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プロ「避けるのがベスト」→実は『味噌汁』の作り方、間違っているかも…栄養を損なう“NG行動”とは?【フードコーディネーター監修】

  • 2025.7.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

日本の食卓に欠かせない味噌汁。でも、みなさんは具材をどのタイミングで入れていますか?実は、具材を先に長時間煮込むと、ビタミンが大幅に減少してしまうことをご存知でしょうか?「具材を先に煮るのはダメなの?」そんな疑問を持つ人も多いはず。今回は、味噌汁の具材と加熱時間の関係を探りながら、美味しくて栄養もたっぷり摂れる味噌汁の作り方をご紹介します。

具材を先に煮るのは本当にNG?味噌汁の栄養を守るポイントとは

味噌汁の具材を先に煮ることの一番の懸念点は、加熱時間が長くなることでビタミンが激減してしまうことにあります。

特に水溶性ビタミンのビタミンB群やビタミンCは熱に弱く、長時間の加熱で栄養素が壊れてしまうのです。じゃがいもやにんじん、大根といった根菜類は火が通りにくいため、つい先にじっくり煮込みたくなりますが、そうするとビタミンが熱で壊れやすいのに加え、調理法によっては摂取量が少なくなることもあります。

また、具材を先に煮ると味が染み込みやすい反面、食感が柔らかくなりすぎてしまうことも。あのシャキッとした歯ごたえを楽しみたい場合は、具材の入れるタイミングが大切です。味噌汁の健康効果を最大限に活かしたいなら、具材の調理時間を調整することがポイントです。

さらに知りたい!味噌汁の具材と加熱で栄養を守るテクニック

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では具体的にどうすれば良いのでしょうか?おすすめは、火の通りにくい具材を先に入れた後、火を止める直前に火の通りやすい葉物やキノコ類などを加える方法です。こうすることで、熱に弱いビタミンをできるだけ残しつつ、具材それぞれの美味しさや食感を損なわずに仕上げられます。

さらに、味噌は加熱しすぎると風味が飛んでしまうだけでなく、発酵食品としての効能も減退します。味噌を入れるのは全ての具材を煮た後、一旦火を止め、沸騰した状態で味噌を入れないようにするのが基本であり、それによって発酵による旨み成分や酵素が生きたまま味噌汁に溶け込みます。

例えば、豆腐やワカメなどの具材も比較的火が通りやすいため、最後に入れて軽く温めるだけで十分。逆に、大根、にんじん、じゃがいもなどはあらかじめ別鍋で下茹でしておくのも賢い手です。こうして具材毎に火の通り具合を調整すれば、栄養と美味しさの両方を追求した味噌汁が完成します。

健康で美味しい味噌汁を楽しむためのまとめ

味噌汁の具材は、先に煮ると加熱時間が長くなりやすく、熱に弱いビタミンなどの栄養素が大幅に減少してしまうため注意が必要です。具材によっては下茹でをしたり、火の通りにくいものと通りやすいものをタイミングを分けて入れることで、栄養をしっかり残しつつ美味しく作れます。また、味噌は加熱しすぎることで栄養や風味が損なわれやすいので、仕上げに溶かし沸騰を避けるのがベストです。

毎日の味噌汁は健康保持に役立つだけでなく、ちょっとした工夫で栄養素を逃さずに摂れる優秀な和食メニューです。ぜひ具材の入れ方や加熱時間に気をつけて、栄養満点の美味しい味噌汁を作ってみてくださいね。


監修者:初崎 麻衣(Instagram / Facebook
フードコーディネーター・フードスタイリスト。
フードビジネススクール「チュ・ア・レゾン」卒業後、サラダボウル専門店のメニュー監修、調理家電のメニューブックや記事の監修、キッチンツールの監修など、食を通じた企業とのコラボレーション活動を行っている。