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『NISA』や『iDeCo』で“損してしまう人”はハマりがち…かえって損失を招く“3つの落とし穴”とは?【FPが解説】

  • 2025.7.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

老後資金の不安から、NISAやiDeCoを始める人が増えています。しかし、せっかくの税制優遇制度も、間違った理解や使い方をすると、思わぬ損失を招くことがあります。

実際に、NISAやiDeCoの仕組みを理解せずに「税金がお得になる制度」程度の認識で始める人は少なくありません。制度の詳細を理解せずに運用すると、むしろ損をしてしまうケースがあります。

NISAでよくある勘違い

新NISAが始まって注目を集めていますが、投資経験の浅い方を中心に、基本的な仕組みを勘違いしているケースが多く見られます。

勘違い①:元本保証だと思っている

最も危険な勘違いが「NISAは元本保証」という勘違いです。NISAは「運用益が非課税になる」という税制優遇制度であり、必ず儲かるものではありません。

また、投資を始める人が増えている状況を受けて、投資のリスクを軽視している方も少なくありません。

NISA口座で購入する投資信託や株式には、元本割れのリスクがあります。元本割れのリスクを理解せず「NISA=安全」と勘違いすると、深く考えずに投資を始めて、損失が発生してしまう事態になりかねません。

勘違い②:勉強しなくてもよいと考えている

「商品選びや投資の勉強は不要」という考え方は危険です。投資の基本を学ぼうとせず、「みんなが買っている商品を買っておけばよい」「証券会社で紹介されていた銘柄を買っておこう」と、安直な投資判断をする方は少なくありません。

投資信託の種類や信託報酬、運用方針を確認せずに購入すると、手数料が割高な商品を購入してしまう可能性があります。また、証券会社や銀行が勧めてくる商品は往々にして手数料が高い商品であり、いわば「カモ」にされているケースも散見されます。

「習うより慣れろ」の精神で投資経験を積むことは、非常に重要です。しかし、手数料の目安や投資対象ごとのリスクなど基本的な知識は、最低限身に着けておくべきでしょう。

勘違い③:短期売買をして利益を狙おうとする

「短期売買で大きく稼ごう」というスタイルで投資をすると、往々にして失敗します。主な理由は、以下のとおりです。

  • 取引手数料が発生するから
  • 短期的な株価の動きはプロでも読めないから
  • 短期売買では瞬時の判断が求められ、感情的な売買をしてしまいがちだから
  • 高性能なコンピューターや豊富な情報を持つ機関投資家と個人投資家がいるから

確かに、短期間で大きく稼ぐ投資家はいます。しかし、その裏には多くの敗者がいることを見逃してはいけません。

iDeCoでよくある勘違い

iDeCoは「個人年金」という性格上、NISAよりも複雑な制度設計になっています。

勘違い①:受け取る時に課税されないと思っている

最も多い勘違いが「iDeCoは受け取る時も非課税」という思い込みです。運用中の利益は非課税ですが、受け取る際には税金がかかる可能性があります。

一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用されますが、控除額を超えた部分には税金がかかります。特に退職金が多い方や、公的年金額が多い方は注意が必要です。

勘違い②:手数料は微々たるものと考えている

手数料負担への認識の甘さも、損失につながる要因です。iDeCoでは毎月171円の基本手数料が必ずかかり、金融機関によってはさらに運営管理手数料が数百円程度かかります。

月5,000円の最低積立額で運用している場合、運用成績が良くても手数料で相殺される可能性があります。

iDeCoは長期運用になりやすいからこそ、手数料の積み重ねが最終的な資産額に大きな影響を与える点に留意すべきでしょう。

勘違い③:元本保証型商品を100%購入している

iDeCoでは、元本確保型商品を選択できます。元本割れのリスクを避けたい場合、定期預金や保険商品などの元本保証型商品に、100%投資することも可能です。

確実性を重視したい方に向いていますが、これではiDeCoの運用益が非課税になるというメリットを活かしきれません。iDeCoやNISAは「運用益が非課税になる」というお得な受け皿であるため、リスクを取って運用しなければ、メリットを生かしきれないのです。

実際に、現在の低金利環境では、元本保証型商品の利回りは年0.2~0.5%程度です。これでは、iDeCoの口座管理料手数料に負けてしまいます。また、利回り以上のインフレが起こると、実質的に資産価値は目減りしてしまう点に注意しましょう。

まとめ

NISAやiDeCoは優れた税制優遇制度ですが、制度の詳細を理解せずに使うと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。

制度本来のメリットを活かし、効率的な資産形成をするためにも、最低限の知識は必要です。自分のライフプランやリスク許容度に合った活用方法を見つけて、効果的に活用しましょう。


監修者:柴田 充輝
厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級や社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。