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「上手すぎ」「途切れなくドラマでてる」“深夜ドラマ女王”の誕生か…!“圧倒的”演技力で魅せた初回放送【木曜ドラマ】

  • 2025.7.7

読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマ『恋愛禁止』は、伊原六花が演じる主人公・木村瑞帆が、過去の恋愛トラブルに巻き込まれる恐怖を描いたホラーサスペンス。元恋人を刺殺した瑞帆の心理を、伊原は圧倒的なリアリティと繊細さで表現。日常を取り戻そうとする葛藤や罪悪感を丁寧に演じ、視聴者を引き込んでいく。事件の謎とともに深まる恐怖を、伊原六花の秀逸な演技がさらに増幅させ、ドラマの魅力を際立たせている。

物語を増幅させる、リアルで緻密な演技

ドラマ『恋愛禁止』は、ホラーサスペンスのなかに複雑な恋愛感情を絡めた新感覚の作品だ。その中心にいるのが主人公・木村瑞帆を演じる伊原六花である。伊原のリアルで緻密な演技が物語の恐怖を増幅させ、視聴者を強く引きつけている。

本作は、地元の静岡を逃げるように出て東京で働く瑞帆を中心に展開する。彼女の前には過去に深く関わった三人の男性が現れ、それぞれが複雑な感情と危険をもたらすのだ。

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木曜ドラマ『恋愛禁止』第1話より(c)ytv

なかでも元恋人・倉島隆(小久保寿人)との再会は、彼女に大きな恐怖をもたらす。かつて心の支えだった隆は、次第に束縛が強まり暴力を振るうようになった男だ。瑞帆が隆の出現に感じる絶望と恐怖を、伊原は極めてリアルに演じる。視聴者は瑞帆が置かれた状況に強く共感し、その恐怖を自らのことのように感じてしまう。

サスペンスとしても高品質な『恋愛禁止』

伊原の演技の最大の魅力は、その圧倒的な切実さだ。

たとえば彼女が主演を務めたドラマ『肝臓を奪われた妻』でも、エキセントリックな状況をリアルに感じさせる見事な演技を披露しているが、本作でもその才能を遺憾なく発揮している。とくに元恋人を衝動的に刺し殺してしまった直後の混乱した心理描写が秀逸である。警察に自首しようと決意しながらも、母親からの電話がきっかけで躊躇してしまう瑞帆の表情には、複雑な心境が見事に表現されている。

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木曜ドラマ『恋愛禁止』第1話より(c)ytv

また、瑞帆が日常を取り戻そうと努力するシーンも印象的だ。刺殺事件の翌日、何事もなかったかのように出勤しようと努めるが、その恐怖や罪悪感はふとした瞬間に表情から漏れてしまう。こうした微妙な心理の揺れを伊原は丁寧に表現しており、視聴者に深いリアリティをもたらしている。

『恋愛禁止』の魅力はサスペンスとしても高品質である点だ。瑞帆が元恋人を殺害したにもかかわらず、翌日には遺体が消えており、事件の痕跡すら見つからないという謎めいた展開は、視聴者の興味を強く惹きつける。

誰が何の目的で遺体を隠したのか、あるいは本当に殺害が行われたのか、謎が深まるにつれて伊原の演技も一層冴え渡り、サスペンスとしての魅力を増幅させていく。SNS上でも「ものすごくドラマに引き込まれた」「怯える演技が上手すぎ」「途切れなくドラマでてる」「深夜ドラマ女王みたいになってるな」と一話の時点で評価が高い。

寄り添いたくなる主人公像

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木曜ドラマ『恋愛禁止』第1話より(c)ytv

さらに、ドラマは瑞帆が抱える等身大の葛藤をも巧みに描き出している。彼女は特別な人物ではなく、あくまでも普通の女性として描かれる。恋愛における恐怖や罪悪感、日常生活の些細な出来事への反応がリアルであり、それを伊原が繊細かつ大胆に演じているからこそ、視聴者は共感を覚える。

伊原六花が演じる瑞帆は、恋愛ホラーという特異なジャンルにおいても、深夜ドラマに求められるリアルさと切実さを見事に体現している。今後の展開がますます楽しみになるとともに、深夜ドラマ界における伊原六花の存在感は、さらに高まっていくだろう。


読売テレビ・日本テレビ系『恋愛禁止』毎週木曜よる11時59分〜

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_