1. トップ
  2. 「会社の人に気を遣いすぎて疲れる…」「いつも憂鬱…」→心をすり減らさない考え方を【心理士が解説】

「会社の人に気を遣いすぎて疲れる…」「いつも憂鬱…」→心をすり減らさない考え方を【心理士が解説】

  • 2025.6.22
undefined
出典:photoAC ※画像はイメージです

仕事をしている人は、昼間のほとんどの時間を会社で過ごします。家族と同じくらい、もしくはそれ以上の時間を一緒に過ごすのが会社の人たちではないでしょうか。

会社から帰ると、ぐったりして何もする気になれないと感じていませんか?もしかしたら、それは会社の人に気を遣いすぎて心をすり減らしてしまっているせいかもしれません。

どうして気を遣いすぎてしまうのか、どうすれば心をすり減らさずに関わることができるのか、その考え方を専門認定公認心理師が解説します。

自己執着的対人配慮の状態になってしまっている

会社の人に気を遣いすぎる、その行動の根底にあるのは他人に嫌われたくない、見捨てられたくないという不安かもしれません。不安を解消するために、相手に対して必要以上に気を遣ってしまう状態のことを自己執着的対人配慮と言います。

会社という場所が、あなたにとっては唯一の居場所だと感じており、そこを失うことを恐れてしまっているのかもしれません。だから会社の人の顔色を伺い、空気を読んで話を合わせ、頼まれたらなんでも引き受けて期待に応えようとしてしまうのではないでしょうか。

そうやって会社の人に気を遣うことは悪いことではありません。円満な関係を築く時に、ある程度は必要なことでしょう。でも、やりすぎてしまうと、あなたの心はどんどんすり減っていってしまいます。

バウンダリー(自我境界)を明確にする

会社の人に気を遣いすぎるときは、まずはしっかりと自分の気持ちに目を向けることが大切です。自分が気を遣いすぎていると気づけたことで、すでにあなたは一歩踏みだすことができています。

バウンダリーというのは、相手の気持ちや問題と、自分の気持ちや問題を分けて考える力のことです。そこが曖昧になると、「相手が不機嫌=機嫌を悪くさせてしまったかもしれない」と感じ、余計に気を遣ってしまいます。

仕事が忙しく気持ちに余裕がないから不機嫌なだけかもしれないのに、責められているような気持ちになってしまって、つい余計な仕事を引き受けたりしてしまうでしょう。それが毎日だと背負うものが増えすぎてしまい、大変です。

そうならないためには、自分と他人の間の線引きをきちんとすることが大切です。それができると、会社の人の機嫌に振り回されたり、キャパオーバーなのに仕事を引き受けてしまったりということがなくなります。

まずは「わたしの気持ち」に目を向ける練習をしていくといいでしょう。

まとめ

あなたが会社の人に気を遣いすぎるのは、嫌われてしまうのではという不安からきているのかもしれません。

まずはしっかりと自分の気持ちに目を向けて、相手の気持ちと分けて考えることが大切です。不安になると視野が狭くなりがちですので、意識的に俯瞰して見てみると、状況が見えやすくなるかもしれません。

そうすれば不安から気を遣ってしまうことがなく、心もすり減らされなくて済むのではないでしょうか。



ライター:aiirococco
専門認定公認心理師、臨床心理士。総合病院にて子どもからお年寄りまで幅広い年齢層を対象に、心理カウンセリングを担当しています。それぞれのライフステージでの悩みに、そっと寄り添える心理職を目指して日々勉強中です。