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29年前、日本中が心震えた“凍てついた愛の歌” 200万枚超を売り上げた“90年代を代表する名曲”

  • 2025.6.11

「29年前、胸がきゅっと締めつけられたメロディを覚えてる?」

1996年1月にリリースされたglobeの『DEPARTURES』は、まさに“冬の終わりの代名詞”として語り継がれる名曲だ。降り積もる雪のように切なく、しかしどこか力強い。そんな矛盾を抱えたこの一曲は、小室哲哉が90年代に作り出した数々のヒットの中でも、ひときわ深い余韻を残す存在となった。

JR東日本のスキー旅行CM『JR Ski Ski』とのタイアップによって、ゲレンデを舞台にした恋愛のイメージとともに一気に浸透。

テレビから、街のスピーカーから、冬になるとどこかで必ず聴こえてくるーーそんな存在にまで成長していき、日本中の心を震わせた。

孤独と再生が交錯する詞の世界

KEIKOの透明感ある歌声が、凍てつく感情をすっと溶かすように響く。

“別れ”や“旅立ち”をテーマにしたはずのこの曲が、なぜこれほどまでに温かく心に残るのか。そこには、ただの別離ではなく、“希望”の気配があるからだ。

孤独を描きながらも、そこにある微かな光をすくい上げる。globeというユニットの音楽性、そして小室哲哉の作家性が、最も洗練された形で表現された瞬間だった。

J-POP黄金期を象徴する“冬うた”の完成形

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(C)SANKEI

90年代半ばの音楽シーンでは、小室ファミリーが圧倒的な存在感を放っていた。その中でもglobeは、TKサウンドに人間的な感情の機微を重ね、独自のポジションを確立したユニットだった。

『DEPARTURES』は、オリコン1位・ダブルミリオンを達成し、まさに小室ブームのピークを象徴する存在となった。

無機質な打ち込みと有機的なメロディ、そしてエモーショナルな歌詞の融合ーーまさに、90年代J-POPの美学が詰まった一曲といえるだろう。

“あの冬の景色”が今も心に残る理由

この曲を聴くと、不思議と誰もが“あの頃の冬”に引き戻される。雪の中の駅、マフラー越しの言葉、手袋越しのぬくもりーー

当時、テレビから流れるたびに耳を奪われ、街中の誰もが口ずさむようになったこの“凍てついた愛の歌”は、リリースからわずか数ヶ月で200万枚を超える売上を記録。まさに「90年代を代表する名曲」として、日本中の心を奪った。

それは実際に経験したことがなくても、なぜか胸の奥で再生されるような感覚を呼び起こしてくれる。『DEPARTURES』は、単なるヒット曲ではない。それは、冬の静けさとともに心に降り積もる、“記憶の中の風景”なのだ。


※この記事は執筆時点の情報です。