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20年前、日本中が震えた“涙腺を破壊する名バラード” 規格外の共感性ゆえに“永遠に朽ちぬ曲”

  • 2025.7.1

「20年前、日本中が震えた“涙腺を破壊する名バラード”が誕生したのを覚えている?」

小田和正(元オフコース)『たしかなこと』(作詞:小田和正、作曲:小田和正)は、その深い歌詞と穏やかなメロディで、多くのリスナーの心をつかんだ。この曲は、彼の音楽キャリアの中でも特に感動的なバラードとして位置づけられ、その普遍的なメッセージと温かみのあるメロディは、今でも多くの人々に愛され続けている。

リリースから20年が経った今、改めてこの名曲について振り返っていきたい。

『たしかなこと』の誕生ーー『言葉にできない』から派生したルーツ

『たしかなこと』は、2005年5月25日にリリースされた小田和正のシングル。

当時、小田和正のバラードといって多くの人が名前を挙げたであろう楽曲に、『言葉にできない』がある。もともとは1982年にオフコースとしてリリースされた楽曲だったが、ソロver.が1999年から明治生命(後の明治安田生命)のTV CMで起用され、そのエモーショナルな演出が一躍話題となっていた。

その後、明治生命が明治安田生命として生まれ変わるにあたって「『言葉にできない』を超える曲を作ってほしい」という企業側からの要望を受けて誕生したのが、『たしかなこと』だ。この楽曲を起用したTV CMのオンエアが始まると、その旋律に感動した視聴者からの問い合わせが殺到したという。

日本中が震えたこの名バラードのルーツが、意外にも企業側からの発信だったという事実は非常に興味深い話だ。

叙情的な歌詞と温かいメロディ、透き通る歌声のハーモニー

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(C)SANKEI

『たしかなこと』の魅力は、そのストレートで叙情的な歌詞と、抑揚のある温かいメロディにある。

同じ時を生きているのだから、どんな時もきっと君のそばにいる、それを忘れないでほしいーー大切な人への、そんな素直な想いと願いを書いた歌詞は、余計なことを考えずとも、耳に、そして心にすんなりと入ってくる。おのおのが持つ大切な人が自然と頭に思い浮かんでくる。その誰もが思わず自分と重ねてしまうような“規格外の共感性”こそが、聴く者すべてに強い感動を呼び起こすのだ。

メロディついて、全編を通して派手さは無い。特に歌い出しの「雨上がりの〜」の部分はアコースティックギターと小さなドラムカウント、小田和正の歌声のみで構成されており、静寂の中にその透き通った歌声がしっとりと響く。そこから、さまざまな楽器やコーラスが徐々に、繊細なバランスで重なり合っていき、サビでは整いながらも力強く、荘厳な印象を与える。その自然で絶妙な抑揚の付け方が、聴く者を飽きさせず穏やかで包み込むような感動を与え、何度でも聴きたくなるような魅力を生み出しているのだ。

こうした歌詞とメロディの極上のマッチングに、小田和正の透き通った歌声が混ざり合うことで、『たしかなこと』を涙なしでは聞けない、いわば“涙腺を破壊する名バラード”たらしめているのだ。

20年経っても、そしてこれからも“永遠に朽ちぬ曲”

リリースから20年が経過した今でも、『たしかなこと』の魅力は色あせることなく、多くの人々に感動を与え続けている。

いつ聴いても、何度聴いても“染みる”この楽曲は、これからも多くの人にとって“永遠に朽ちぬ曲”として心に残り続けていくことだろう、と確信する。


※この記事は執筆時点の情報です。