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管理栄養士「損をしているかも…」→『米の研ぎ汁』は捨てないで…知られざる“意外な活用法”とは?【管理栄養士が監修】

  • 2025.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

毎日のご飯を炊くときに出る「研ぎ汁」、皆さんはどうしていますか?ほとんどの人がそのまま流しに捨ててしまうかもしれませんが、実はこの研ぎ汁には捨てるのがもったいない成分が含まれていることをご存じでしょうか。健康面や美容、さらには環境にも配慮するとなると、その扱い方にはちょっとした工夫が必要です。

この記事では、管理栄養士の見解も踏まえながら、「米の研ぎ汁は捨てるべきか、捨てないほうがいいのか?」という疑問に分かりやすく迫ります。あなたの食生活を見直すきっかけになる内容ですよ!

米の研ぎ汁に入っている成分とは

米の研ぎ汁にはどんな成分が含まれているのか知っていますか?研ぎ汁には、米の表面に残っているぬかや胚芽の栄養成分や、米から溶け出したでんぷん質、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維などが含まれています。これらの成分は、身体にとってプラスになる栄養素も含まれているため、単純に捨ててしまうのは栄養的に損をしている可能性があります。

一方で、精米が荒かったり、不十分だったりする場合や、古く乾燥しすぎた米の研ぎ汁は、でんぷんを多く含んでいます。研ぎ汁に含まれるでんぷんの量が多すぎると、研ぎ汁を活用した料理の味や仕上がりに影響したり、お米に付着していたホコリなども洗った際に含まれるので研ぎ汁の活用には注意が必要です。

米の研ぎ汁を有効活用するためには…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

研ぎ汁は前述のように、ビタミンB群などの水溶性栄養素が含まれるため、そのまま捨てるのはもったいないと言えます。特にビタミンB群はエネルギー代謝に重要な役割を果たすため、日常的にしっかり摂取していきたい栄養素です。また、研ぎ汁をスキンケアに利用したり、お掃除に利用したり、さらには植物の水やりに利用する人もいるほど、幅広く活用されています。

しかし、研ぎ汁にはホコリなどの不純物物が含まれている場合があるため、調理でそのまま使うと味が落ちたり、食品衛生の観点から注意が必要です。そんなときは、最初の研ぎ汁は捨てて、2〜3回目の研ぎ汁を使う「二度研ぎ」がおすすめです。こうすることで不純物や余分なでんぷんを取り除いた研ぎ汁を手に入れられます。日常的に水を節約したい場合は、研ぎ汁で野菜を洗ったり植物に水やりをする方法も環境に優しい工夫として挙げられます。

その他調理に活用する方法としては以下のようなものが挙げられます。

1、野菜の下茹でに活用

米の研ぎ汁は、野菜の下茹でをする際に、古くからよく使われてきました。さといもやたけのこなどを下茹でする際に、研ぎ汁を使用することでデンプン粒子が優れた吸着力をもつコロイドになり、えぐみ成分を取り除くことができることが分かっています。

この他に、ふろふき大根の下茹でにも古くからよく用いられているなど、いわゆるアクが多い野菜を茹でる際に適しています。

2、魚や肉の下処理

食材を研ぎ汁で下茹でしたり、下処理に使うことで臭みが軽減し食べやすくなります。肉であれば内蔵系(モツ)などや、豚肉の下茹でに使用するとよいでしょう。魚であればサバやニシンなどの青魚などがおすすめ。米のとぎ汁は魚の生臭さを抑えてくれます。

米の研ぎ汁をうまく活用しよう!

米の研ぎ汁はただの『捨て水』ではなく、実は栄養素が含まれているため、単純に捨ててしまうのはもったいないもの。管理栄養士も推奨するように、研ぎ汁の扱い方を少し工夫するだけで、栄養を無駄にせず、さらに美容や環境にも良い効果が期待できます。とはいえ、衛生面の配慮は欠かせませんので、研ぎ汁の使い方には注意が必要です。

これからは、毎日の食卓で研ぎ汁の使い道を見直してみませんか?


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけでなはなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。