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「日本人の8割間違えてる説」「初めて知った」“期日前投票”の正式名称に「ずっときじつまえって読んでた…」

  • 2025.7.15
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

「期日前投票」の読み方をめぐって、SNS上で話題になっている投稿があります。多くの人が「きじつまえ」と読んでいるこの言葉、実は法律上の正式な読み方は「きじつぜん」だったのです。この意外な事実に「初めて知った」「日本人の8割間違えてる説」といった驚きの声が続々と寄せられています。

「えっ、きじつ"ぜん"が正解?」

そもそも「期日前投票」とは何なのでしょうか。総務省の説明によると、

選挙は、選挙期日(投票日)に投票所において投票することを原則としていますが(これを投票日当日投票所投票主義といいます。)、期日前投票制度は、選挙期日前であっても、選挙期日と同じく投票を行うことができる(つまり、投票用紙を直接投票箱に入れることができる)仕組みです。

出典:総務省|期日前投票制度の概要・メリット

この制度、実は平成15年の公職選挙法改正で生まれたもので、総務省が「きじつぜんとうひょう」という名称で法を成立させました。法律用語としては「きじつぜん」が正式な読み方なんです。

でも、普段私たちが耳にするのは「きじつまえ」という読み方ですよね。この違いはどこから生まれたのでしょうか?

「きじつまえ」という読み方の謎

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

この疑問について、熊本県合志市の選挙管理委員会が詳しく回答していました。市民からの質問として、

「期日前投票」は、「きじつぜん投票」?「きじつまえ投票」? 市役所の放送では期日前投票のことを「きじつぜんとうひょう」と言っていますが、テレビでは「きじつまえとうひょう」と言っています。 市役所の放送は読み方を間違っていませんか?

この質問に対する回答が興味深い事実を明かしています。

現在の期日前投票制度は、平成15年度の公職選挙法改正により出来た制度ですが、総務省は「きじつぜんとうひょう」という名称で法を成立させました。そのため、法律用語では「きじつぜんとうひょう」が正解です。 しかしながら、NHK等のマスコミが「きじつまえとうひょう」という呼び方で放送したため、一般的には「きじつまえとうひょう」という呼び方が広く浸透してきているのも事実です。 市選挙管理委員会では、法律用語(正式な名称)として「きじつぜんとうひょう」という呼び方を採用しています。 総務省は、現在では、どちらの呼び方でもかまわないとの見解と聞いています。

出典:よくある質問 FAQ / 合志市ホームページ

この回答から分かるように、一般的な「きじつまえ」という読み方が広まったのは、テレビやラジオなどのメディアの影響が大きかったようです。法律用語では「きじつぜん」が正しいものの、テレビやラジオで「きじつまえ」と放送されたため、多くの人がこちらの読み方に慣れ親しんでしまったのです。

興味深いのは、現在の総務省は「どちらの呼び方でもかまわない」という見解を示していること。法令上は「きじつぜん」が正しい読み方ですが、「きじつまえ」も間違いではないという、なんとも日本らしい柔軟な対応ですね。

「日本人の8割間違えてる説」

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

この話題について、SNSでは多くの人が驚きの声を上げています。

ずっときじつまえって読んでた…
日本人の8割は期日前投票の読み方間違えてる説
今まで知らなかった…

こうしたコメントが示すように、多くの人が「きじつまえ」と読んでいたことがわかります。

法律用語と一般的な読み方が異なるというような現象は、実は他の言葉でも見られます。例えば、選挙期間よく耳にする「世論」という用語

社会科の教科書・地図帳の出版社「株式会社帝国書院」の説明によると、

かつては、世間一般の感情である「世論(せろん・せいろん)」と、人々の議論に基づく意見である「輿論(よろん)」とが使い分けられていました。その後、1946年の当用漢字の制定によって「世論」の表記が一般的になったものの、「せろん」「よろん」両方の読み方が残りました。こうした経緯を踏まえ、「世論」には「せろん」「よろん」のふりがなを併記しています。

出典:「世論」に「せろん」と「よろん」の二種類のふりがなが付いているのはなぜですか。|株式会社帝国書院

かつては「せろん」と読むのが一般的でしたが、その後「よろん」という読み方も使われるようになりました。私たちが日常的に使っている読み方が、実は正式なものと違っていたという発見は、言葉の面白さや複雑さを改めて感じさせてくれますね。

ニュースで「きじつまえ投票」という言葉を聞いて育った世代にとって、この読み方が自然に身についているのは当然のこと。むしろ「きじつぜん」と聞くと、なんだか違和感を覚えてしまうかもしれません。

神経質になる必要はない

「期日前投票」の読み方をめぐるこの話題は、法律用語と一般的な読み方のギャップという興味深い現象を浮き彫りにしました。正式には「きじつぜん」、一般的には「きじつまえ」というこの違いは、メディアの影響で生まれたものでした。

現在では「どちらでも構わない」という総務省の見解もあり、私たちはあまり神経質になる必要はないかもしれません。でも、こうした言葉の背景を知ることで、日本語の奥深さや社会の変化を感じることができるのではないでしょうか。

次回選挙の際には、「きじつぜん」と「きじつまえ」、どちらで読むか意識してみるのも面白そうですね。きっと選挙管理委員会の職員は正式な「きじつぜん」で案内し、ニュースキャスターは慣れ親しんだ「きじつまえ」で読み上げることでしょう。

そんな小さな違いに気づけるようになったのも、この話題のおかげかもしれません。


出典:総務省|期日前投票制度の概要・メリット

出典:よくある質問 FAQ / 合志市ホームページ

出典:「世論」に「せろん」と「よろん」の二種類のふりがなが付いているのはなぜですか。|株式会社帝国書院