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工夫して10秒で計算してみて!「908×11」→暗算できる?

  • 2025.6.29
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九九を覚えていれば、一桁×一桁の掛け算は簡単に暗算できるでしょう。

一方で、二桁や三桁の掛け算となると、暗算する自信がない人は多いのではないでしょうか。

しかし、工夫次第では桁数の多い掛け算も暗算できることがありますよ。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
908×11

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「9988」です。

どのような工夫をすれば、10秒以内にこの答えが出てくるのでしょうか。

次の「ポイント」で、暗算のための工夫を確認してみましょう。

ポイント

この問題で暗算のポイントとなるのは、「掛けられる数をバラバラにして11と掛けること」です。

この工夫を可能にしているのが、分配法則です。

分配法則とは、簡単に言えば「二つの数を足してからある数を掛ける計算」と「二つの数にある数を掛けてから足す計算」は同じ結果になるという法則です。

<分配法則>
〇×(▲+■)=〇×▲+〇×■
(▲+■)×〇=▲×〇+■×〇

では、この分配法則を使って式を変形していきましょう。

まず、掛けられる数908を「900+8」の形にします。

908×11
=(900+8)×11

ここで分配法則を使い、( )の中の900と8それぞれに11を掛けていきます

  (900+8)×11
=900×11+8×11
=9900+88
=9988

これで9988という答えが出ました。

「900×11」は「9×11」の答え(=99)の末尾に00を付けるだけなので、一桁×二桁の掛け算と難易度はあまり変わりません。「8×11」も簡単な掛け算です。このように考えれば、暗算もしやすいですね。

なおこの計算過程は、百の位と一の位別に掛け算をしてから足しているといえます。これは、「908×11」を「11×908」に書き直してから、掛け算の筆算をしているのと同じですよね。

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このように、式の中で分配法則を使えば、紙がない状態でも筆算と同じような考え方で答えを出せるのです。さらに、今回紹介した方法では、筆算とは違い、掛けたり足したりするときに桁がずれてしまうリスクを軽減できます。

特に今回のように、数字の中に0が含まれていて(908)、頭の中で筆算をしようとすると桁を間違えやすい問題には、この工夫を使ってみてください。

まとめ

今回は、三桁×二桁の計算を暗算でする工夫について紹介しました。

カギとなるのは、分配法則です。掛けられる数を切りのよい形の足し算に変形してから、掛け算をします。すると、問題は「簡単な掛け算を足す問題」に変わりますので、暗算しやすくなるのです。

この方法は、掛け算の筆算の計算方法を別の形で表したものともいえます。桁数の大きな掛け算を見たら、一度試してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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