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【ジブリのような世界観】森に囲まれた「深沢小さな美術館」を現地ルポ!“穴場スポット”として話題に|東京都あきる野市

  • 2025.5.17

東京都・あきる野市の「深沢小さな美術館」は、ジブリの世界を思わせるような、自然とアートが調和した山奥の美術館。館内には大きな窓があり、池や木々が広がる庭園の風景が一望できるのも大きな魅力。初夏の緑が美しいこの季節、木々に囲まれた静かな空間でゆっくりしてみませんか? 都内にある“穴場スポット”を現地ルポでお届けします!

「深沢小さな美術館」ってどんな場所?

「深沢小さな美術館」は、東京都あきる野市の山奥にひっそりと佇む、隠れ家的スポット。およそ200年ほどの古民家を、造形作家・友永詔三さんが自らの手で改築し、住まい兼アトリエとして活用している手づくりの美術館です。

石造りの壁面や木の扉、曲線的な建物は、なんと友永さんご本人による手づくり!

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自然と調和した素朴で幻想的な雰囲気は、ジブリの世界に迷い込んだかのよう。訪れる人の心をつかみ、思わず写真を撮りたくなります。

館内には、友永さんが手がけた木彫や木版画、あかりのオブジェなどの作品が多数展示されており、NHKの人形劇『プリンプリン物語』で使用された人形も間近に見ることができます。

友永 詔三(ともなが あきみつ)

人形作家・造形作家

1944年(昭和19年)高知県出身。御年80歳。23歳でオーストラリアの人形劇団に参加し、現地で人形制作を学んだ後に帰国。本格的に作家活動を始め、NHKの連続人形劇『プリンプリン物語』の人形美術をはじめ、舞台美術、木版画、木彫、ブロンズなど、多彩な作品を手がける。個展も数多く開催し、現在は東京都あきる野市の「深沢小さな美術館」を拠点に、作品制作や地域との芸術活動にも取り組んでいる。

「色使いも形も、自然からヒントを得ている」と、自身のものづくりの原点は自然の中にあるそう。室内には木漏れ日がやさしく差し込み、空間全体が穏やかな光に包まれます。日常の喧騒から離れ、静けさに包まれたひとときを過ごすのにぴったりの美術館です。

まるで絵画のよう!館内から眺める絶景

深沢小さな美術館の最大の魅力は、なんと言っても館内から望める美しい自然の景色。大きな窓からは、池のある庭園とその周囲の木々が見渡せ、四季折々の風景が楽しめます。春には新緑が、秋には紅葉が美しく色づき、どの季節でも絶景が広がっています。

池にせり出すように設けられたウッドデッキのテラス席もあり、目の前には悠々と泳ぐ錦鯉、周囲には草木や花が咲き、自然の息づかいを間近に感じられる特別な場所。写真映えも抜群で、つい誰かにシェアしたくなる美しさが広がっています。

館内の展示を楽しんだ後も、この景色を眺めながらリラックスできる時間を過ごすことができます。

館内カフェは2025年から営業終了

なお、友永さんの奥様が営まれていた併設のカフェは、2025年から営業終了しています。SNSでも話題になっていた喫茶室でしたが、今後訪れる際には無くなっているため注意が必要です。

友永詔三氏の作品に触れるアートの世界

「プリンプリン物語」の人形たち:懐かしさと温かさ

深沢小さな美術館の展示の中でも、ひときわ目を引くのが友永さんが一から制作・デザインを手掛けた、NHKの人形劇『プリンプリン物語』の人形たちです。

1979年から1982年にかけてNHKで放送された連続人形劇『プリンプリン物語』は、主人公のプリンセス・プリンプリンを主人公に、まだ見ぬ故郷を探し求めて仲間たちと旅をするミュージカル仕立ての物語。全656回放送され、多くの視聴者に愛された名作です。

館内入り口には主人公のプリンプリンがいました!

主人公の仲間たち 左からモンキー、オサゲ、ボンボン、カセイジン

テレビ越しに見ていたキャラクターたちが、今にも動き出しそうなほど生き生きと展示されています!

頭が異様に大きいルチ将軍(友永さんが教えてくれました)

筆者は放送当時の世代ではなかったため、今回初めて『プリンプリン物語』を知りました……。友永さんに「人気のキャラクターは誰ですか?」と尋ねると、「“ルチ将軍”かな」とのこと。アクタ共和国を牛耳っていた独裁者で、ヒール役ではあるものの絶大な人気があるらしい。ファンにとってはたまらない空間ですね!

個人的に衣装が一番可愛いと思った踊り子たち

それぞれの人形には、表情のニュアンスや衣装の細部に至るまで、繊細な手仕事が施されており、まさに「人形美術」と呼ぶにふさわしい完成度。人形を眺めていると、まるで物語の世界に入り込んだかのような感覚を味わえます。

木彫・ブロンズ像:ジャンルを飛び越えて生まれる作品群

友永さんの本職である木彫作品。緻密な彫刻と力強い表現が特徴です。木の素材感を最大限に活かした、温かみのある質感と力強さを感じさせる彫刻が並びます。

森の妖精・ZiZi(ジィージィー)

また、こちらのポスターに写っているのは、外苑前にあるブロンズ像。実はこれも友永さんの手によるものなんです。木彫だけでなくブロンズ作品も手がけ、ジャンルにとらわれず作りたいものを形にする造形作家なのです。

あかりのオブジェ:光と影が織りなす幻想的な空間

この美術館に展示されているあかりのオブジェは、ほとんどが木や和紙からできています。光が反射し、影が浮かび上がることで、静かな美術館内に幻想的な雰囲気を作り出します。

友永さんの作品は、その一つ一つが独自のストーリーを語りかけてきます。木彫や木版画、あかりのオブジェ、『プリンプリン物語』の人形たち、どの作品もその深さに驚かされ、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれることでしょう。

訪れる前に知っておきたい!アクセス情報

最寄りはJR「武蔵五日市」駅。北口から出て約3km、徒歩40分とかなり距離がありますが、今回は歩いて向かってみました!

JR「武蔵五日市」駅の北口を出ると早速ZiZiのオブジェがありました!

友永さんが手がけた木彫オブジェ・森の妖精「ZiZi」が辻つじに立っていて、道案内をしてくれます。目視で数えたものだけでも20体以上はいました! 途中分岐路や急な坂道が続く場所もありましたが、意外と道に迷うことなくたどり着けました。

公式パンフレットにも「足に自信があって時間に余裕のある方」と書かれていました(笑)

自然の中をのんびり散策しながら「ZiZi」を探して歩く道のりは、それだけでもちょっとした冒険気分。時間と足に余裕がある方には、ぜひ徒歩ルートも体験してみてほしいです。

もちろん車でさくっと向かうのもアリ。五日市郵便局から約10分、「ZiZi」が立っている道を目印に進んでください。駐車場は7台分あります。

深沢小さな美術館

住所:東京都あきる野市深沢492

開館時間:10:00~17:00

休館日:水・木曜日

※12月~3月は冬期休館

料金:大人 800円、小中高生 500円

電話:042-595-0336

アクセス:JR「武蔵五日市」駅より約3km

※バス等の公共交通機関は無し

やわらかな陽ざしに緑がきらめく初夏。「深沢小さな美術館」は、そんな季節にぴったりの穴場スポット。慌ただしい日常を離れて、小旅行に出かけてみませんか?

[Photos by Ray]

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