医師「飲み過ぎに注意して」　『便秘』になってしまったら→腸内環境を悪化させる『NGな飲み物』とは？

2025.7.28

「便秘のときにどんな飲み物を選べばいいかわからない…」そんな悩みはありませんか？便秘はお腹の不快感だけでなく、日常生活の質にも影響を与える厄介な問題です。実は、便秘の改善や悪化に大きく関わるのは食べものだけでなく、飲み物も重要なポイント。医師も「なるべく避けてほしい」と指摘する『NGな飲み物』があることをご存知でしょうか？

今回は便秘の時に飲まない方がいい飲み物について詳しく解説します。

便秘改善に逆効果？飲み物選びの落とし穴

便秘解消のために水分補給が大事だとよく言われますね。確かに、十分な水分摂取は便をやわらかくし、腸の動きをスムーズにしてくれます。しかし、すべての飲み物が便秘に優しいわけではありません。中には腸の動きを鈍らせたり、体内の水分を奪ったりして便秘を悪化させてしまうものもあります。

たとえば、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶は一見して利尿効果で水分が出てしまいがちですが、適量なら腸を刺激して便通を促すことも。しかし過剰摂取になると逆効果。また、甘い清涼飲料水やジュースは腸内環境を乱す可能性があるため要注意です。

一方で、アルコールは特に注意が必要な飲み物の1つ。アルコールには強い利尿作用があり、体から必要な水分を奪うため、便を硬くしてしまいます。便秘のときはアルコールを控えた方がよいというのは多くの専門家が指摘しているポイントです。

便秘時には、カフェインやアルコールなど利尿作用が強い飲み物は飲みすぎに注意しましょう。

詳しく知りたい！便秘時に避けるべき代表的な飲み物

ここからは便秘のときになるべく避けたほうが良い具体的な飲み物をチェックしていきましょう。まず、最もNGと言われるのがアルコール類（ビール・日本酒・ウイスキーなど）です。アルコールは腸管の水分吸収を促してしまい、便の水分量が減少。その結果、便が硬くなって排出しづらくなるのです。また、アルコール自体が腸の働きを鈍くするため、慢性的な便秘のリスクも高めます。

次に注意が必要なのが甘い清涼飲料水や炭酸飲料。これらの飲み物には果糖や人工甘味料が多く含まれていますが、これらは腸内の善玉菌のバランスを崩す可能性があります。腸内環境の悪化は便秘を引き起こす要因のひとつ。加えて、炭酸飲料の過剰摂取はお腹のガスが増えて不快感を招くこともあります。

さらに、過度なカフェイン摂取も望ましくありません。カフェインは適量なら腸の蠕動運動を促すこともありますが、多量に飲むと体内から水分が排出されすぎてしまい便秘を招く恐れがあります。特にインスタントコーヒーや濃いブラックコーヒーを頻繁に摂る場合は気をつけましょう。

理想の飲み物とは？便秘にやさしい水分補給のコツ

では、便秘のときにおすすめの飲み物は何でしょうか？まずは基本中の基本である「水」です。1日に1.5～2リットルを目安にこまめに水分補給すると、便の水分量を増やして排泄しやすくします。さらに、腸の働きをサポートするためには、常温または温かい水やお湯がおすすめです。冷たい飲み物は体を冷やして腸の動きを鈍らせることがあるため避けたほうが無難です。

また、ノンカフェインのハーブティーや麦茶も便秘対策に向いています。特にカモミールやフェンネルなどは腸の働きを助けるハーブとして知られていますが、過剰な摂取に気をつけつつほどほどに楽しみましょう。

さらに、食物繊維豊富な食事とともに、適度な運動を心がけることで腸の蠕動運動を促進し、飲み物の効果もいっそう期待できます。

便秘時の飲み物選びは慎重に！体にやさしい水分補給を

便秘は多くの人が経験する悩みですが、解消のヒントは意外と身近なところにあります。飲み物の選び方もそのひとつで、アルコールや甘い清涼飲料水、カフェインの過剰摂取は腸に負担をかけるため、「なるべく避けて」と医師がすすめる理由がよくわかります。逆に、十分な水分を温かい飲み物で補うこと、ノンカフェインのハーブティーを適度に楽しむことは便秘の改善に役立つでしょう。

便秘解消は一朝一夕でできるものではありませんが、飲み物ひとつに気をつけるだけでもお腹の調子が変わってきます。毎日のちょっとした習慣が大切なので、ぜひ今日から意識してみてくださいね。

監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。