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大人が意外と解らない「台形の面積」→公式の意味までわかる?

  • 2025.6.17

面積とは、図形の「広さ」を表す量です。

土地の広さや部屋の広さなど、日常生活の中でも「面積」が使われる場面は少なくありません。

小学校で学んだ「面積の公式」は覚えていても、実は“なぜその式になるのか”までは考えたことがない、という人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、基本的な図形の面積について、「なぜその公式になるのか?」という考え方を整理してみましょう。

問題

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台形の面積を求めよ

あなたは台形の面積を求める公式を覚えていますか?

答え

正解は…

16cm2でした!

「(上底+下底)×高さ÷2」という公式で求めることができます!

少しややこしく感じるのが台形の面積。

「(上底+下底)×高さ÷2」という式ですが、「÷2をするのかどうか」で迷った経験がある人も多いのでは?

解説

答えは「(5+3)×4÷2=16cm2」ですが、この式がどこから来ているのかを見ていきましょう。

カギは図形を作り替えること

同じ形の台形をもう一つ用意して反転させて組み合わせると、平行四辺形をつくることができます。

このときの平行四辺形の底辺は「上底+下底」、高さはそのまま。

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つまり…

台形=平行四辺形÷2
=(上底+下底)×高さ÷2

となるわけです。

【番外編】その他の図形の面積の考え方

正方形・長方形の面積

面積の基準となるのは「1cm2」。これは、縦1cm・横1cmの正方形の面積です。
※当メディアでは、平方cmのような単位を「cm2」と表記します

正方形や長方形は、この1cm2の正方形をタイルのように敷き詰めるイメージで面積を考えることができます。

(例題)次の正方形と長方形の面積を求めましょう。

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  • 正方形(1辺4cm):4×4=16cm2
  • 長方形(縦3cm・横5cm):3×5=15cm2

これは、1cmずつで図形を分割し、「1cm2の正方形」がいくつあるのかを考えてみると分かりやすいですね。

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平行四辺形の面積

では、「平行四辺形の面積の公式を知らない」としたら、どう計算するでしょうか?

(例題)底辺5cm・高さ3cmの平行四辺形の面積は?

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公式を知っていれば「5×3=15cm2」と解けますが、そもそもなぜこの公式が成り立つのでしょうか。

それは、平行四辺形は長方形に変形できるからです。

下図のように、平行四辺形の端を切り取り、反対側に移動させると、長方形に早変わりします。

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つまり、
平行四辺形の面積 = 長方形の面積 = 底辺×高さ
ということになるのです。

三角形の面積

三角形の面積といえば「底辺×高さ÷2」。

では、なぜ「÷2」が必要なのでしょうか?

(例題)底辺6cm・高さ3cmの三角形の面積は?

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答えは「6×3÷2=9cm2」ですが、理由も考えてみましょう。

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まったく同じ三角形をもう一つ用意し、向かい合わせて並べると、平行四辺形をつくることができます。

平行四辺形の面積は「底辺×高さ」でしたね。

今回は三角形1つ分の面積を求めたいので、
平行四辺形の半分=底辺×高さ÷2
になるというわけです。

まとめ

なんとなく暗記していた面積の公式も、「なぜそうなるのか」を考えることで、理解がぐっと深まります。

今回は、正方形・長方形・平行四辺形・三角形・台形という基本的な図形の面積について解説しました。

これらの基本を理解しておけば、複雑な図形の面積も、分解や変形を通じて解けるようになります。

ぜひ、考えながら楽しんでみてください!

※当メディアでご紹介する数学関連記事では、複数の解法が存在するものもあります。今回の解説はその一例としてご覧ください。



文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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