゆみが強い場合や悪化する場合は自己判断せず適切な医療機関を受診することが重要です。

日々の習慣で「強い洗浄」「摩擦」「薬の乱用」を避け、汗をかいたら速やかにやさしく洗って清潔に保ち、薄着や通気性の良い衣服で皮膚を守ることが、あせもやかゆみの予防と改善につながります。

正しい知識とケアで、蒸し暑い季節も快適に過ごしましょう。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。