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「鳥肌たった」「役者として一線を超えた」1年半の“壮絶な稽古”を経て“大作”へ “異例の興行収入”を記録する映画『国宝』

  • 2025.6.18

吉沢亮主演の映画『国宝』の大ヒットがSNSで大きな話題となっている。

6月6日に上映の始まった本作は、公開からわずか10日で興行収入11.9億円を達成。観客動員数も85万人を突破した。映画を観た人たちからの「鳥肌たった」「役者として一線を超えた」という口コミで日を追うごとに評価は高まり、公開2週目は前週比143.4%の業績を記録する好調ぶりである。今回はそんな映画『国宝』人気の理由に迫る。

主人公を吉沢亮、ライバルを横浜流星が演じる歌舞伎映画の大作

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(C)SANKEI

映画『国宝』は、吉田修一の同名小説を原作とした映画である。任侠の一門に生を受けたものの15歳で父を亡くした主人公が、歌舞伎役者の家に引き取られその才能を開花させる物語だ。

映画では、主人公の立花喜久雄を吉沢亮、歌舞伎の名家に生まれた喜久雄のライバル・大垣俊介を横浜流星が演じている。

1年半の壮絶な稽古を経て…キャストの素晴らしい演技力に感動!

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(C)SANKEI

映画『国宝』を観た人の感想で最も多いのが「吉沢亮と横浜流星の素晴らしい演技力」に対するコメントだ。SNSでは「誰も真似できない域の演技に達している」「役者の底力恐るべし」「見事としか云いようがなかった」「後世にも語り継がれるべき」など、称賛の声がずらりと並んでいる。

今回、吉沢と横浜が演じたのは、歌舞伎で女性役を専門に務める「女形」の役者だ。伝統芸能である歌舞伎の中でもさらに独特の所作が多い女形。2025年4月23日に行われた『国宝』完成報告会にて、それをスクリーンの中で違和感なく演じるため、吉沢と横浜は1年半にわたりみっちり歌舞伎の稽古を積んだと語った。歌舞伎の経験がなかった2人は、本当に初歩から練習を始めたため、歩けるようになるまで2~3ヶ月かかったようだ。

2人が師事したのは、自身も吾妻千五郎役として映画に出演した中村鴈治郎(4代目)。歌舞伎ファンにも、歌舞伎を観たことがない人にも見ごたえのある歌舞伎シーンを目指し、厳しくも愛のある指導があったという。

辛い練習やなかなか上達しない焦りで、「もうやめたい」と思うことも少なくなかったと吉沢は語る。しかし、その度に隣で奮闘する横浜を見て「流星には負けない」と気持ちを引き締めたのだとか。映画の喜久雄と俊介のような関係が、スクリーンの外でも築かれていたのだとわかる。

「観る」というより「体験する」映画

また、『国宝』がスクリーン向きの映画であることに言及した感想も多い。「まさしく映画館向きの作品」「スクリーンでこそ体感すべき」「大きいスクリーンで見れたこと、ずっと良かったと思えるだろうな」「これはスクリーンで観ないと後悔する映画」など、SNSには映画館の大画面で観られたことを喜ぶ声がずらりと並ぶ。

映画『国宝』には、歌舞伎の舞台を再現したシーンも多い。そのため、李相日監督は各種メディアの中で映像や音響に力を入れていることを強調。「体で浴びる」ように映画を観ることを薦めている。『国宝』はまさに観るというより「体験する」映画なのだ。映像配信サービスが発達した現代だからこそ、「映画館に行きたくなる映画」の存在は貴重だと言えるだろう。

早くもハマっている人も…

大ヒットを受け、「国宝見に行きたい…」「やっと国宝見にいける!めちゃくちゃ楽しみ!」などの声も目立つ映画『国宝』。「今度は大きなDolby対応スクリーンで観たい」「国宝2回目予約してもた…」など、早くもハマっている方も。

まだ観ていない方には、映画館でとびきりの没入体験を味わいたい映画だ。


※記事は執筆時点の情報です