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『なかなか眠りにつけない日』が続くとどうなる?!→睡眠不足引き起こす、“脳の恐ろしい変化”とは?【医師が解説】

  • 2025.6.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

毎晩、布団に入ってもなかなか眠りにつけない…そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか?ただの寝不足と思われがちですが、実はこの「ぐっすり眠れない日」が続くことによって私たちの脳に大きな影響が及んでいるのです。今回は医師の解説を交えながら、睡眠不足によって脳に起きる“恐ろしい変化”について詳しくご紹介します。

睡眠不足の脳への影響とは?

睡眠は、脳にとって休息と回復のための大切な時間です。

適切な睡眠を取ることで、脳は日中に溜まった老廃物やストレスを整理し、記憶を整理・定着させる大切な作業をしています。しかし、眠れない日々が続くと、このプロセスが乱れてしまうことになります。

医師によると、睡眠不足は脳の様々な機能に直接的な影響を与えます。

例えば、集中力の低下や記憶力の減退が典型的です。特に大きな影響を受けるのは、我々の感情をコントロールする部分である前頭前皮質。この領域が休まらずに活動し続けることで、些細なことでイライラしたり、情緒不安定になったりすることが増えると言われています。

具体的な影響と脳内の変化は?

ここまでの話だけでも睡眠不足は侮れないということが分かるかもしれません。

しかし、さらに深刻なのは、睡眠不足が慢性的に続くと、脳そのものの構造が変わる可能性があるという研究結果です。

睡眠不足が続いた場合、脳のグリア細胞(神経系のサポートを行う細胞)の構造が変化し、私たちが情報処理を行うために必要なシナプス結合がダメージを受けることが示されています。これにより、脳の情報処理能力が著しく低下し、長期的には認知症のリスクを高める可能性も指摘されています。

興味深いことに、このような変化は回復可能な場合も多いと言われていますが、それには適切な睡眠習慣を取り戻すことが不可欠です。

医師によると、睡眠不足の影響を最小限に抑えるためには、毎晩同じ時間に寝起きする、寝る前のスマホ使用を控える、寝室の環境を快適に保つなどの工夫が大切だそうです。

良質な睡眠がもたらす健康

ぐっすり眠れない夜が続くことが、私たちの脳にどれほど影響を及ぼすのかを理解するだけでなく、それを改善しようとする意識が重要です。現代社会において、忙しい生活リズムからついつい睡眠の優先順位は下げがちかもしれません。

しかし、健康な脳と身体を維持するためには、良質な睡眠を確保することが不可欠です。

脳の健康を守り、より良い生活の質を実現するために、今一度自分の睡眠習慣を見直してみてはいかがでしょうか?きっと、翌朝の爽快な目覚めがあなたを待っているはずです。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。