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医師「絶対に避けてください」→実は『胃腸炎』を悪化させかねない…知られざる“3つのNG飲み物”とは?【医師が解説】

  • 2025.7.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

胃腸炎にかかると、食欲もなくなり体力も落ちてしまいますよね。そんな時に「水分補給は大切」と聞くと、つい手軽にある飲み物を飲みたくなりますが、実は胃腸炎の時には避けるべき飲み物があるんです。

医師も「これは飲まないで!」と強く注意する、症状を悪化させかねないNGな飲み物を今回は3つご紹介します。正しい水分摂取でつらい症状を和らげ、早く元気になりましょう。

胃腸炎の時に気をつけたい!水分補給の盲点とは?

胃腸炎はウイルスや細菌によって胃や腸の粘膜が炎症を起こし、吐き気や下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。

症状の悪化を防ぎながら水分をしっかり補給することが回復への第一歩ですが、実は飲むものによっては症状を悪化させてしまうこともあります。

普通の風邪の時とは違い、胃腸の粘膜が炎症を起こしているため、刺激の強い飲み物や糖分やカフェインが多いものは胃や腸を余計に刺激してしまいます

また、嘔吐や下痢で脱水症状が起きやすいため、水分以外に電解質も補える飲み物が望ましいと言われています。

ここで重要なのは、飲み物選びを間違えると胃腸への負担が増し、回復を遅らせてしまうということ。医師がNGとする飲み物にはどんなものがあるのか、しっかり理解しておきましょう。

飲まないで!胃腸炎時に避けるべき3つの飲み物

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ここからは、医師が「飲まないほうがいい」と注意喚起する胃腸炎の時にNGな飲み物をご紹介します。

1、カフェイン入りの飲み物(紅茶、緑茶など)

カフェインには利尿作用があり、体の水分を外に出してしまうことがあります。胃腸炎で脱水気味の体には負担が大きく、脱水症状をさらに悪化させる恐れがあるのです。また、カフェインは胃酸の分泌を促進するため、炎症で弱った胃を刺激し、吐き気や腹痛を強めることもよくあります。水分補給をするなら、カフェインレスのものを選ぶのが無難ですが、胃腸炎のときにはなるべく避けましょう。

2、 炭酸飲料

炭酸飲料はシュワシュワとした刺激が楽しいですが、胃腸の粘膜に刺激を与えやすく、膨満感や胃の不快感を増す原因になります。加えて多くの炭酸飲料は糖分が多く含まれているため、腸内での水分吸収を妨げて下痢の症状を悪化させる可能性もあります。胃腸炎でお腹が弱っている時に炭酸の刺激を与えるのは控えましょう。

3、アルコール類

飲酒は肝臓だけでなく胃腸の粘膜にもダメージを与えるため、胃腸炎の時には厳禁です。アルコールは胃の炎症を悪化させるだけでなく脱水を促進し、体力の回復を遅らせてしまいます。さらに、アルコール自体が刺激物のため嘔吐や下痢の症状を悪化させるリスクも大きいので、完全に避けることが必要です。

以上の3つは胃腸炎の時に絶対に避けたい飲み物。では、胃腸炎の症状を和らげながら適切に水分補給できる飲み物は何でしょうか?それについては次の段落で触れていきます。

胃腸炎の回復を助ける水分補給のポイント

胃腸炎の時には薄めた経口補水液が一番おすすめです。これは水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)がバランスよく配合されており、脱水症状の改善に最適と医学的にも認められています。市販のものを使う場合は、説明書通りの薄め方で飲むことが重要です。

経口補水液が手に入らない場合は、薄めたスポーツドリンクも代替になりますが、糖分が多いので注意が必要です。白湯やぬるめの麦茶も胃腸に優しく、飲みやすい水分補給としておすすめです。ただし、カフェインが含まれていないものを選びましょう。

また、胃腸炎の症状がひどくて嘔吐が続く場合は、一気に飲まずに少量ずつ、こまめに飲むのが回復を促すポイントです。無理に大量に飲むとまた嘔吐してしまう恐れがあるので、体の様子を見ながらゆっくり進めましょう。

つらい胃腸炎を乗り切ろう

胃腸炎の時は、体力が落ちているうえに胃も腸も敏感になっている状態。だからこそ、水分補給は欠かせませんが、何を飲むかで体の反応が大きく変わってしまいます。カフェイン飲料や炭酸飲料、そしてアルコールは胃腸炎の症状を悪化させ、回復を遠ざける恐れがあるため、絶対に避けてください

正しい選択をすることで、つらい胃腸炎の症状を和らげ、体をしっかり休めることができます。医師も推奨する経口補水液や無理のない水分摂取で、早期の回復を目指しましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。