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出入り口が『2つある部屋』の場合、どこが上座?意外と知らないかも…

  • 2025.7.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

会社の会議室や応接室、あるいはお店の個室などで、出入り口が2つある部屋をよく見かけますよね。そんなときに「上座はどっちになるの?」と疑問が湧きませんか?おもてなしの場面で席次を間違えると、失礼にあたってしまうことも。

この記事では、出入り口が2つある部屋での上座の位置について、どんな考え方をしたらいいのか解説します。

上座の基本と気をつけたいポイント

一般的に、上座とは主賓や目上の人が座る最も良い席のこと。日本では席次マナーが重視され、ビジネスシーンや正式な場では特に注意が必要です。通常、部屋に1つの出入り口がある場合は、出入口から遠い場所や、部屋の中で最も奥まった部分が上座とされることが多いです。なぜなら、上座は人の出入りの邪魔になりにくく、落ち着いて席につけるからです。

ところが、出入り口が2つある部屋の場合はこの判断が難しくなります。どちらの出入り口からも離れた場所が上座になるのか?それとも利用する入り口の違いで変わるのか?ここに迷う人が多いのです。また、部屋のレイアウトや窓の位置、入口の主な使用頻度にも左右されます。さらに建物の構造や用途によってもマナーが変わることもあり、単純に「遠い席が上座」と言い切れないケースもあります

具体例でわかる!上座の決め方とは?

出入り口が2つある部屋での上座は、まずどちらの出入り口が主に使われるかを確認することが大切です。もし1つは従業員などが出入りする扉で、もう1つがゲスト用の出入り口なら、ゲスト用の入口から最も遠い席が上座になります。この場合、ゲストが出入りしやすく、ほかの人の動線に邪魔されない場所が優先されます。

一方、両方の出入り口が等しく使われる場合は、部屋の間取りや方向、窓の有無、外の景色の良さなどを基準に席を決めることが多いです。例えば、自然光が良く入り、落ち着いた景色が見える席が好ましいとされ、その席が上座と認識されることも。

また、防災上の配慮から、扉の近くに席を設けることが求められる場合もあり、そうした事情を考慮しつつ、柔軟に対応するのが現代のマナーです。結果として、出入り口が2つある部屋の上座は固定的ではなく、状況や参加者の顔ぶれによっても変わるケースがあると覚えておくのが賢明です。

出入り口が2つの場合の上座は…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

上座がどこかを正確に判断するためには、部屋の状態や使用目的、来客の立場を加味することが重要です。たとえば、ビジネスの接待なら主賓が出入り口から見て遠く、落ち着いた場所が理想的。カジュアルな会合や打ち合わせなら、必ずしも遠い席が上座とは限らず、参加者全員が入りやすい動線やコミュニケーションのしやすさを優先しても構いません。

また、席の決め方については事前に相談したり、席札を用意するなどの配慮も効果的です。こうした小さな気遣いが信頼と礼儀を築くカギとなります。何よりマナーの根底には「相手を尊重し、快適な空間を作る」という気持ちがあることを忘れずに、状況に応じて臨機応変に対応しましょう。

出入り口が2つある部屋の上座の位置は、一義的に決まっているわけではありませんが、「どの席が主賓にとって最も落ち着き、出入りの邪魔にならないか」を考えることが基本。それを踏まえて臨機応変に決めるとよいでしょう。


監修者:栗栖 佳子(株式会社 宙 代表取締役・ビジネスコーチ)

大学卒業後、人材サービス会社パソナで法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。2009年ビジネスコーチとして、株式会社 宙(sora)を設立。
【コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!】をモットーに、コーチング、アンガーマネジメント、「1on1」マネジメント等、レゴブロックやインプロなど多彩なワークショップを取り入れながら社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動を年間120回以上行っている。また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、リカレント研修、女性活躍推進アドバイザーとしてお互いの価値観にとらわれず、同感しなくても共感し合える組織作りを目指して活動中。

著書:才能を伸ばす人が使っているコミュニケーション 増補改訂版 ペンコム出版社

保有資格:
・アンガーマネジメントファシリテーター
・アンガーマネジメントアドバイザー
・LEGO(R)SERIOUSPLAY(R)メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ