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『共働きの夫婦』のお財布…分けるべき?共有すべき?→FPが教える、ベストな“お金の管理法”とは?

  • 2025.7.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

共働き夫婦にとって頭を悩ませるのが、お金の管理方法です。「それぞれが自分の収入を管理する財布別スタイル」と「収入をまとめて管理する共有スタイル」、どちらがよいのでしょうか?

どちらにもメリットとデメリットがあり、正解はありません。夫婦の価値観やライフスタイルによって最適な方法は変わるため、それぞれの特徴を理解して、自分たちに合った方法を選びましょう。

財布別管理のメリット・デメリット

まずは、財布別管理について見ていきましょう。

財布別管理のメリット

財布別管理のメリットは、お金の自由度が高いことです。自分が稼いだお金は自分で管理できるため、趣味や個人的な買い物に制約を感じることがありません。

また、お金に関する価値観の違いで、ケンカになりにくいメリットがあります。それぞれが責任を持って収支管理を行いつつ、家計の負担分担を明確にしやすい点もメリットといえるでしょう。

財布別管理のデメリット

一方で、家計全体の把握が困難になるのが財布別管理の弱点です。夫婦それぞれがどのくらい貯金しているのか、家計全体でどの程度の資産があるのかが見えにくくなってしまいます。

また、それぞれが自由にお金を使っていると、「ふたを開けてみたら、夫婦の貯金がほとんどなかった」という事態になりかねません。

大きな買い物や将来設計を立てる際に、調整が複雑になりやすい点もデメリットです。マイホーム購入の頭金や子どもの教育費など、まとまった資金が必要な場合に「誰がいくら出すか」で揉めるリスクがあります。

以上、メリットとデメリットを踏まえると、財布別管理が向いている夫婦は以下のとおりです。

  • 価値観の違いを尊重したい夫婦
  • お互いに金銭感覚がしっかりしている夫婦
  • 収入が同程度で安定している夫婦
  • 個人の自由度や独立性を重視する
  • プライバシーを重視し、すべてを共有することに抵抗がある
  • 付き合いに関する支出が多い

「お互いに3万円を毎月貯金用の口座に入れて、それ以外のお金は自由に使ってもよい」というルールを設ければ、「今を楽しむ」「将来を楽しむ」というバランスが取れるかもしれません。

共有管理のメリット・デメリット

続いて、共有管理について見ていきましょう。

共有管理のメリット

共有管理では、家計全体を一元的に把握できるメリットがあります。収入も支出も貯蓄も全て透明化されるため、家計の状況をお互いに把握できます。

これにより、将来の計画も立てやすくなるでしょう。子どもの教育費や住宅ローン、老後資金など、長期的な目標に向けて計画的に貯蓄を進められます。

また、お互いがお金の使い方を把握していることで、無駄遣いを防ぐための心理的なストッパーにもなるでしょう。

共有管理のデメリット

共有管理のデメリットは、個人の自由度が制限される点です。自分の収入であっても、相手へ相談する必要性が出てくるため、窮屈に感じる人もいるでしょう。

お金の使い方に関する価値観の違いが表面化しやすく、「無駄遣い」の基準について意見が対立することもあります。また、どちらか一方がお金の管理を担当する場合、もう一方が家計の状況を把握しきれなくなるリスクもあります。

収入に差がある場合、多く稼いでいる方が「自分の稼ぎなのに自由に使えない」という不満を抱く可能性もあり得るでしょう。

以上のメリットとデメリットを踏まえると、共有管理が向いている夫婦は以下のとおりです。

  • 将来の明確な目標がある夫婦
  • どちらか一方がお金の管理が苦手な夫婦
  • 収入に大きな差があり、公平性を維持したい夫婦
  • 片方が専業主婦(夫)
  • 透明性や情報共有を重視する夫婦
  • 家族としての一体感を大切にする夫婦

共有管理では息苦しさを感じる場合は、夫婦の双方でお金を普段の家計管理の中で「自由に使える予算」を設ける方法があります。予算の範囲内であれば、お互いに自由に使えるルールを導入すれば、自分の趣味や人付き合いなどを気兼ねなく楽しめるでしょう。

まとめ

共働き夫婦のお金の管理方法に、絶対的な正解はありません。大切なのは、夫婦それぞれの価値観やライフスタイル、将来の目標に合った方法を選ぶことです。

財布別管理は自由度が高く、個人の価値観を尊重できる一方で、家計全体の把握や将来設計で苦労する可能性があります。共有管理は計画的な貯蓄や将来設計に優れている反面、個人の自由度が制限されがちです。

まずは夫婦でじっくりと話し合い、お互いの考えや希望を確認してみてください。子どもが生まれたり、住宅を購入したりするタイミングで、より適した方法に変更することも検討してみましょう。


監修者:柴田 充輝
厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級や社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。