1. トップ
  2. 医師「細菌が繁殖する原因に」…『食中毒』は冷蔵庫の使い方が分かれ道?!→家庭でできる“5つの予防策”とは

医師「細菌が繁殖する原因に」…『食中毒』は冷蔵庫の使い方が分かれ道?!→家庭でできる“5つの予防策”とは

  • 2025.7.22
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

暑い季節になると、話題になることが増える「食中毒」。知らず知らずのうちに私たちの身近に潜み、健康に大きな影響を及ぼすこともあります。実は家庭でのちょっとした対策や予防法で、そのリスクは大きく変わってくるんです。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が『食中毒や胃腸炎の正しい予防法と治し方』を紹介しています。

食中毒で注意したいポイントは…

食中毒はどの季節にも起こり得る問題ですが、それぞれの原因によって発生しやすい時期が異なるとのこと。

まず、夏に発生しやすい細菌による食中毒。代表的なものとしてはサルモネラ、カンピロバクター、そして腸炎ビブリオが挙げられます。暖かい季節は特に細菌が繁殖しやすく、食材が痛みやすいので食中毒のリスクが高まります。特に生肉や生魚また加熱が不十分な食品に注意が必要です。

一方冬に流行しやすいのは、ウイルスによる食中毒。特にノロウイルスやロタウイルスが有名です。これらのウイルスは非常に感染力が強く少量のウイルスでも感染しやすくなります。

ノロウイルスは食品を通じて感染することが有名ですが、手や食器を介して感染することもあります。ウイルスは食材を加熱して死滅するので 食事を加熱して食べることが重要です。これらを予防するためには、手洗いはもちろん、調理器具や食器をしっかり洗うことも大切。感染してしまった時は食器や手洗い用のタオルなどを他の人と共有しないことも忘れずに

どちらも予防策は衛生管理!

食中毒の胃腸炎も、基本的な予防策は共通しています。まず食材の保存方法や衛生管理をしっかり行い、発症した場合には早期に対応することが大切です。

  • 食事前や調理前後、トイレの後には必ず手を洗う
  • 生肉や生魚は必ず冷蔵庫で保存しなるべく生のままで食べないようにする
  • 冷蔵庫の温度は4度以下冷凍庫は-18度以下を保つ
  • 食材を調理した後は調理器具や食器の洗浄を忘れない
  • 冷凍した食材を解凍する際には冷蔵庫でゆっくり解凍する

冷蔵庫や冷凍庫の温度が適切でないと、特に生肉や魚などの食品が痛みやすくなって食中毒のリスクが高まります。冷凍庫の温度が適切でないと、保存した食品が完全に冷凍されていない場合があって それが原因で食中毒が発生することも。また、食材が多すぎる場合も冷気が循環しづらくなって、適切な温度管理ができなくなってしまいます。冷蔵庫の中に物を詰めすぎないようにしつつ、定期的に温度をチェックするように心がけましょう。

また、冷凍した食材を常温で解凍すると、再び細菌が繁殖する原因に。解凍する際は冷蔵庫内で行うか電子レンジや冷蔵庫についている急速解凍を利用しましょう。

食中毒にかかってしまったら…無理に食べなくても大丈夫

食中毒にかかっ てしまったら無理に食べ物を食べる必要はありません。特に下痢や嘔吐が続く場合には、消化機能がかなり弱っているため、無理に食べると胃腸に余計な負担になってしまい、症状が長引く原因になることも。

消化の良いものを少量ずつ取っていくことが有効ですが、優先すべきは食事ではなく「水分」。 嘔吐や下痢が続くと体から水分がどんどん失われていって脱水症状を引き起こします。脱水症状はとっても危険なのでこまめに水分補給をすることが大切です。できれば経口補水液やスポーツドリンクを積極的に摂取することがおすすめ。水分と一緒に失われた塩分やミネラルも補給できるので、脱水症状を防いでくれます。

ただ、飲む量は少しずつにしましょう。一度に大量に飲むと胃に負担をかけてしまう可能性があるので、少量ずつ頻繁に飲むことを心がけてください。

まとめ

食中毒を予防するためには、とにかく衛生管理が最も重要です。紹介したポイントを参考にこれからの時期は特に予防を徹底しましょう。また、 万が一食中毒になった際には 水分補給を最優先し、無理に食べず体調を整えることが回復への近道です。

みなさんも動画を参考にしながら、今日からできる予防策を実践してみてくださいね。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【医師解説】食中毒や胃腸炎の正しい予防と治し方をわかりやすく紹介


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

undefined

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。