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『なぜかお金がたまらない家庭』には“ある共通点”があった…教育費で失敗する家庭の“3つの特徴”とは?【FPが解説】

  • 2025.7.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

子どもの将来を思って教育費にお金をかけるのは、親として当然の気持ちです。しかし、「子どものため」という思いが強すぎて、家計を圧迫してしまうのは本末転倒です。

無計画に教育費をかけ続けると家計全体のバランスが崩れ、かえって子どもの将来に悪影響を与えてしまうことも。今回は、教育費で家計が苦しくなってしまう家庭の共通点と、健全な教育費の使い方について解説していきます。

「教育費貧乏」家庭の3つの特徴

まずは、教育費貧乏に陥りやすい家庭の特徴を見ていきましょう。

1.教育費の予算を決めていない

教育費貧乏に陥りやすい家庭の特徴は、教育費の上限を決めていないことです。「子どものためなら」という気持ちで、習い事や塾代を青天井で支払ってしまいがちです。

青天井で支払っていると、他の生活費や貯蓄に回すお金が不足してしまいます。家計全体のバランスを考えずに教育費だけを優先していると、いつの間にか家計が火の車状態になりかねません。

2.教育費の「見える化」ができていない

教育費貧乏家庭では、教育にかかる費用の全体像が把握できていません。習い事の月謝や教材費だけでなく、交通費をはじめとした細かい支出が積み重なって、大きな負担となっている可能性があります。

複数の習い事をしている場合、「月謝は安いから大丈夫」と思っていても、関連費用を含めると予想以上の出費になることも。詳細な支出まで把握したうえで教育費を具体的な数字で把握しないと、家計の負担となっている事態そのものに気付けません。

3.教育費を聖域にしている

教育費貧乏家庭の特徴として、「子どもへの投資を惜しむべきではない」という固定観念に捉われているケースが挙げられます。

教育費だけは削減の対象外として扱い、他の支出を犠牲にしてでも教育にお金をかけ続けてしまうのです。

周りの家庭と比較して「うちも同じようにしなければ」と焦り、身の丈に合わない教育費を支出してしまうケースも少なくありません。

その結果、家族旅行を諦めたり親の趣味費を削ったり、QOLを損ねてしまうこともあります。

「教育費貧乏」家庭にならないための3つの対策

子どもへの教育は大切である一方で、予算を設けずに青天井で支出をするのは危険です。教育費貧乏の家庭にならないために意識するべき、3つの対策を見ていきましょう。

1.教育費の予算設定と優先順位づけ

家計全体を見直して、教育費の適正な予算を設定しましょう。あくまでも目安にはなりますが、手取り収入の15%を超えて教育費を支出している場合、「教育過剰」であると考えてください。たとえば、手取り収入が30万円なら、月4.5万円までに抑えるイメージです。

予算が決まったら、教育内容に優先順位をつけることが大切です。学校の勉強についていけない場合は塾を優先、運動能力を伸ばしたいならスポーツ系の習い事を重視するなど、子どもの状況と家庭の方針に合わせて選択してください。

「あれもこれも」と欲張らず、本当に必要な教育に絞り込むことで、限られた予算を有効活用できます。

2.家計簿アプリを活用して些細な教育費も逃さない

教育費を「見える化」するために、家計簿アプリを活用しましょう。習い事の月謝だけでなく、教材費・交通費・イベント参加費なども含めて記録することがポイントです。

クレジットカードや銀行口座をアプリに紐づければ、教育費の計上漏れを防げます。教育関連の専用口座を作成すれば、予算管理が格段に楽になります。年間の教育費総額が把握できれば、家計全体への影響も判断できるでしょう。

3.子どもの希望に合わせた教育計画を立てる

効果的な教育投資を行うためには、子どもの興味や適性に合わせた教育計画を立てることが重要です。親の価値観や周りの環境に流されず、子ども自身が「やりたい」と思うことを中心に、教育方針を決めていきましょう。

子どもと話し合い、どんなことに興味があるのか、将来どんなことをしたいのかを聞いてみてください。また、普段の遊びや行動から、子どもの関心を読み取ることができます。

スポーツが好きなら体育系、絵を描くのが好きなら芸術系というように、子どもの個性を活かした教育を選択することで学習効果も高まります。

習い事を始めたあとは「せっかくお金を払ったから」という理由で続けるよりも、子どもが本当に楽しめる新しい分野を探しましょう。子どもの関心や興味がある分野にお金をかけたほうが、長期的には有意義な投資となるはずです。

まとめ

子どもの教育は確かに大切ですが、家計全体のバランスを崩してまで行うべきではありません。持続可能な教育投資を実現するためにも、適正な予算設定や家計簿アプリの活用、子どもの希望に合わせた教育計画を考えましょう。

「子どものため」という気持ちを大切にしながらも、冷静な判断で教育費をコントロールすることが、本当の意味で子どもの将来を支えることになるのです。


監修者:柴田 充輝
厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 FP1級や社会保険労務士資格を活かして多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。現在はWebライターとして金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。