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「定年退職後、夫とずっと一緒で正直不安…」陥りがちな定年後の“ストレス”との向き合い方を【心理士が解説】

  • 2025.6.26
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画像:Google Geminiにて作成(イメージ)

ずっと連れ添ってきた夫婦といっても、定年前と定年後では一緒に過ごす時間の長さが大きく変わってしまいます。

「定年後、夫とずっと一緒で正直不安」だと感じている方も多いのではないでしょうか。会話も続かないし、毎日食事の準備もしなくちゃいけないし、息が詰まるんじゃないかと思ってしまいがちですよね。

そんな定年後の“ストレス”と、どう向き合っていけばいいのでしょうか?夫がもうすぐ定年で一緒に過ごす時間がこれから長くなるとき、そして定年して一緒に過ごす時間が急に長くなってしまったときのストレスとの向き合い方を専門認定公認心理師が解説します。

役割をつくる

夫が定年を迎えると、それまでの生活スタイルが大きく変化します。外に働きに出て家族を養うという役割喪失が起こり、孤立感や無気力に襲われてしまう人も中にはいます。仕事一筋だった人ほど、そうなってしまいがちです。

そんな心にぽっかりと穴が空いた夫と、毎日家で顔を合わせなければなりません。一緒にいても楽しさを感じられず、どんよりとした雰囲気の中、家事負担ばかり増えるとなればストレスを感じても仕方がないですよね。想像するだけで不安を感じてしまうでしょう。

そういうときは、夫に役割をつくるといいかもしれません。外の世界に役割をつくることも大切ですし、家の中の役割もあるといいでしょう。役割がありお互いそれをまっとうすることで夫も生き生きとし、あなたのストレスや不安も軽減されるかもしれません。

あなたはあなた、わたしはわたし

あなたはあなた、わたしはわたしという線引きは大切です。心理的境界(バウンダリー)と言いますが、その境界が曖昧なままだと、夫があなたに依存してしまい、あなた自身がストレスを強めることになってしまいます。

あなた自身が無理なくできる範囲はどのラインなのかを見極めることは大切です。例えば「お昼ご飯は、自分で用意してね」など、負担になってしまいそうなことは最初から背負わないようにするといいでしょう。

また、あなた自身も家の中だけではなく外にも居場所を作ることで、少し心理的に距離を取ることができます。どんなに仲が良い夫婦であったとしても、べったりと一緒にいることは依存関係を作ってしまいやすく、しんどさを感じる原因となってしまいます。

まとめ

今まで程よい距離感を保ってきた夫婦が、夫の定年退職によって急に近い距離感となって戸惑ってしまうことはよくあることです。

役割喪失してしまった夫には、役割をつくってあげるといいでしょう。簡単なことでもお願いしてみる、やってくれたら感謝するというやりとりが、役割喪失によりぽっかりと空いてしまった心を、少しずつ満たしてくれます

また、心理的境界を見直し、お互いの程よい距離感を再構築できるようにしていくことも大切です。どちらかがストレスを強く感じる状態は、長続きしません。



ライター:aiirococco
専門認定公認心理師、臨床心理士。総合病院にて子どもからお年寄りまで幅広い年齢層を対象に、心理カウンセリングを担当しています。それぞれのライフステージでの悩みに、そっと寄り添える心理職を目指して日々勉強中です。