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10秒で計算してみて!「7121÷9」→暗算できる?

  • 2025.12.15
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今回は、9で割る割り算を簡単にする方法を紹介します。

この方法は、インド式計算法の一種として知られています。

この方法を身に付ければ、暗算でもかなり楽に答えを算出できますよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。答えは整数で求め、余りが出る場合は余りも答えましょう。
7121÷9

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「791余り2」です。

なかなか複雑な答えですが、どうやったら10秒以内に計算ができるのでしょうか。

次の「ポイント」では、暗算方法を詳しく紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

ポイント

9で割る割り算を簡単にするポイントは、「割られる数の各桁を順に足していくこと」です。

これは、次のような手順で行います。

<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,c,dは0以上9以下の整数)

以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。

手順1:答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3:答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4:余り=a+b+c+d

※手順1〜3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。

では、さっそくこの暗算方法を今回の式で試してみましょう。

<7121÷9の暗算方法>

1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=7
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=7+1=8
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=7+1+2=10
※10以上になったので、十の位に1繰り上げる(10の位は8から9になる)→この時点での答えは790
4.余り=7+1+2+1=11
※11=9×1+2なので、9が1個あるので一の位を繰り上げ(790+1=791)、2を余りにする

答え:791余り2

簡単な足し算を繰り返すことで、割り算の答えが求められましたね。

今回の問題は途中で繰上りがある分少し複雑ですが、慣れてくればかなり早く答えが出せるようになりますよ。

この暗算方法が成り立つ理由

最後に、この暗算方法が成り立つ理由を考えてみましょう。

まず、先の説明同様、割られる四桁の数は1000a+100b+10c+dとします。a、b、c、dは各桁の数です。

これを9×〇+△の形に変換していきます(〇が割り算の答え、△が余りになります)。

1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)

※文字式なので×(掛ける)記号を省略しています。

9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}を9で割った答えは、{100a+10(a+b)+(a+b+c)}になります。

100aは答えの百の位、10(a+b)は答えの十の位、(a+b+c)は答えの一の位を表しているので、それぞれの位が割られる数の各桁を順に足した数になっていることが分かりますね。

また余りは(a+b+c+d)の部分ですが、これも割られる数の各桁を足した形になっています。

繰り上げについて

では、繰り上げがある場合はどうでしょうか。

割り算の答えとなる「100a+10(a+b)+(a+b+c)」の「a」や「a+b」、「a+b+c」は答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こるのは当然です。

また、余りとなるパートの「a+b+c+d」が9以上だった場合、「a+b+c+d=9×e+f(e≧1、0≦f<9)」とすると次のように変形ができます(e,fは整数、fはa+b+c+dを9で割った余りを表しています)。

9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+9×e+f(e≧1、0≦f<9)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c+e)}+f

9×e+fは9×eが9の倍数部分になるので、答えの中に組み入れる必要があるのですね。

暗算の手順4で余りが9以上になったときの繰り上がりも、これで説明ができます。

まとめ

今回は、9で割る割り算の暗算方法を紹介しました。

9で割る割り算の答えと余りは、各桁の数を順に足していくことで求められます。

なお、余りが0の場合は、割られる数が9で割り切れるということです。このことから、「割られる数のすべての桁の数を足した答え(余り)が9の倍数になっているときは、その数は9で割り切れる」とも言えます(例:1233の場合は各桁を足すと1+2+3+3=9→9以上の部分を繰り上げると余りは0になる→9で割り切れる)。

この暗算方法を活用して、9で割る問題を効率的に計算してみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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