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工夫して10秒で計算してみて!「74×19」→暗算できる?

  • 2025.7.10
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一桁どうしの掛け算なら、九九を使えば簡単に答えが出ます。

では、二桁どうしの掛け算はどうでしょうか。

学校のテストでは筆算を使って計算していたかもしれませんが、工夫次第では紙も鉛筆もなしに暗算できるかもしれませんよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
74×19

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「1406」です。

今回の問題は、頭の中で筆算をするにしてもなかなか難しく、加えて制限時間も短くなっています。

しかし、次の「ポイント」で紹介する工夫を使えば、比較的簡単に答えを出せますよ。

ポイント

この問題のポイントは、「×19を×20にして計算すること」です。

74×19
→74×20

「74×20」は、「74×2=148」を10倍して「0」を付けるだけで答えが出ます。

74×20
=1480

上の通り、「二桁×二桁」の計算とはいえ、実際の計算量は「二桁×一桁」と変わりません。

ただし、「74×19」と「74×20」は同じ式ではありませんから、当然答えは違ってきます

では、どれぐらい違うのかを考えてみましょう。

「74×19」は74円の商品を19個買ったときの合計金額を求める式といえます。一方の「74×20」はというと、74円の商品を20個買ったときの合計金額を求める式ですね。こう考えると「74×19」の答えは、「74×20」よりも商品1個分、つまり74円分少ないと分かります。

つまり「74×20」の式から74を引けば、「74×19」の答えと一致するのです。

この考え方を式で表すと、次のようになります。

74×19
=74×20−74  ←元の式とイコール関係にするために74を引く
=1480−74
=1406

このようにすれば、「74×19」は簡単な計算の組み合わせで答えを求めることができます。

なお、この式の変形は次のように分配法則を使って説明することもできますよ。

<分配法則(括弧の中が引き算のバージョン)>
〇×(▲−■)=〇×▲−〇×■

74×19
=74×(20−1)  ←19を「20−1」で表す
=74×20−74×1  ←分配法則
=1480−74
=1406

まとめ

今回の問題のカギとなるのは、「×19」の部分です。

19は切りが悪いですが、20にとても近い数です。こんなときは、19を20に変えられないか考えてみましょう

もちろん19と20は違う数字ですから、答えが変わらないように若干の調整は必要です。この問題では「74×20」から74を引いて、もとの式の答えと一致するようにしましたね。

今回の問題のように「切りのよい数に近い数」の掛け算では、まずは切りのよい数を使った掛け算に変形してみてください。

工夫の仕方が分かったら、ぜひ他の掛け算問題にも挑戦してみましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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