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29年前、日本中が夢中になった“お茶の間の応援歌” 150万枚を売り上げた“ふざけたフリの本気の名曲”

  • 2025.6.10

「29年前、バラエティから生まれた感動の旋律を覚えてる?」

1996年にリリースされたポケットビスケッツの『YELLOW YELLOW HAPPY』。バラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』内の企画から誕生したこのユニットは、当初こそ“お遊び感覚”で見られていたが、いつしか本気の感動を届ける存在へと変わっていった。

内村光良(TERU)、千秋(CHIAKI)、そしてウド鈴木(UDO)という異色のメンバー。芸能人が番組内で“アーティスト活動”をするという先駆け的試みは、視聴者の想像を超える熱量とドラマを生んでいく。その象徴的な楽曲こそが『YELLOW YELLOW HAPPY』。まさに“お茶の間の応援歌”だった。

“ポケビらしさ”を象徴する前向きなメッセージ

千秋のまっすぐな歌声が、視聴者の胸を打つ。この曲には、明るさと切なさが同居する独特の温度感がある。番組内での奮闘、悔し涙、笑いと涙に満ちた日々が歌詞にリンクし、聴く者の感情を強く揺さぶった。

ただの“企画モノ”に終わらなかった理由は、曲そのものの完成度の高さ、そして真剣に音楽と向き合ったメンバーたちの姿勢にあった。

番組内では、ダンスや歌唱指導に涙を流しながら挑戦するメンバーたちの姿が映し出されていた。笑いに包まれた裏にある“本気の努力”は、視聴者の心を動かすことになる。

150万枚を売り上げた“お茶の間の応援歌”

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(C)SANKEI

『YELLOW YELLOW HAPPY』は、シングルとしても大ヒット。ミリオンセラーを超え、150万枚以上を売り上げる大ヒットとなり、ポケビ旋風を巻き起こした。TVから火がつき、子どもも大人も一緒に歌える“共通言語”のように広がっていったのだ。

黄色い衣装、ハイテンションなパフォーマンス、そしてキャッチーなメロディ。どれをとっても時代を象徴する記号のように、90年代の風景に溶け込んでいた。どこか脱力系に見えるステージング。だが、その“ふざけたフリ”の奥には、誰よりも本気な姿があった。

この曲とともに、90年代の風景がよみがえるという人も多いだろう。それほどまでに、『YELLOW YELLOW HAPPY』は“90年代を象徴する一曲”だった。

時代を超えて残る“90年代カルチャー”

今振り返れば、ポケットビスケッツの存在はまさに90年代のお茶の間カルチャーそのものだった。『YELLOW YELLOW HAPPY』は、その中で最も輝いた一曲であり、多くの人にとって“あの頃の記憶”と強く結びついている。

バラエティから生まれた楽曲が、ここまで人の心を打つことができたのは、“本気”で取り組んだからこそ。

そこにあるのは、芸能人でもアーティストでもない、“ひとりの人間の姿”だったのだ。


※この記事は執筆時点の情報です。