1. トップ
  2. 「11歳娘、母スマホで『1,200万円』投げ銭(韓国)」夏休みの“大誤算”に日本でも注意喚起

「11歳娘、母スマホで『1,200万円』投げ銭(韓国)」夏休みの“大誤算”に日本でも注意喚起

  • 2025.8.8
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

わずか10日間で、平和だった一家に1,200万円相当の損害——。

韓国で実際に起きたこの事件、「海外の話だから関係ない」と思っていませんか?実は日本でも、夏休みを中心に同じような課金トラブルが急増しているんです。スマホ一台で、一瞬にして家庭が破綻してしまう。そんなリスクが、今まさに私たちの身近に潜んでいます。

11歳の女の子が起こした1,200万円の悲劇

2020年、韓国で起きた衝撃的な事件をご紹介しましょう。

当時11歳だった女子小学生が、母親のスマホを使ってライブ配信に「投げ銭」を続けた結果、総額1億3,000万ウォン(当時の日本円で約1,200万円相当)もの課金をしてしまったのです。

女子小学生が投げ銭をした配信者は複数人。たった10日間で、課金を重ねていくうちに、気がつけば1,000万円相当を超えていました。母親がスマホにパスワードを設定していなかったことも、この悲劇を加速させました。

CBSラジオの番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」に登場した女児の父親によると、

その後の交渉で、総額1億3,000万ウォン(当時の日本円で約1,200万円相当)のうち半分以上は返金されましたが、4000万ウォン(当時の日本円で約370万円相当)は「キャンセル不可」として支払うことになったそうです。

日本の夏休みも危険がいっぱい

「でも、それって韓国の話でしょ?」

そう思った方に知ってほしいのが、近年、日本でも同様の事件が多発していること。国民生活センターにも、以下のようにさまざまなトラブル事例が寄せられています。

事例1:「お金がかからない」という友達の言葉を信じて

小学生の子どもが、友達から「キャリア決済を使うとお金がかからない」と教えられ、スマホでオンラインゲームに高額課金してしまった事例。子どもは本当にお金がかからないと信じていました。

事例2:150万円課金も証拠隠滅

小学生の子どもがオンラインゲームで150万円以上も課金していたが、決済完了メールが子どもに削除されていたため気がつかなかった

事例3:指紋認証も突破される

日頃から、小学生の息子に母親の古いスマホを自宅のWi-Fiに繋げて使用させていた。課金には母親の指紋認証が必要な設定にしていたが、母親のアカウントにログインした状態であったため息子が自分の指紋を追加登録して約5万円ゲーム課金してしまった。

事例4:年齢確認画面で「20歳以上」

一度だけ課金するためにスマホにクレジットカードを登録したところ、小学生の子どもが30万円以上も課金してしまった。年齢確認画面で「20歳以上」を選択していたようだ

これらの事例に共通するのは「親のスマホのパスワード未設定」や「家族アカウントの共有」だけでなく、子どもたちの想像以上の「デジタル適応力」です。大人が思っている以上に、子どもはシステムの抜け穴を見つけるのが得意なんです。

共通するのは「親のスマホのパスワード未設定」と「家族アカウントの共有」。つまり、子どもが勝手にやったというより、親が対策を怠っていたケースが意外と多いのです。

国民生活センターのアドバイス

「まさかうちの子が...」と思う前に、できることから始めましょう。国民生活センターでは、以下の具体的なアドバイスを公開しています。

技術的な設定で防ぐ

  • 保護者のスマホで遊ばせる場合は、保護者のアカウント(AppleやGoogle)は必ずログオフしましょう。
  • 保護者の古いスマホや子ども専用のスマホで遊ばせる場合は、子ども専用のアカウントを作成し、「ペアレンタルコントロール」機能を利用して保護者が管理しましょう。この機能で課金を承認制に設定できます。
  • スマホのアカウント決済とキャリア決済のそれぞれに、決済時の承認(パスワード、指紋認証、顔認証など)を設定しましょう。パスワードはお子さんが類推できない文字列で設定しましょう。
  • キャリア決済は必要に応じ上限額を低くしましょう。子ども用のスマホを契約する際は特に注意が必要です。

日常の管理で防ぐ

  • クレジットカードは保管場所に注意が必要です。また、子どものスマホにクレジットカード情報を入力した際は忘れずに削除してください。
  • 日頃から決済完了メールや明細を確認しましょう。
  • 子ども自身が考えて適切にゲームと付き合えるように子どもと一緒に行う対策も重要です。子どもが遊ぶゲームの課金の仕組みを一緒に確認したり、オンラインゲーム課金についてルールを決めたりしましょう。

万が一トラブルが起きたら

国民生活センターによると、「民法では、未成年者が保護者の同意なく契約した場合は取り消すことができる」とされています。ただし、「子どもが保護者のアカウントでログインしたスマホで課金した場合は、アカウントの所有者である保護者が決済を行ったとみなされる場合もある」ため、完全に取り消せるとは限りません。

困ったときは一人で悩まずに消費者ホットライン「188(いやや!)」番へ。最寄りの消費生活センター等を案内してくれる全国共通の電話番号です。

最も大切なのは?

現金なら、財布からお札が減るのが目に見えます。しかしスマホの課金は、画面をタップするだけ。大人でさえ、お金を使っている実感が薄れがちです。子どもなら、なおさらでしょう。

どんなに強固な技術的対策を施しても、それだけでは不十分です。最も重要なのは、子どもと「お金のリアル」についてオープンに話し合うこと。

スマホでのタップも、お父さんやお母さんが一生懸命働いて得た「本物のお金」を使っていること。なぜ、簡単にお金を使ってはいけないのか。家族でスマホやお金のルールを一緒に考える。

そんな日々のコミュニケーションこそが、悲劇から家族を守る、何より強力な盾になるはずです。


※出典:「スマホを渡しただけなのに…」「家庭用ゲーム機でいつの間に…」子どものオンラインゲーム課金のトラブルを防ぐには?(発表情報)_国民生活センター

※出典:子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!(発表情報)_国民生活センター



26年前、警察の『避難勧告』を再三無視したキャンパー18人…お盆に迎えた最悪の結末。なぜ逃げなかった?
26年前、警察の『避難勧告』を再三無視したキャンパー18人…お盆に迎えた最悪の結末。なぜ逃げなかった?