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医師「救急搬送されるケースも」→実は子どもがなりやすい『睡眠時の熱中症』…変えるべき“NGな睡眠習慣”とは?

  • 2025.7.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

夜、子供がぐっすり眠っている姿に癒やされることも多いはず。でも実は、寝ている間も熱中症のリスクがあるって知っていましたか?特に子供は体温調節が大人より未熟で、熱がこもりやすい体質です。寝苦しさを感じていても、本人が言わなければ気づきにくい睡眠中の熱中症。

今回は「睡眠時の熱中症」の原因や、避けてほしい眠りの習慣について、分かりやすく解説します。

子供の睡眠時熱中症 どうして起きる?

熱中症は外で遊んでいる時だけでなく、暑い室内や寝ている間にも起こり得ます。特に子供は体温調節機能が未発達で、汗をかいても上手に体温を下げられません。

大人にとっては暑くないと感じていても、子どもは寝ている間に大量の汗をかいています。子どもは自分で暑いと感じても我慢したり、寝ているので訴えられなかったりすることも。親が普段の睡眠環境の管理をしっかり行わなければ、気づいた時には熱中症の症状が重くなっていることもあります。

症状は顔のほてりや頭痛や吐き気、ぐったりして目がうつろになるなど、軽度のものから重度のものまでさまざま。寝汗をかきすぎて脱水気味になることも多く、時には救急搬送されるケースもあります。睡眠中の熱中症に気をつけたい理由はここにあります。

避けるべき睡眠習慣と対策ポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どんな睡眠習慣が睡眠時の熱中症を招くのでしょうか。特に避けたいのは、寝る前に熱すぎる環境で体を休めることや、厚着をして寝ることです。重い掛け布団や素材の蒸れやすいパジャマもNG。また、空調を全く使わないままにしておくのも危険です。

具体的には、次のような対策が効果的です。

  • 適切な室温の管理:室温は25~28度前後、湿度は50〜60%が理想。エアコンや扇風機を利用し、空気をうまく循環させましょう。一緒に過ごす大人が心地よいと感じるくらいを目安にするとよいでしょう。
  • 通気性の良い寝具と薄手のパジャマ:綿やリネンなど汗をよく吸う素材を選び、厚すぎる布団やパジャマは控えましょう。また、汗をかいていたら着替えましょう。
  • 水分補給:寝る前にコップ1杯の水を飲ませるなど、軽い水分補給も大切です。ただし冷たすぎる水は避けてください。

また、子供が寝苦しそうにしている時は無理に布団をかけず、様子を見ながら必要に応じて寝具を調整することをおすすめします。熱中症は予防が大切。そして気になる症状があれば早めに医療機関に相談することが安心につながります。

今日から睡眠時の熱中症対策を

寝ている間の熱中症は意外と見落とされがちですが、子供の健康に大きな影響を及ぼします。暑い夏を快適に過ごすには、室温と湿度、寝具の選び方、水分補給に気を配ることがカギです。寝苦しそうにしている子供には無理をさせず、適宜環境を整えてあげましょう。

正しい知識を持って、睡眠時の熱中症を防ぎましょう。


監修者:ことびあクリニック恵比寿院 金井 幸代(かない さちよ)

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医師(日本小児科学会 小児科専門医 / 医学博士)

徳島大学医学部を卒業後、国立がん研究センター研究所や国立国際医療研究センター病院などで研鑽を積み、NICU・小児病棟で重症児の治療に携わってまいりました。地域では感染症や喘息、アレルギー、予防接種など幅広い診療経験を重ねています。小児科専門医・医学博士として、そして母としての視点も活かし、子どもたちの健やかな成長とご家族の安心を支える医療を大切にしています。

ことびあクリニック恵比寿