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管理栄養士「今日からやめて」 『鶏肉』を洗わないで…"NGな理由"と正しいやり方とは?

  • 2025.7.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

スーパーや市場で買ってきた鶏肉、調理前に「洗いたくなる」気持ち、とてもわかりますよね。キレイにしたい、菌を落としたいと思うのは当たり前。しかし、良かれと思っていたことが逆効果になる可能性も…

今日は管理栄養士の視点をもとに、「鶏肉を洗わない方がいい理由」と「安全に扱う正しい処理方法」を分かりやすくお伝えします。

買ってきた鶏肉を洗うのは逆効果?

鶏肉にはサルモネラ菌やカンピロバクター菌などの食中毒菌が付着していることがあります。だから「まず水で洗って菌を落としてから調理しよう!」と思いがち。でも実は、水を使って鶏肉を洗うと、こうした菌がキッチンのシンクや周りの調理器具に飛び散ってしまう飛沫(ひまつ)汚染が起こりやすくなります。結果、手や調理器具からほかの食材に菌が移るリスクが高まってしまうのです。

洗わなくても、しっかり中まで熱を通せば菌は死滅しますので、過剰な洗浄はむしろ危険というわけです。それに、水洗いすると肉表面の旨味成分がわずかに流れ出る可能性があり、風味を損ねることもあります。

正しい鶏肉の取り扱い方と下準備

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、鶏肉は洗わずにどうやって安全に取り扱えばいいのでしょうか。

調理前の下準備は、鶏肉を袋やパックから取り出す時に肉汁が漏れないように気をつけてください。キッチン用のまな板や包丁はできれば肉専用に分けるのがおすすめです。処理後は必ず手を洗い、まな板や包丁は熱湯や洗剤でしっかり消毒しましょう。

ポイントは「加熱」です。中心部の色が完全に変わるまで加熱しましょう。具体的には75℃以上で1分間以上の加熱が必要となります。湯気や焼き色だけで判断せず、調理用の温度計を使うと失敗が減りますよ。また、肉の表面に付いた菌は熱で死滅するので、洗わずそのまま調理しても安全です。

正しい知識を知って健康に

昔から「鶏肉は洗うもの」と教わっていたとしても、洗うことで起こる飛沫汚染が食中毒の原因になるケースが多いため、鶏肉は洗わずに扱うことが推奨されているのです。重要なのは洗うことよりも、調理前後の手洗いや器具の消毒、そしてしっかりした加熱です。これらのポイントを守れば、食中毒の心配をグッと減らしながら、鶏肉を存分に楽しめます。

今日からは鶏肉の流水洗浄はやめて、正しい衛生管理と加熱で、安心できる食卓を守っていきましょう。


監修者:西島 理衣(管理栄養士)
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としています。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いします。