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どうやって計算するか覚えてる?「−(−3)^3」→正しく計算できる?

  • 2025.7.18
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今回挑戦するのは、負の数の累乗問題です。

累乗とは同じ数を何個か掛け合わせる計算のことです。この累乗、負の数が関係すると計算が少しややこしくなるので要注意なのですが…。

さて、今回の問題、あなたは正しく計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしなさい。
−(−3)^3

解答

正解は、「27」です。

式の中に二つもあったマイナス記号が消えて、答えは正の数になりましたね。

どうしてこうなるのかについては、次の「ポイント」で詳しく解説していますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「負の数の計算ルール」です。

まず、この式に登場する「^3」とは何か確認しておきましょう。

「^」は指数に付く記号です。指数とは、累乗(同じ数を何個か掛け合わせる計算)で「何個掛け合わせるか」を表した数字です。

※本来指数は掛け合わせる数の右上に小さく書きます。ただし、上付き文字が使えないテキストでは「^」を使って指数を表すことがあります。このテキストでも、指数は「^」を使って表しています。

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例えば、「2^3」は2を3個掛け合わせる式です。

2^3
=2×2×2
=8

こうやって見ると、累乗の計算は掛け算と同じように計算できることが分かるでしょう。

さて、今回の問題を改めて見てみます。

−(−3)^3

式最初の「−」が気になるかもしれませんが、まずは累乗から計算を始めてください。

ここで、「^3」の指数は負の数「−3」を囲う( )の外についていることに注目しましょう。これは( )の中の「−3」を3個掛け合わせるという意味です。

−(−3)^3
=−{(−3)×(−3)×(−3)}  ←※累乗から先に計算するため{ }を付けています

ここで負の数の掛け算のルールを思い出しましょう。

負の数の掛け算の答えは、次のルールによって正負が決まります。

<答えの符号の決め方(掛け算編)>
1.同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1
2.異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1

このルールに従って、(−3)×(−3)×(−3)を計算します。

−{(−3)×(−3)×(−3)}
=−{9×(−3)}
=−(−27)

最初の「(−3)×(−3)」の答えは同符号どうしの掛け算になるから、答えは正の数「9」。次の「9×(−3)」は異符号どうしの掛け算になるので、答えは負の数「−27」です。

残りの「−(−27)」は「0−(−27)」、つまり「負の数27を引く」計算とも考えることができます。負の数の引き算は、以下のように正の数の足し算に変換してみましょう。

<負の数の引き算>
−(−●)=+●
※●は正の数

「買い物で●円払ったあと(−●)、商品を返金したら●円戻ってきた(−(−●)=+●)」というイメージを持つと覚えやすいですよ。

では、最後の計算をしてみましょう。

−(−27)
=+27
=27

これで正解にたどり着きましたね。

まとめ

今回の累乗問題、正しく計算できたでしょうか。

累乗はあまり日常では登場しない式なので、計算の仕方を忘れていたという人もいるでしょう。そこに−記号が複数存在すると、とてもややこしく見えてしまいます。

しかし、負の数の計算ルールに沿って冷静に計算していけば、きちんと答えにたどり着くことができますよ。

今回のポイントになった負の数の計算ルールは次の二つです。

負の数の掛け算の答え:同符号どうしなら正の数、異符号どうしなら負の数
負の数の引き算:正の数の足し算になる

「(負の数)^●」の形であれば、負の数を丸ごと●個掛け合わせるという決まりも、忘れないでくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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