歯科医師「口臭を悪化させているかも」　『マウススプレー』を使っているのに…知っておきたい“NGな使い方”とは？

2025.6.16

「マウススプレー使っているのに、どうして口臭が気になるのだろう？」そんな悩みを抱えていませんか？口臭ケアアイテムの定番となったマウススプレーですが、使い方を間違えると効果が半減どころか、口臭が悪化することもあるのです。

この記事では、なぜマウススプレーの効果が感じられないのか、その原因と正しい使い方について詳しくお伝えします。

なぜマウススプレーだけでは口臭が消えないのか？

マウススプレーを使っても口臭が気になる理由はシンプルで、スプレーの効果に頼りすぎているからです。口臭の原因は、口の中の細菌が食べかすやタンパク質を分解する過程で生まれる硫黄化合物などの臭い物質。単にスプレーで香りを付けるだけでは根本的な原因は解決されません。

また、歯磨きや舌磨き、正しい食生活、適切な水分補給といった基本的なケアを怠っていると、いくらマウススプレーを使っても口臭は抑えられません。さらに、スプレーの成分によっては刺激が強く、口の中の乾燥を招き逆効果になる場合も。乾燥は口臭の一因となるため、むしろ状況を悪化させることもあります。

歯科医師が教える！マウススプレーの正しい使い方

正しい使い方を知ることで、マウススプレーは口臭ケアの強い味方になります。まず大切なのは、マウススプレーを「口臭の根本的な解決策」ではなく、「補助的なケア」と位置付けること。日常的な歯磨きや舌磨き、規則正しい生活習慣があってこそ、効果が発揮されます。

使い方のポイントは以下の3つです。

適切なタイミングで使う
口臭が気になる出先や食後に使うのはもちろん効果的ですが、口の中が乾燥していると効果半減なので、水を飲んで軽くうがいをしてから使うと成分が広がりやすくなります。特に寝る前や朝起きてすぐは口の中が乾燥して細菌が増えやすいので、必ず歯磨き後に使いましょう。
しっかりとスプレーを噴霧する
スプレーのヘッドを舌の奥や歯と歯茎の間など、口臭の原因となりやすい場所に向けて数回噴霧するのが効果的です。量が少なすぎると成分が行き渡りにくいので、説明書に書かれた適量を守ってください。
使いすぎに注意する
マウススプレーはアルコールや刺激成分が入っている場合が多く、過剰に使うと口腔粘膜が荒れる原因になります。逆に口臭を悪化させることがあるため、1日数回程度が目安です。

さらに、マウススプレーの成分を選ぶ際は、殺菌成分が含まれているものや、口の中の乾燥を防ぐ保湿成分配合のものがおすすめ。刺激の強すぎるアルコール系スプレーは避けた方が無難です。

使いすぎはまさかの逆効果に

マウススプレーはあくまで「口臭ケアのサポートアイテム」であることを忘れず、普段のケアを見直しましょう。歯磨き、舌磨き、定期的な歯科検診、そして十分な水分補給とバランスの良い食生活が第一です。マウススプレーを正しく使い、上手に取り入れることで、口臭の悩みが改善されるでしょう。

もしマウススプレーを使っているのに口臭が改善しない場合は、使い方を見直すだけでなく、歯や口の中の病気、健康状態に問題がないか歯科医師に相談するのも大切です。正しい情報と使い方を身につけましょう。

監修者：まつむら⻭科クリニック院⻑松村賢（まつむら・けん）

「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015（平成27）年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯（入れ歯）・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒（医師免許取得）
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了（歯学博士）
仙台市内⻭科クリニック分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院