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【プロが解説】スマホに盗聴されていると感じたら……?今すぐできるプライバシー対策6選

  • 2025.6.27

「友だちと北海道旅行に行きたいね」と話していたらスマホに北海道のツアー広告が出てきた、「新しいバッグが欲しい」と話していたらすぐにバッグの広告が……。最近、そんな経験をされた方はいませんか? 実はいま、スマートフォンが「私たちの話し声を聞いて、広告を出しているのでは?」と不安に思う方が増えているようです。そこで今回は、今すぐ実践できるスマホとの上手な付き合い方をご紹介!

教えてくれたのは……
NordVPN 最高技術責任者(CTO)
マリユス・ブリエディスさん
デジタルセキュリティとプライバシーの分野で世界的に活躍する技術者。オンライン上のプライバシーとセキュリティ保護のサービス「NordVPN」の最高技術責任者(CTO)として、革新的なVPN技術の開発と普及に尽力。

スマホは本当に盗聴している?

結論からいうと、スマホが話し声を“盗聴する”ことは、技術的には可能。スマホには「音声アシスタント」という機能がついており、いつでも使えるように初期設定の段階でマイクがオンになっていることが多いのです。

NordVPNの調査によると、「普段はすることのない話題をスマホの近くで話しただけで、数日後にその話題の広告が出てきた」という事例があり、会話の内容をスマホが拾っていることが明らかになりました。
調査のために行ったのは、検索したこともなければ話題にしたこともないような珍しいテーマについてスマホの前で会話を行うというシンプルなもの。例えば、ある研究者が意識的にサウジアラビア旅行について声に出して話してみたところ、数日後にその会話で出てきた「アルウラ」という街のホテル広告がFacebookに表示され始めたといいます。

もちろん、検索もクリックも一切しておらず、ただ話しただけ。その結果、スマートフォンがその内容を明らかに拾っていたということが判明しました。もちろん、すべて盗聴による広告表示であるとは限りませんが、“無意識のうちに、話した内容が広告に反映されている”可能性は十分にあります。

自宅でも試せる! 簡単なチェック方法

とはいえ、本当にスマホが盗聴しているのか信じられないという人も多いでしょう。気になる場合は、次の手順にのっとって試してみてください。

盗聴チェックの3ステップ

Step 1 今まで一度も検索したことがない話題を考える
「四万十川に行きたい」「チンチラって飼いやすい?」など、ちょっと変わったテーマがおすすめです。

Step 2 スマホの前で声に出して話す
1日1〜2回でOK。Step 1で決めた話題について、家事の合間などにつぶやいてみましょう。その際、ネットで検索したり、文字で打ち込んだりしないこと。あくまでも“声だけ”にしましょう。

Step 3 スマホやSNSに出てくる広告をよく見る
Step 2を数日間続けたのち、スマホ上に表示される広告をチェック。声に出してつぶやいた話題と関係がありそうな広告が出てきたら、スマホが会話を盗聴していた可能性があると考えられます。

今日からできる! スマホの安心対策

「何気ない会話のあとに、まるでその言葉を聞いていたかのように、スマートフォンに関連する広告が出てくるというのは、少し怖く感じることもあるかもしれません。実はその背景には、多くのアプリが想像以上にマイクなどの機能へアクセスする権限を持っている、という事実があります。プライバシーを守るためには少し意識を変えて、スマートフォンの使い方を見直すことが重要です」(マリユス・ブリエディス氏)

スマホに会話を盗み聞きされないようにするため、さらにスマホ自体のセキュリティを強化するために、今日から実践できる6つのシンプルな対策をご紹介します。

①アプリの“マイクの許可”を見直す
設定画面からマイクの使用を許可しているアプリを確認。マイク機能が不要なアプリはオフに設定しておくようにしましょう。

②音声アシスタントの履歴を消す
「Siri」や「Googleアシスタント」などを利用している場合は、各アシスタントの設定から保存されている音声履歴を確認。不要な録音は削除しましょう。

③アプリは公式ストアからインストールする
アプリをインストールする際は、Webサイトのリンクからダウンロード先に飛ぶのではなく、AppleのApp StoreやGoogle Playなど、公式なアプリストアからダウンロードする方が安心です。

④スマホやアプリをこまめにアップデートする
アップデートの通知は無視せず、更新しましょう。セキュリティを高めることができ、ハッキングから身を守ることができます。

⑤公共のWi-FiではVPNを使うと安心
カフェや駅などの無料Wi-Fiでは情報が盗まれやすいため、データ通信を暗号化できるVPNを利用する。そうすることで、自分のデータを保護し、第三者からデータを見られることを防ぐことができます。

⑥スマホ本体のセキュリティ機能を活用する
パスコード、指紋認証、顔認証などを設定し、不正アクセスを防ぎましょう。また、「iPhoneを探す」「端末を探す」などの追跡機能を有効にしておくことで、紛失や盗難時の被害を最小限に抑えられます。


スマートフォンは、今や暮らしに欠かせないパートナー。でも、ときには「ちょっと見られすぎ、聞かれすぎかも?」と立ち止まることも大切です。誰かにのぞかれているような不安を感じたら、設定を見直すだけでも気持ちがスッと軽くなりますよ。
「便利さ」と「安心」、どちらも手に入れるために、スマホとの“ほどよい距離”を見直してみませんか?

この記事を書いた人

NordVPN 最高技術責任者(CTO)
マリユス・ブリエディス

マリユス・ブリエディス

デジタルセキュリティとプライバシーの分野で世界的に活躍する技術者。現在はNordVPNの最高技術責任者(CTO)として、革新的なVPN技術の開発と普及に尽力。代表的なプロジェクトである「NordLynx」は、業界で最速かつ革新的なVPN技術として高い評価を得ている。過去にはウェブ開発やプログラミングの実務経験も豊富で、現在は複数の開発チームを率いながら、企業の成長を技術面から支えている。講演やメディア出演も多く、世界中でサイバーセキュリティの大切さを伝えている。

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