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管理栄養士「なるべく避けて」 目覚めの一杯の『コーヒー』→実は“NGな理由”を管理栄養士が解説

  • 2025.7.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

朝起きてすぐの一杯のコーヒー。多くの人にとって、それは『今日も頑張ろう』の合図かもしれません。でも、実はこのタイミング、ベストとは言い切れないって知っていましたか?実は、身体のリズムや脳の状態を考えると、朝イチのコーヒーは逆効果になることも。その結果、集中力が下がったり、カフェインの効き目が弱まったりすることもあるんです。では、集中力を高めるベストのタイミングっていつなのでしょうか?

今回は、コーヒーを『起きてすぐ』に飲むことの影響から、集中力アップに効果的な時間帯まで、わかりやすくご紹介します。

コーヒーは『起きてすぐ』はNG?カフェインと体内リズムの関係

朝目覚めると、多くの人の脳はまだ完全にはスイッチが入っていない状態。実は、私たちの身体には「コルチゾール」という覚醒ホルモンが自然に分泌されていて、特に起床直後の30分〜1時間の間はその分泌がピークに達します。このコルチゾールのおかげで、脳は目を覚まし、自然に目覚めやすくなるのです。

ここでポイントなのが、カフェインの効果との関係です。体内には、コルチゾールとは反対に眠気を誘発する「アデノシン」というホルモンが存在します。カフェインは脳内のアデノシン受容体をブロックすることで、眠気を抑えたり集中力を高めたりします。そのため、覚醒ホルモンがたくさん分泌されているときにコーヒーを飲んでも、その効果は薄くなってしまうことがわかっています。起きてすぐのコーヒーは、カフェイン効果が体の自然な覚醒とバッティングしてしまい、むしろカフェインへの耐性がつきやすい原因にもなりかねません

つまり、毎朝目覚めてすぐにコーヒーを飲み続けると、カフェインの効き目が弱まったり、体が刺激に慣れてしまって効果を感じにくくなることもあるわけです。さらに、カフェインは胃酸を分泌させる効果もあるため、空腹時は胃に負担がかかりやすいという観点でも『起きてすぐ』のコーヒーはなるべく避けたほうがいい場合もあるでしょう。

集中力を最大限に引き出すベストタイミングとは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、カフェインの良さを最大限に活かしつつ、集中力を高めるベストなタイミングはいつなのでしょうか?専門家の考えと科学的なデータをまとめると、起床後1時間以降〜夕方ま頃までが理想的です。

この頃になると、コルチゾールの分泌は少しずつ落ち着き始め、カフェインの効果をしっかり受け取れる状態になります。

また、上述の通り、カフェインには覚醒作用があります。起床後から徐々に低下するコルチゾールの働きを補うように、勉強や仕事の合間の眠気覚ましとして摂取するのが効果的でしょう。

さらに、コーヒーを飲む量も重要。1日に摂取するカフェインの量は、成人で約200〜400mgが適量とされ、コーヒーでいうとマグカップ2〜4杯が目安です。飲みすぎると逆にイライラや不眠の原因になるため、適切な量とタイミングの調整がカギとなるわけです。

コーヒーと上手に付き合うためのポイントまとめ

朝起きてすぐに飲むコーヒーが必ずしもNGというわけではありませんが、身体の自然なリズムや脳の覚醒ホルモンの働きを考えると、ベストタイミングから外れている可能性が高いことがわかりました。覚醒ホルモンがピークにある起床直後は、コーヒーを飲まずにゆっくりと身体を目覚めさせる時間をとり、1時間ほど経ってからコーヒータイムを設けると、カフェインの効果をより感じやすく、集中力アップにもつながります。

また、カフェインの摂取量にも注意しながら、午後の眠気対策としても上手に活用すれば、仕事や勉強のパフォーマンスをぐっと高めることができます。自分のライフスタイルや体調に合わせて、最適な時間帯を見つけてみてはいかがでしょうか?

コーヒーは『ただ飲めばいい』わけではなく、飲むタイミングが効果を左右する重要なポイント。そのコツを知ることで、毎日の集中力アップがより快適に、そして効率的になるはずです。


監修者:水澤 聖子
管理栄養士歴10年 総合病院、回復期病院にて管理栄養士業務に従事。外科術後・内科・透析等、幅広い病態に対する栄養指導を月50件以上担当。料理教室の勤務経験もあり、食事療法はもちろん、調理の提案も得意。