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工夫して10秒で計算してみて!「720÷12÷6」→暗算できる?

  • 2025.7.28
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今回チャレンジしてもらうのは、三桁の数を二回割る割り算の問題です。

計算するのにちょっと時間がかかりそうに見えますが、「ある工夫」をすれば、すぐに答えがでますよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
720÷12÷6

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「10」です。

最初から三桁÷二桁の計算が登場するので、答えを出すのに10秒では足りないように見えるかもしれません。

しかし、次の「ポイント」で紹介する工夫を使えば、計算はとても簡単になりますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「二回の割り算を一回にまとめること」ことです。

12と6という二つの割る数を掛けて72を求め、この72で720を割ると...一回の割り算で答えを出すことができるのです。

720÷12÷6
=720÷(12×6)
=720÷72
=10

このように計算すると、割り算を二回から一回にできます。

さらに今回の問題では、割る数が72になることにも注目してください。「720÷72」であれば、答えは10だとすぐに分かるでしょう。

割られる数が二つの割る数の積(掛け算の答え)の何倍かすぐ分かるような場合には、この工夫が非常に有効です。

二つの割る数は掛け算してもいいの?

最後に、12と6でそれぞれ割る場合と、「12×6」で割る場合の計算結果が同じになる理由を考えてみましょう。

まずは、「720÷12÷6」を左から順に計算した場合の計算結果を確認してみます。

720÷12÷6
=60÷6
=10

確かに答えは同じになりますね。

この理由は、問題を「分数の割り算」として考えてみると分かります。

整数を分母1の分数として計算した過程がこちらです。

720÷12÷6
=720/1÷12/1÷6/1
=720/1×1/12×1/6...(1)
=(720×1×1)/(1×12×6)...(2)
=720/(12×6)...(3)

分数の割り算では、割る数の逆数(分子と分母を逆にしたもの)を掛けます(1)。また、分数の掛け算では、分子と分母をそれぞれ掛け合わせます(2)。

この過程で、「12×6」という割る数どうしの掛け算が出てきました(3)

最後に分数の計算を整数の計算に直すと、「720÷(12×6)」の式が導けます。

720/(12×6)
=720/1×1/(12×6)
=720/1÷(12×6)/1  ←割り算に戻す
=720÷(12×6)

まとめ

今回の問題では、二つの割り算を一つの割り算にして計算する工夫を紹介しました。

二つの割る数を掛け合わせた数で割ると、割り算の計算過程は一回になりますが、答えは元の式と変わりません。計算過程を減らすことで、計算時間を短縮できます。

また、一見難しそうに見える割り算でも、この工夫をすることで計算自体が簡単になることがあります。今回は「720÷72」という計算が楽な式に変換できましたね。

しかし、この工夫がいつでも計算を効率化してくれるわけではありません。例えば、「252÷2÷7」という式の場合、「252÷(2×7)」よりも、「252÷2÷7」の割り算を一つずつこなしたほうが、楽に計算できるかもしれません。

万能な計算の工夫というものは、なかなかないものです。式によってどの工夫を使うべきか、考えることが大事ですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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