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不倫中の姿が『YouTubeに映ってバレた』…離婚や慰謝料トラブルになったとき、投稿者に“法的責任”はある?【弁護士監修】

  • 2025.7.17
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写真はイメージです。記事の内容とは直接関係ありません。/ 写真:photoAC

 

SNSやYouTubeで日常的に公開される「街ブラ系動画」。その中に、たまたま他者が映り込んでしまい、それがきっかけで予期せぬ不都合が生じたら、撮影者に対して責任を問うことはできるのでしょうか。

今回は、「街中での動画への映り込み」によって、個人的な事柄が明るみに出てしまったケースを想定し、肖像権やプライバシーの観点から、離婚・親権などの一般民事事件に詳しい『じょうばん法律事務所』鬼沢健士先生に解説してもらいました。

Youtubeの映り込みがきっかけで“大きな問題”に波及…損害賠償は請求できる?

例えば、街中でのYouTube撮影に偶然映り込んだことで、それが不倫の証拠となって離婚に至った――。この場合は、損害賠償をYouTuberに請求することは可能なのでしょうか?

  • 動画がたまたま撮影されたもので、現場を狙った撮影でない場合、YouTuberへの損害賠償請求は難しいと考えられます。
  • 街中での映像は、一定程度プライバシーが放棄されていると解釈されることが多く、「不倫かどうか」は外部から判断できません。

ただし、撮影場所や状況によっては例外も。

  • 例えば、ラブホテルの出入りや明らかに不倫関係とわかる状況での撮影であれば、プライバシー侵害の度合いが高く、損害賠償請求が認められる可能性もあります
  • また、YouTuberが不倫現場であることを認識したうえで撮影・投稿していた場合も、損害賠償責任を問えるでしょう。

YouTubeの運営会社(Google)には責任はないの?

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写真はイメージです。記事の内容とは直接関係ありません。/ 写真:photoAC

動画を投稿したのはYouTuber本人でも、プラットフォームを提供しているのはGoogle社。そちらに削除や損害賠償を求めることは可能なのでしょうか?

  • 基本的に、YouTubeの運営側(Google)は動画の内容に直接関与していないため、損害賠償責任を問うことはできません。
  • ただし、プライバシーが侵害されたという主張に基づき、削除申請を出すことは可能です。
  • 実際に削除されるかどうかは、Google側の判断によるため、申請すれば必ず削除されるわけではありません。

仮に請求が認められた場合、損害賠償はいくらになる?

例えば「動画が原因で離婚に…」という事態に陥った場合、慰謝料などはどれほど認められる可能性があるのでしょうか。

  • 実際には、動画が“発覚のきっかけ”の一つに過ぎないケースが大半です。
  • そのため、損害賠償が認められるとしても、金額は限定的になると考えられます。

特に次の点がポイントになります:

  • 不倫相手や投稿者が支払う離婚慰謝料や転居費用は、YouTuberに請求できない
  • 認められるとすれば、プライバシーを侵害されたことによる精神的苦痛への慰謝料
  • 動画の再生回数や拡散度は賠償額にあまり反映されない

意図せず“映り込んだ”ことが人生を変えることも…

ネットに無断で映り込んでしまうこと自体は、今や誰にでも起こりうるリスクです。ただし、それが個人の重大な問題に波及した場合でも、法的に他人を訴えるハードルは想像以上に高いのが実情です。

もしも深刻な被害を受けた場合には、弁護士に相談のうえ、削除請求や損害賠償請求の可能性を検討するのが第一歩です。

※記事内の画像はイメージです。


監修者名:鬼沢健士 弁護士

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じょうばん法律事務所:鬼沢健士 弁護士

茨城県取手市でじょうばん法律事務所所属。
できる限り着手金無料で、労働問題(不当解雇、未払残業代等)や詐欺被害救済に積極的に取り組んでいる。