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『退職金をムダにする人』がついやりがち…実はNGな“3つの使い道”とは?【元銀行員が解説】

  • 2025.7.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

退職金は多くの人にとって、人生で最後の大きな収入です。そのため多くの人が、手にした退職金をどう活用すべきか頭を悩ませています。

退職金を無駄にしないためには、安易に使い方を決めないことが重要です。今回の記事では退職金で失敗しない方法について、紹介します。

退職金の間違った使い方3選

ついやってしまいがちな、退職金のNGな使い方を紹介します。

住宅ローンの一括返済

住宅ローンを借りる際に、最後は退職金で完済するイメージを描いている人は多いのではないでしょうか。しかし、利上げが始まったとはいえまだまだ低金利といえる現在の環境で、無理に住宅ローンを完済するのは得策とはいえません。

退職後の年齢で住宅ローンが残っていることをリスクと考える人は多いですが、そうではありません。住宅ローンには団信が付保されており、万が一の際にはローンが無くなります。健康面への不安が高まる退職後の年齢で、住宅ローンが残っていることはむしろメリットといえるでしょう。

大半を一括で投資する

退職金の大半を一括でリスクの高い資産に投資するのはやめましょう。老後に備えて退職金を運用することはとても大切ですが、退職後は若いころほどのリスクはとれません。投資に失敗してしまうと、せっかくの老後資産である退職金を失ってしまう可能性もあります。退職金を投資する際には、慎重な選択が必要です。

車や海外旅行などで浪費する

一度に大きな金額を手にするため、無計画に使ってしまう可能性もあります。家族との思い出作りに旅行に行くことは素晴らしいですが、しっかりと資金計画をたてることが大事です。退職金は大きな金額を手にしますが、今後の収入は現役の頃に比べると大きく減少することを認識しましょう。

退職金をムダにしたいための対処法

退職金をムダにしないための対処法を見ていきましょう。

金融機関のアドバイスを鵜呑みにしない

退職金などの使い道を銀行や証券会社に相談に行く人は多いですが、担当者のアドバイスを鵜呑みにしてはいけません。基本的に金融機関の担当者は「投資商品を販売すること」を前提としているからです。

以前に比べると金融機関の職員もフィデュ―シャリーデューティー(顧客本位の考え方)を意識しているものの、販売のノルマを抱えていることは変わっていません。担当者のアドバイスを参考にしつつ、自分なりに調べて結論を出すようにしましょう。

使い道を洗い出す

退職金は人生で最後に手にする大きな収入の一方で、退職金を受け取った後の人生は長いです。そのため今後の人生で出費の大きいライフプランなどを、しっかりと洗い出すことが重要です。数年後に必要なお金は、投資には回さないようにしましょう。

また将来の介護や認知症に対する備えも、忘れてはいけません。手元の資産で心許ないのであれば、保険商品の活用などもおすすめです。70代や80代になってからではなく、退職金を受け取った60代から準備を始めることが大切です。

人生で一度きりの退職金は大切に活用しよう

一度に大きな金額を手にできる退職金を、どう活用すべきかで老後の人生を左右します。一般的にはローンの返済や投資がよいとされていますが、自分にとって何がよいのかをしっかりと考えることが重要です。今後のライフプランを想定して使い道を洗い出したうえで、何がよいのかを判断しましょう。


監修者:ゆきひろ
信託銀行に勤務する傍ら、金融系の記事も執筆する兼業ライター。日々富裕層顧客に金融や不動産を活用したウェルスマネジメントや税務に関する提案を行っており、培った知識と経験を活かして情報発信を行っている。過去には大手カード会社でクレジットの審査業務経験もあり、金融全般の知識に明るい。FP1級、宅建士を保有。