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歯科医師「やらないで」 やりがちなスマホやテレビを見ながらの『歯磨き』→医師が教える“NGなワケ”とは?

  • 2025.7.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

今や生活に欠かせないスマホやテレビ。寝る前のリラックスタイムに、ついつい画面を見ながら歯を磨く人も多いのではないでしょうか?「ながら歯磨き」は効率的に感じますが、実は歯科医師から「やらないほうがいい」と注意されています。

なぜこの習慣がNGなのか、日常の何気ない行動がどのように歯の健康に影響するのか、今回は詳しく掘り下げてみましょう。

スマホやテレビに夢中で『磨いたつもり』に

歯磨きの目的はプラーク(歯垢)や食べかすをしっかり取り除くこと。ですが、スマホやテレビに気を取られていると、磨く時間が長いのにや磨き残しが増え、効果が半減してしまいます。集中しないと、同じ場所だけを磨いたり、強くこすりすぎて歯や歯茎を傷つけることもあるのです。

特にスマホを手に持ったままの歯磨きは、片手しか使えずブラッシングが不十分になるリスクが高まります。さらに、テレビの音や画面に気を取られ、磨き残しや必要なブラッシング圧の調整ができず、歯茎を傷つけてしまったり磨き残しがあり虫歯の原因となるケースも。磨いたつもりになっているが、実は意外と汚れが落としきれていないということもあります。

歯ブラシのポイントは…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では実際にどうやって磨けばよいのか、コツを具体的にご紹介しましょう。

まず、歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当て、小刻みに優しく動かします。これにより歯ぐきの溝に溜まった汚れもしっかり落とせます。また、歯ブラシは硬すぎず柔らかすぎない「ふつう」か「やわらかめ」がベター。硬すぎると歯や歯ぐきを傷める可能性があります。加えて、フロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間のプラークもしっかり除去可能です。歯磨き粉はフッ素配合のものを使うことで、虫歯予防効果が高まります。さらに、磨き終わった後はうがいを強くしすぎるのは避けてください。フッ素の効果を保つために、軽く吐き出す程度が良いとされています。

こうしたケアを続けることで、虫歯・歯周病の予防だけでなく、口臭や歯の黄ばみ軽減にもつながります。また、しっかり鏡を見ながら1本ずつ歯を磨くのが本来のやり方です。

毎日の習慣を見直そう!

スマホやテレビの誘惑に負けず、歯磨きに集中する習慣づくりが健康な歯を守る第一歩。鏡を見ながら丁寧に磨いたり、好きな曲を流しながら磨く方法に徐々に切り替えていきましょう。

日頃から歯の健康を意識して、『ながら歯磨き』をしっかり見直していきましょう。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

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昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。