医師「意外と見落とされがち」→実は『肩こり』には驚きの原因があった…“更年期の不調”と改善法とは？【医師の監修】

2025.6.1

「毎日の肩こりがつらくて…」と悩んでいませんか？そして、その原因が実は更年期にあるかもしれないことをご存知ですか？更年期は女性にとって避けられないライフステージであり、さまざまな身体の変化が伴います。今回は、更年期と肩こりの関係性について掘り下げ、改善方法を探っていきたいと思います。

肩こりの背後に潜む女性ホルモンの影響

更年期とは、一般的に45歳から55歳の間に訪れる時期で、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が急激に減少することにより引き起こされるさまざまな体調不良が特徴です。

エストロゲンの減少により、筋力の低下し、姿勢不良によって肩こりが発生する場合が多いと言われています。また、運動不足などによっても発生する場合があります。

更年期には他にも、ホットフラッシュや不眠、気分の落ち込みなども併発することがあり、筋力の低下による肩こりだけでなく全体的に身体に不調が現れやすい状態になります。

肩こりを改善するための方法

では、肩こりをどうやって改善すれば良いのでしょうか？

まず、生活習慣を見直すことが重要です。定期的な運動を行い、身体全体の血流を良くすることで、肩こりを緩和できます。睡眠の質を高めるためにも、朝に散歩をして日光を浴びるのもよいでしょう。また、ヨガやピラティスといったストレッチを重視した運動は、無理なく続けやすく、肩こり改善に効果的です。

加えて、食生活の改善も見逃せません。エストロゲンの働きをサポートする大豆イソフラボンを含む食品や、血流を改善するビタミンEを多く含むナッツ類を積極的に摂取するよう心掛けましょう。さらに、ストレスを溜めないことも大切です。自律神経を整えるためには、リラックスできる時間を持つことも必要です。湯船に浸かって体を温めたり、心地よい音楽を聴いたりすることで、気持ちを落ち着けることができます。

更年期と肩こりを乗り越えて、心地よい毎日を

更年期に気になる肩こりは、エストロゲンの減少による筋力低下、姿勢不良、運動不足など複合的に関わっています。まずは、自分の体と向き合い、日々の習慣を少しずつ見直していくことで、更年期を上手に乗り越えていきましょう。

今日から少しずつできることを始めてみてくださいね。

監修者：鞆浩康（とも・ひろやす）

整形外科医
オルソグループ会長

大阪府出身。高知医科大学医学部卒業後、岸和田徳洲会病院や大阪市立大学附属病院で整形外科医として経験を積む。手技療法に強い関心を持ち、2004年12月24日にオルソグループを設立。「医療と健康を通じて、笑顔と元気を届ける」を理念に掲げ、健康寿命の延伸と平均寿命との差を縮めることを使命とし、休息・栄養・運動・手技療法・地域医療を連携させた「究極の医療グループ」を目指して活動している。
オルソグループ：https://ortho-g.co.jp/