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「あの人がいるだけで仕事が憂鬱…」→実は、自分の心に原因が?距離の取り方を【公認心理士が解説】

  • 2025.6.29
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

会社の人間関係の悩みの中で、結構多いのが「職場の苦手な人」との関わり方の悩みではないでしょうか。

心理カウンセリングの中でも、こういった悩みは多く聞かれます。特に関わりが頻回でなくても、そこにいると思うだけでストレスに感じてしまったりする場合もあるでしょう。物理的に離れることができればいいですが、仕事となると、なかなかそうもいきません。

“あの人がいるだけでストレス”と感じてしまうような「職場の苦手な人」との心理的距離の取り方を、専門認定公認心理師が解説します。

苦手な人は自分の中の受け入れ難い部分の投影かも!?

“あの人がいるだけでストレス”と感じるような、嫌悪感にも似た強い苦手意識を持ってしまう場合、それはもしかしたら自分の中の受け入れ難い部分を、その人に投影してしまっているかもしれません。

例えば「仕事ができないのにチヤホヤされている」から苦手な人がいるとき、本当はあなた自身が「仕事ができない自分」を受け入れられないのかもしれません。だから、その嫌な部分を晒しているのに、チヤホヤされているその人が許せないし、苦手なのでしょう。

苦手な人の、どういう部分が苦手なのか考えてみると、自分の中に受け入れ難い自分に気づくことができるかもしれません。

ただ、他にも過去にいじめてきた相手など、あなたの心に傷を負わせた相手に似たところがあって苦手に感じる場合もあります。その場合は、自分ではなく、過去のその人を、今目の前にいる似た人に投影しているのかもしれません。

心理的距離の取り方

自分の投影で苦手に感じていると気づくことで、苦手意識が弱まる場合もあります。特に過去に心を傷つけられた相手を投影している場合、その違いに気づくたびに苦手意識は弱まっていくでしょう。

また、自分が受け入れ難く思っている部分を受け入れて「ありのままの自分でいい」と思えることで、苦手意識がなくなる場合もあります。肩の力がふっと抜け、相手のことも許せるようになるでしょう。

ただ、それでも苦手に感じてしまうときは、やはり心理的に距離を取ることが大切です。あなたの中に、しっかりと仕事上必要なコミュニケーションであるかどうかの線引きをするといいかもしれません。

苦手な相手であっても仕事を一緒にする以上、コミュニケーションを取らないわけにはいきません。でも、プライベートな部分までは踏み込まれる必要もないですし、あなたが踏み込む必要もありません。無理に仲良くしなくてもいいのです。そうすると、ドライな関わり方ができるようになり、自然と心理的距離が取れるようになるでしょう。

まとめ

誰かのことを、苦手だと感じるときは、相手のことをよく見てみるといいかもしれません。あなたがどうして苦手だと感じるのか、そこを知ることが苦手克服への第一歩になります。

苦手克服は難しそうだと思うときは、仕事上の関係であると割り切って、必要最低限のコミュニケーションを心がけましょう。そうすることで、心が揺さぶられることが減り、心理的に距離を取ることができます。



ライター:aiirococco
専門認定公認心理師、臨床心理士。総合病院にて子どもからお年寄りまで幅広い年齢層を対象に、心理カウンセリングを担当しています。それぞれのライフステージでの悩みに、そっと寄り添える心理職を目指して日々勉強中です。