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あらゆる枠組みに挑みかかる、コム デ ギャルソン・オム プリュスの“スーツではないスーツ”【2026年春夏 メンズコレクション】

  • 2025.6.30

「私たちを平和や愛、友愛へと導いてくれる、シャーマンのような大きな存在が必要だと思います」。「Not Suits, But Suits.」と題されたコム デ ギャルソン・オム プリュスCOMME des GARÇONS HOMME PLUS)の2026年春夏ショーの前、川久保玲はそう語った。

「Not Suits, But Suits」──スーツであって、スーツではない。タイトル通り、今季はスーツのようでスーツではないテーラードピースを基盤に置いており、オープニングルックがコレクション全体の方向性を示していた。ジャケットシャツ、ボトムで構成されていたそれは、独特ではあるものの構造的には確かにスーツだ。しかし、ジャケットの切り替えや全身を覆う極彩色の柄が表立ち、スーツらしさは影を潜めている。続いて登場したルックも、柄は違えどやはりスーツのようでスーツではない1着で、長めにカットされたジャケットとヒップをパニエで強調したパンツが存在感を放つ。

川久保はしばしば、ルックを区分けして展開する。この日もそうで、ふたつ目のセクションはファスナーやラッフルを駆使してフォルムを分解した、黒基調のテーラードピースが占めていた。ニットの下から飛び出すフリルや切り抜かれたアウターから覗くシャツの生地感が、躍動感のある複雑なレイヤードスタイルを作り上げる。

次の一幕では、グレージャージ素材のつけ襟、プリーツパンツやショートパンツを取り入れた、薄手のウールのスーツがペール色で展開。クロップドジャケットにラッフルカラーのシャツにポリコットンドリル生地のキルトスカートという、いかにもコム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)らしいレイヤリングもここで披露された。終盤に差しかかると、オープニングルックでお馴染みの鮮やかな幾何学模様が、ドレスやパニエ入りのウエストコートとして再び登場。そしてショーは、グラフィックなストライプのピース、ボトムの裾ファスナーを開閉することで印象を操れる、バイカラーのピンストライプのアンサンブルで締めくくられた。

アクセサリーもまた、一般的なスーツスタイルに合わせるものではない。太い三つ編みのウィッグ、スーツ生地から仕立てられたキャップ、メッシュソックスなど、37のルックすべてが、“スーツ”というアイテムを解体しており、あらゆる枠組みを超越していた。

※コム デ ギャルソン・オム プリュス 2026年春夏メンズコレクションをすべて見る。

Text: Luke Leitch Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

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