「よりシザーハンズ感を増幅させている」電車で見かけたコスプレ姿の男性にジワジワ

出会いをぜんぶ、マンガにするマンガ家、つのだ ふむ（@tsunoda_fumm）さん。地方移住の実録や家族の病気など、印象的な画風とインパクトのあるエピソードを、X（旧Twitter）で発信しています。

ふとした帰り道に訪れる、あの気まずさを絶妙に描いたエピソードです。

仮装のまま電車に乗った帰り道

ハロウィンでにぎやかに仮装した帰り道、電車の中にポツンと立つシザーハンズ姿の青年。メイクはばっちり、手には大きなハサミの小道具。けれどその表情は、汗と赤面でいっぱいです。隣に立つボーダー服の人物も、どこか微妙な空気感。にぎやかな夜が終わりを告げるなか、周囲に漂う現実感と温度差が、彼の心にじわじわと押し寄せてきます。

「みんなで騒いだハロウィンの帰り道……一人になった途端急に恥ずかしくなってるパターンの人だ……」。そう語る心の声が、どこか身に覚えのある感覚として響いてきます。視線が刺さる気がして、そわそわ落ち着かない。そのぎこちない様子が「よりシザーハンズ感を増幅させている」という追い打ちにクスッとさせられてしまいます。

そんな彼をよそに、語り手も実はうっすら鬼太郎のつもりで仮装していたのを思い出し、「ばれてるかな？」と心のなかでつぶやくのでした。ひと晩の非日常が終わり、電車の揺れとともに日常がじわじわ戻ってくる。そんな瞬間の気恥ずかしさが、じんわり胸に残ります。

X（旧Twitter）：つのだ ふむ（@tsunoda_fumm）