1. トップ
  2. グルメ
  3. ディナーのあと、2軒目にスマートに誘うために…。大人が押さえておきたいバー5軒

ディナーのあと、2軒目にスマートに誘うために…。大人が押さえておきたいバー5軒

  • 2025.6.2

年々進化を遂げるカクテル。バーテンダーが紡ぐその過程はいまや「料理」並みの芸術だ。

そして、その妙を享受できるのは45歳の洗練された舌でこそ。

他とは一線を画すカクテルで、〆までぬかりない夜を過ごせる5軒をご紹介。

1.艶やかなディナーの後には遊び心。ギャップも大人の嗜みのうち 『Tokyo Confidential』@麻布十番

麻布十番『Tokyo Confidential』の内観
樹齢300年の松材を再生したカウンターは円の内側に椅子が配置され、壁のアートと相まって印象的。バックバーには同店ファウンダーのホリーさんが好きな招き猫がいっぱい


ビルの入り口からエレベーターで9階へ。『Tokyo Confidential』の扉が開くと、途端に鮮やかな夜の光景が浮かびあがる。

目の前にそびえる東京タワーに壁のポップなアート、古木を使ったカウンター。初めて来たなら圧倒されるに違いない。オーセンティックなバーとはムードが異なり、まるで異国に来たような錯覚を覚えるのだ。

この店を作ったのは“バー業界でもっとも影響力のある人物100人”の9位に選出されたホリー・グラハムさん。

麻布十番『Tokyo Confidential』の村田和香菜氏
ワカさんはシンガポールでも活躍し、「DIAGEO WORLD CLASS」などのカクテルコンペティションで上位に入る


ヘッドバーテンダーは国際的に活躍する村田和香菜さん、通称ワカさんが就任し、ふたりが作る個性豊かな店はどこかハッピーでリラックスした空気をまとう。

『SÉZANNE』監修のフードをつまみに、夜風に吹かれて酔いしれる贅沢
麻布十番『Tokyo Confidential』の「SoRe Wa Subarashi」
コーンフレークのケロッグから着想。カクテル名はマスコットのトニー・ザ・タイガーの決めセリフ。「SoRe Wa Subarashi」¥2,400


国産の蒸留酒をポイントに使うカクテルもオリジナリティ抜群で、シリアルボウルに入った「SoRe Wa Subarashi」は、シリアルをコニャックにインフューズし朝食のシリアルを飲むようなイメージで作られたという。

麻布十番『Tokyo Confidential』の「Cheshire Cat Grin」
東京カレンダー


カルヴァドスやジンがベース。最後にシャンパーニュをフロートした「Cheshire Cat Grin」¥2,200。

麻布十番『Tokyo Confidential』の「Arigato El Gatto」
東京カレンダー


「Arigato El Gatto」¥2,200。

メスカルをベースにしたハイボールスタイルでスイカやチリを合わせてメキシコ風に。

麻布十番『Tokyo Confidential』の「GAME DAY DOG」
『SÉZANNE』が監修する一番人気のシンプルなホットドッグ「GAME DAY DOG」¥1,320


フードもミシュラン星付き『SÉZANNE』が手掛けるなど、抜かりなし。

こんな店を知っていたら、もう無敵かもしれない。

2.カクテル越しにアートを語る。センスは店で滲ませるのが大人の手腕 『Quarter Room』@世田谷代田

世田谷代田『Quarter Room』の内観
コの字カウンター内は冷蔵庫が内蔵されるなど機能的に設計されており、リキュール類を取り出すところからカクテルシェーカーを振るところまでのスマートな一連の流れを、お気に入りの角度で眺めることができる
古今東西の絵画を舌で味わう“真夜中のアートミュージアム”


「アートをカクテルで楽しんでみない?」――そんな大人の誘い文句が、自然にハマるバーがある。

世田谷代田の地下に潜む『Quarter Room』だ。

世田谷代田『Quarter Room』の野村空人氏
バーを訪れる楽しみのひとつはバーテンダーの所作だ


手掛けたのは、ロンドンのバーや『FUGLEN TOKYO』などの名店でキャリアを積み、現在は蔵前で人気のタチノミ・リカーショップ『NOMURA SHOTEN』も展開するバーテンダー・野村空人氏。

このバーのテーマは、「もしもクラシックカクテルが名画から生まれたら」。

モネやモディリアーニ、バスキア……誰もが一度は目にしたことのある絵画からインスピレーションを得て、その色彩や質感、物語までもを一杯のカクテルに落とし込む。

世田谷代田『Quarter Room』のセザンヌ「りんごとオレンジ」╳アビエーション
セザンヌ「りんごとオレンジ」╳アビエーション(¥1,870)はスピリッツなどの風味や香りで、キャンバス上の独特な色味を味で表現


例えば、セザンヌの『りんごとオレンジ』から着想を得た「アビエーション」は、りんごやオレンジの果汁を使わずに、カルバドスや花山椒ジンをベースに調和させることで、その世界観を“香り”で描く。

世田谷代田『Quarter Room』のウォーホル「フラワーズ」╳ホワイトルシアン
東京カレンダー


ウォーホル「フラワーズ」╳ホワイトルシアン(¥1,870)は黒糖焼酎に金木犀コーヒーをイン。

提供時はコースターに花の香りをつけて。

世田谷代田『Quarter Room』のバスキア「トランペット」╳ブランブル
バスキア「トランペット」╳ブランブル(¥1,870)は、いちじく&トンカビーンズジンをベースににごり酒を入れて。混ぜると色が変化


飲み手がひと口含んだ瞬間に、「あ、これは」と膝を打つような驚きと納得が交差する。そんな唯一無二の体験を約束する。

■店舗概要
店名:Quarter Room
住所:世田谷区代田5-10-7 nakahara-sou B1F
TEL:03-6805-5540
営業時間:18:00~LO23:30(金土~LO24:30)
定休日:水曜
席数:カウンター8席、テーブル14席、スタンディング4名

3.実力派のカクテルを、さらりと。知っている大人だけが持つ最強の切り札 『EDEN CELLAR』@神楽坂

神楽坂『EDEN CELLAR』の内観
名門『バー カプリ』に通算13年半も在籍した経験から大人数にも対応する店の広さと営業時間の長さにこだわって昨年9月にオープン
卓越したセンスに身を委ねる心地よい時間


初めてならバーとは思えない贅沢な店内にまず感動するだろう。

アイランドキッチンを囲むようにゆったりとL字型カウンターがあり、バックバーではライトに照らされ、ボトルが神々しく煌めく。

「ワインカーヴをイメージしました」と微笑むマスターの吉田宏樹さんは『ホテルニューオータニ』のバー出身で、これまで数々のコンペティションで賞を獲得してきた。

神楽坂『EDEN CELLAR』のイラスト付きメニュー
シグネチャーカクテルは全種をイラスト付きメニューで紹介


実力のほどは常時8種そろうシグネチャーカクテルを飲めば明白。

神楽坂『EDEN CELLAR』の「Remember Me」
清涼感ある飲み心地の「Remember Me」¥1,870。メスカルをベースにトニックウォーターや水、マリーゴールドコーディアルなどを加え、カーボネイト。メキシコが舞台のディズニーの同名映画から着想


たとえば「Remember Me」はベースにスモーキーでクセのあるメスカルを使って野心的だが、飲み心地は軽やかで恐れ入る。強面の蒸留酒をキュウリとマリーゴールドが包み込んで爽やかに更生させた印象。

「ベーススピリッツの魅力を活かすことが最も大切」と語るが、名門で鍛え抜かれた腕は本物。個性を示しつつ万人がスッと飲めてしまう優しい味に仕上げている。

神楽坂『EDEN CELLAR』の「S&F Cooler」
「S&F Cooler」¥1,870。こちらはラムベース。スパイスの効いたコーディアルを合わせカーボネイトし、仕上げにドライアップル


たとえ彼女がバー初心者だったとしても、洗練された空間を含め、「こんな店知ってるんだ」と喜ばせられるに違いない。

■店舗概要
店名:EDEN CELLAR
住所:新宿区神楽坂6-39 エキューラ神楽坂 1F
TEL:03-6265-3772
営業時間:15:00~LO23:30、日祝13:00~LO22:30
定休日:無休
席数:カウンター15席、ほかスタンディングあり

4.静けさに身を委ね、和菓子と一杯。語りすぎない余白が品格となる 『九九九』@乃木坂

乃木坂『九九九』の釜
カウンターの炉に鎮座する釜は千利休の釜師、辻 与次郎作の骨董品
甘味とお茶のカクテルの組み合わせは夜の大人の粋


千利休に敬意を表し、店名は千から一を引いた数字にちなむ。

その点からもわかる通り、ここはバーではなく、いうなれば茶寮。つくりたての和菓子とお茶のペアリングコースが斬新と話題になっている新店である。

しかし、15時以降はアラカルトに切り替わり、アルコールも提供されていることはまだあまり知られてない。それゆえに話題性があって、2軒目に誘いやすい。

乃木坂『九九九』の内観
栗の木のカウンターを野点の床几台に見立てて前庭を表現。額はアンディ・ウォーホル


茶室とその前庭を模した店内は静まり返っていてどこか幻想的。

飾られた額や樂茶盌などの調度品も一級品で眼福の極みだ。もちろんお酒も素晴らしい。

乃木坂『九九九』の「焙じ茶ハイボール」
「嬉野夏茎焙じ茶」をカナディアンウイスキーに浸漬して香りを移す「焙じ茶ハイボール」¥1,980


昨今流行するスタンダードツイストカクテルをお茶で表現した印象で、店自慢の茶葉をインフュージョンする「焙じ茶ハイボール」や、豊かな香りとコクある甘さがクセになる「抹茶アレキサンダー」は秀逸な出来だ。

乃木坂『九九九』の「抹茶アレキサンダー」
東京カレンダー


コニャックベースで仕上げにホワイトチョコや金粉を飾る「抹茶アレキサンダー」¥2,200。

乃木坂『九九九』の「利休望(もち)」
アラカルトタイムは生菓子なら季節の練り切りのほか、定番の「利休望(もち)」などを提供


和菓子以外にも職人が手間をかけて仕込んだ「おかき」など、“酒請け”もあって飽きさせない。

落ち着いた大人の夜に、エンタメ性も兼ね備えたこの一軒はうってつけだ。

■店舗概要
店名:九九九
住所:港区六本木7-5-11 カサグランデミワ 2F
TEL:050-1722-3552
営業時間:コース 12:00~/アラカルト 15:00~LO22:30
定休日:月曜、火曜
席数:カウンター8席

5.「もう一杯」じゃなく「デザートでも」と誘う粋。そんな余裕が魅力となる 『Calma』@銀座

銀座『Calma』の内観
¥7,500のコースはバックバーの「山崎」や「白州」なども含まれる。この日カウンターに立つのはフレンドリーなメインバーテンダーの小沼景杜さん
デザートカクテルを“心ゆくまで”楽しめる甘い仕掛け


鮨や和食の名店がひしめく銀座の2軒目。スイーツに目のない相手を誘って訪れたいのが、『Calma』。

ここはなんと、チャージ料・税込み7,500円で飲み放題のコースがある。種類豊富なデザートカクテルや約100種類あるクラシックカクテル、ウイスキーなど、なんでもござれ。

誘った側も誘われた側も存分に好みのカクテルが楽しめる、まさに大人の楽園なのだ。

銀座『Calma』の「濃厚ティラミスカクテル」
シグネチャーでもある「濃厚ティラミスカクテル」。ゲストから「ティラミスそのもの!」という声が上がるほど、評判が高い


デザートカクテルは9種類で、ティラミスやモンブランなど、さまざまなケーキをカクテルで表現。

銀座『Calma』の「贅沢モンブランカクテル」
「贅沢モンブランカクテル」はブランデーに栗のペーストをブレンドし、フォームした生クリームをオン


「モンブラン」は栗のリキュールを使うのではなく、栗のペーストでカクテルに仕上げるから、まるで「ケーキを飲んでいる」ような感覚になる。

銀座『Calma』の「ほうじ茶香るあんこバターカクテル」
東京カレンダー


「ほうじ茶香るあんこバターカクテル」はウォッカにあんこペーストとバターをブレンドした一杯。

甘いあんこのカクテルにほうじ茶の焙煎した香りが心地いい。

銀座『Calma』の「あまおうのウォッカマティーニ」
あまおうとウォッカを使った「あまおうのウォッカマティーニ」は苺の酸味が活かされた仕上がり。フルーティーな味わいで飲みやすい


フルーツカクテルはジューシーで飲みやすくあまおう、みかん、桃など5種類ほどから選べる。

銀座『Calma』の「マンゴープリンカクテル」
「マンゴープリンカクテル」は、ホワイトラムとマンゴーをブレンドし、マンゴープリンのレシピ同様にアマレットの香りを利かせていて本格的


営業時間は翌4時までなので、遅い時間からの食事でもここさえ押さえておけば銀座の2軒目に困ることはない。

甘いカクテルが心をほどき、艶やかな夜を後押ししてくれるだろう。

▶このほか:2人の距離をグッと縮める「焼き鳥デート」。1人7,000円前後で、味も空間も間違いない3軒

元記事で読む
の記事をもっとみる